バースカフェ長野開催1か月前。
「現役女子中学生講演家になりたい!」
という結美ちゃんの夢を聞いて
バースカフェの
ナビゲーターをお願いしました。
結美ちゃんは、
学校での先生や友達との関係
家庭でのできごとから
さまざまなことを感じて
苦しんでいました。
今も
その苦しみを
感じていないわけではありません。
でも、だからこそ
「愛し、愛される世の中を創るために、
自分にできることをしてみよう。」
と動き出しました。
彼女と私が深く知りあうようになったのは
彼女が
私たちが主催する
マタニティ合宿に来てくれたこと。
別のイベントで
マタニティ合宿のチラシを受け取った彼女は
「妊娠していなくても、参加できますか?」
と聞いてくれました。
自分の意思で
想いを持ってきてくれた彼女は
私の
「一番大切な中学生の女の子」
になりました。
命の誕生と尊さを感じ、分かち合う
バースカフェ。
今回のバースカフェは
結美ちゃんの命が
どれだけ輝いているのか
ということを
本人が
より深く知ること、
来てくださった方々が
その結美ちゃんの命の輝きに触れ
自分の命の重さを再確認すること。
そんな一日になると思っていました。
この日に向けて、
結美ちゃんを支える家族や
友だちと集まって
講演の練習を重ねました。
原稿を直すことは
バースカフェで上手に話してもらいたいからでは
なかったんだ。
原稿を直すことが
結美ちゃんの
気付きを
より深くすると
感じていたから。
今回のことは
きっかけだし
チャンスだと
思ってた。
それをやりきった
結美ちゃん。
自分の心と向き合いぬいた
まだ15歳の女の子。
心から
心から
尊敬しているよ。
この旅は
続いていく。
私たち
大人も
旅の途中なんだ。
バースカフェは
想像以上に
すばらしい場になりました。
イベントは
イベントではありません。
バースカフェは
日常の
一こまです。
この命が
どんなときも
最高に輝いていることを
思い出す
きっかけです。
これからまた
つながっていく
結美ちゃんや
来て下さったかたがたの
日常。
そして、
その全てが
どんなときも
このちっぽけな私から
始まっていくんだ。
だから
心して、
生きていこう。
みんなありがとう。
バースカフェ長野 2016.1.17のページはこちらから。
https://www.facebook.com/rie.kimura.54966/past_events
オラクルカードを作ってと
大切な友たちに言ってもらって。
できるかな。
まずやってみようと思います。
毎日の瞑想で言葉を頂いたときに、1つずつこちらに書き足していきます。
9
「愛されて
いいんだよ。」
もう
苦しまなくても
いいんだよ。
愛されちゃって
いいんだよ。
そう
愛されちゃって
いいんだよ。
8
「天の願いは
あなたが
満たされていること。」
天の
役に
立ちたいと
願ったら
そう
言われた
気が
したよ。
7
「失敗したと思う
そのできごとも
あなたが歩む
確かなできごと。」
こうしなきゃよかったな
あぁしておけばよかった
って思うこと
あるよね。
その気持ちを
ちゃんと
感じる。
その気持ちを
感じるために
起きたできごと。
心が
ぐんと
深くなる。
6
「あなたが住む
この世界は
すでに
愛に
満ちている。」
いつも
その愛に
身を委ねて
満たされていて
いいんだよ。
あなたが
そう
望む時は
いつも。
5
「あなたは
もうすでに
全てのものを
与えられている」
足りないと
思う
その気持ち。
その気持ちも
あなたが
神様から
貰っている
大切な
贈り物。
足りないと
思うことも
足りていると
思うことも
今
あなたが
選択できる。
どちらを
選ぶことも
持つことも
許されているんだ。
4
「生きている
それだけで
だれかの役に
立っている」
何かを
しなくてはと
焦る気持ち。
そんなときに
言ってみて。
だって
本当の
ことだから。
3
「あなたは
この世界で
最も
特別な存在」
もう、これ以上
誰かよりも
特別になるために
努力をしなくても
いいんだよ。
2
「あなたは今日も
与えられたものを喜んでいる」
起きたことを
全て
よしとする。
よしと
できない
気持ち。
その
気持ちを
よしとする。
全部を
喜べなくても
一番
おしりの
最後の
ところを
よしとする。
そこに
今の光
あたり
喜び
生まれる。
遺言
音々、風太、花笑、草志。
今までありがとう。
私を母親にしてくれて
ありがとう。
あなたたちからもらった
やさしさ。
あなたたちからもらった
ひとつひとつの
全ての思い出。
わたしを
あなたの母親にしてくれた
あの日。
あなたが
わたしの体を通り抜けた
あの瞬間のこと。
そのかわいらしい口元が
わたしの乳首を
力強く吸う
あの日々のこと。
おぼつかない足元で
行ったお散歩。
大きなランドセルを背負って
向かう
その後姿。
あなたがただ
わたしを求める
そのことを
受け止め切れずに
怒ってしまったことも
あったね。
今となっては
その全てが
私の宝物です。
本当は ずっと
あなたたちのそばに
いたいよ。
わたしのこの体が
あなたのその体や心を
満たすことが できると
信じているから。
そう思っているまでは
あなたたちを
満たしてあげていたい。
でももし それが
叶わないのであれば
信じていて。
私は変わらず
お空の上から
あなたたちを
いつも
満たしてあげるからね。
そして
気がついていて欲しい。
あなたのすぐそばに
いつも
あなたたちの幸せを
願い
あなたたちを
見守っている
家族や友だちや
草や花や物たち
たくさんの命が
あることを。
それとひとつになれば
あなたはいつも
けっして一人じゃない。
辛いことがあっても
思い出して欲しい。
いつもだれかが
あなたの幸せを
願っていること。
わたしが
空の上で
あなたの幸せを
願っていること。
だいじょうぶだよ。
なにがあっても 必ず
あなたなら
乗り越えていける。
必ず
乗り越えていけるんだ。
そうわたしに
教えてくれたのは
あなたたちです。
そして
乗り越えた先にも
苦しんでいたそのときにも
変わらぬ愛が
いつも常に
あなたの横に
あったことに
気がつく日が
来るでしょう。
願いは大きく。
たくさんの命が
幸せになる方法を
考えてください。
そして、
そのために、
今あなたにできる
目の前の
小さなことを
心をこめて
やってください。
人に優しくなるために
自分に
優しくなってください。
全てを許すために
自分の全てを
ひとつ
ひとつ
許してあげてください。
あなたと同じ道を
私も歩きました。
そして たくさんの人が
その道を
歩いています。
だいじょうぶだよ。
いつも見守っているから。
もし、
どうしても 辛くて
乗り越えられないことが
起きたときには
そっと 空を
見上げてください。
そこに
わたしがいるから。
音々、風太、花笑、草志、
あなたの幸せを
一番に願う
わたしが
いるから。
時には
あなたの持つカップに
あなたの座るその椅子に
あなたが見つめるその花に
あなたを支えるその人に
わたしがなって
変わらず
愛し続けているから。
感じていてね。
いつも
ずっと
一緒だよ。
お父さんお母さん
わたしをこの世界に
送り出してくれて
ありがとう。
わたしが世界でたった一人
あなたを
わたしの親として
選んだその理由が
今ならよく
わかります。
あなたが
よかったんだ。
あなたの子に
なりたかった。
あなたの
強さも弱さも
その全てが
わたしへの
贈り物でした。
またお空の上で
たくさんの
楽しかった思い出話を
しようね。
素晴らしい人生を
ありがとう。
親愛なるキム。
今までありがとう。
あなたの支えなしでは
ここまで来ることは
到底できませんでした。
あなたとだから
こうして乗り越えて
ここまで来ることが
できました。
いつもあなたが
わたしのそばにいてくれた。
だからこうして
生きてくることができました。
いつも
そこで
支え続けてきてくれて
ありがとう。
次の人生でも
一緒に何かをしようね。
その時にはまた
苦労かけるかもしれないけれど(笑)
たくさんの幸せを
一緒に眺めたいです。
よろしくお願いします。
わたしと関わってくださった
全ての人に
心からの
愛と感謝をこめて。
いつまでも
変わらない
愛を。
~~~~~~~~~~~~~~~~
いろんなことを
考えていたら
「遺言を書いてみるといいよ」
と旦那に言われて
書いてみました。
書く前は
書くのが怖かった。
だって
この子たちを
置いていくことなんて
少し
感じただけで
涙が出てしまうって
わかっていたから。
でも
今日瞑想をしていて
子どもたちへの
愛しさが
こみ上げてきて
この日常の
幸せが
常に
ここにあること
それは
特別なことなんだって
もっと
しっかり
気が付いていたい
って思った。
それで書いてみようと
思えました。
書いている間
涙が
溢れて
止まらなかったけれど
何か
あたたかいものと
それから
この命ある毎日を
どうやって生きていくのか
その新たな決意を
感じることができました。
命ある限り
こうしてまた
生きていきます。
心から
ありがとうございます。
音々、風太、花笑、草志。
今までありがとう。
私を母親にしてくれて
ありがとう。
あなたたちからもらった
やさしさ。
あなたたちからもらった
ひとつひとつの
全ての思い出。
わたしを
あなたの母親にしてくれた
あの日。
あなたが
わたしの体を通り抜けた
あの瞬間のこと。
そのかわいらしい口元が
わたしの乳首を
力強く吸う
あの日々のこと。
おぼつかない足元で
行ったお散歩。
大きなランドセルを背負って
向かう
その後姿。
あなたがただ
わたしを求める
そのことを
受け止め切れずに
怒ってしまったことも
あったね。
今となっては
その全てが
私の宝物です。
本当は ずっと
あなたたちのそばに
いたいよ。
わたしのこの体が
あなたのその体や心を
満たすことが できると
信じているから。
そう思っているまでは
あなたたちを
満たしてあげていたい。
でももし それが
叶わないのであれば
信じていて。
私は変わらず
お空の上から
あなたたちを
いつも
満たしてあげるからね。
そして
気がついていて欲しい。
あなたのすぐそばに
いつも
あなたたちの幸せを
願い
あなたたちを
見守っている
家族や友だちや
草や花や物たち
たくさんの命が
あることを。
それとひとつになれば
あなたはいつも
けっして一人じゃない。
辛いことがあっても
思い出して欲しい。
いつもだれかが
あなたの幸せを
願っていること。
わたしが
空の上で
あなたの幸せを
願っていること。
だいじょうぶだよ。
なにがあっても 必ず
あなたなら
乗り越えていける。
必ず
乗り越えていけるんだ。
そうわたしに
教えてくれたのは
あなたたちです。
そして
乗り越えた先にも
苦しんでいたそのときにも
変わらぬ愛が
いつも常に
あなたの横に
あったことに
気がつく日が
来るでしょう。
願いは大きく。
たくさんの命が
幸せになる方法を
考えてください。
そして、
そのために、
今あなたにできる
目の前の
小さなことを
心をこめて
やってください。
人に優しくなるために
自分に
優しくなってください。
全てを許すために
自分の全てを
ひとつ
ひとつ
許してあげてください。
あなたと同じ道を
私も歩きました。
そして たくさんの人が
その道を
歩いています。
だいじょうぶだよ。
いつも見守っているから。
もし、
どうしても 辛くて
乗り越えられないことが
起きたときには
そっと 空を
見上げてください。
そこに
わたしがいるから。
音々、風太、花笑、草志、
あなたの幸せを
一番に願う
わたしが
いるから。
時には
あなたの持つカップに
あなたの座るその椅子に
あなたが見つめるその花に
あなたを支えるその人に
わたしがなって
変わらず
愛し続けているから。
感じていてね。
いつも
ずっと
一緒だよ。
お父さんお母さん
わたしをこの世界に
送り出してくれて
ありがとう。
わたしが世界でたった一人
あなたを
わたしの親として
選んだその理由が
今ならよく
わかります。
あなたが
よかったんだ。
あなたの子に
なりたかった。
あなたの
強さも弱さも
その全てが
わたしへの
贈り物でした。
またお空の上で
たくさんの
楽しかった思い出話を
しようね。
素晴らしい人生を
ありがとう。
親愛なるキム。
今までありがとう。
あなたの支えなしでは
ここまで来ることは
到底できませんでした。
あなたとだから
こうして乗り越えて
ここまで来ることが
できました。
いつもあなたが
わたしのそばにいてくれた。
だからこうして
生きてくることができました。
いつも
そこで
支え続けてきてくれて
ありがとう。
次の人生でも
一緒に何かをしようね。
その時にはまた
苦労かけるかもしれないけれど(笑)
たくさんの幸せを
一緒に眺めたいです。
よろしくお願いします。
わたしと関わってくださった
全ての人に
心からの
愛と感謝をこめて。
いつまでも
変わらない
愛を。
~~~~~~~~~~~~~~~~
いろんなことを
考えていたら
「遺言を書いてみるといいよ」
と旦那に言われて
書いてみました。
書く前は
書くのが怖かった。
だって
この子たちを
置いていくことなんて
少し
感じただけで
涙が出てしまうって
わかっていたから。
でも
今日瞑想をしていて
子どもたちへの
愛しさが
こみ上げてきて
この日常の
幸せが
常に
ここにあること
それは
特別なことなんだって
もっと
しっかり
気が付いていたい
って思った。
それで書いてみようと
思えました。
書いている間
涙が
溢れて
止まらなかったけれど
何か
あたたかいものと
それから
この命ある毎日を
どうやって生きていくのか
その新たな決意を
感じることができました。
命ある限り
こうしてまた
生きていきます。
心から
ありがとうございます。
小出静さんと原田新さんプロデュースで
2015年11月4日~6日 あたらしや合宿開催します。
コンセプトは オーダーメイド と フルサポート。
なんと、
来てくださる方の悩みや希望を聞いてから 合宿を組み立てる!
という なんとも新しい
あなたのためだけにの合宿なの♪
事前にカウンセリングシートを書いてもらって、
そのカウンセリングシートを見ながら
キムと里恵で合宿の内容をプログラムにしていきます♪
セラピー、コーチング、瞑想、散歩を基本にして、
時には断食や自然食のお料理教室や ボートに乗って川下り、山登りやパラグライダー・・・
あなたが越えたいと思う何か、
たどりつきたいと思うどこかへ
どうやっていけばよいのか、
あなたに合ったやり方を考えてから、
この合宿の内容が決まるの♪
すてきでしょ♪
フルサポートっていうのは、
その願いが形になるまで
一生のお付き合い宣言です♪
今回、小出静さんと原田新さんから
新しい合宿を一緒にやりたいという話をもらって、
実現したこの合宿。
合宿が決まった次の日には
2名の申込みが決まり、
それからまたすぐに
合宿参加者3名の枠がうまってしまいました。
今、来てくれる3人のカウンセリングシートを
キムと二人で 何度も何度も見ながら、
合宿を組み立てているところ。
3人の願いがうまく絡み合って
お互いがいることで
最高の体験になりそうです♪
どんなだったかまたご報告させてくださいね♪
追伸
もし、ぎりぎりこのタイミングしかないから行きたい!
っていう方はもしかしたら
あと一名くらいだったら 大丈夫かもしれないので
お早めにご相談くださいませ。
2015年11月4日~6日 あたらしや合宿開催します。
コンセプトは オーダーメイド と フルサポート。
なんと、
来てくださる方の悩みや希望を聞いてから 合宿を組み立てる!
という なんとも新しい
あなたのためだけにの合宿なの♪
事前にカウンセリングシートを書いてもらって、
そのカウンセリングシートを見ながら
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セラピー、コーチング、瞑想、散歩を基本にして、
時には断食や自然食のお料理教室や ボートに乗って川下り、山登りやパラグライダー・・・
あなたが越えたいと思う何か、
たどりつきたいと思うどこかへ
どうやっていけばよいのか、
あなたに合ったやり方を考えてから、
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すてきでしょ♪
フルサポートっていうのは、
その願いが形になるまで
一生のお付き合い宣言です♪
今回、小出静さんと原田新さんから
新しい合宿を一緒にやりたいという話をもらって、
実現したこの合宿。
合宿が決まった次の日には
2名の申込みが決まり、
それからまたすぐに
合宿参加者3名の枠がうまってしまいました。
今、来てくれる3人のカウンセリングシートを
キムと二人で 何度も何度も見ながら、
合宿を組み立てているところ。
3人の願いがうまく絡み合って
お互いがいることで
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追伸
もし、ぎりぎりこのタイミングしかないから行きたい!
っていう方はもしかしたら
あと一名くらいだったら 大丈夫かもしれないので
お早めにご相談くださいませ。
草志が生まれてきたその時の瞬間のブログは
8月2日 第四子 草志 誕生
http://ameblo.jp/lovenication/entry-12076279434.html
をご覧ください。
~~~~~~~~~~~~~
胸の中に、赤ん坊。
息が私の胸にあたる。
長いような短いような永遠の時間が流れてた。
ふと時計に目をやると3時。
キムの休憩の時間だ。
もう無事生まれて来てくれたし、
心配をかけることもないだろう。
生まれて来てくれたことを報告しようと電話。
5回鳴らしてみる。
まだ休憩前かな。
妊娠してから十月十日、
ずっとこの時のために歩んできた。
この子を無事に迎え入れるために。
それは、
優しくて、
厳しくて、
温かくて、
ひたむきな時間だった。
赤ん坊を抱いて座ったまま
持って来ておいた布を手繰り寄せて
ブルーシートにたまった羊水を片付ける。
バスタオルにくるまれた赤ん坊の身体は
赤く小さくしわしわで、
短い毛が無数に生えていた。
身体が少し寒くなってきた。
用意しておいた肌着を着せよう。
私の中の胎盤と、
目の前の赤ん坊のおへそは、
まだ一本のへその緒でつながっている。
私のすぐ近くの布団の上にそっと転がす。
ちんちん!
男の子だ!!!!
かわいらしいちんちんが
股の間にちょこんと付いていた。
こりゃ風太が喜ぶぞ~…
女の子二人、
男の子一人だった
兄弟たち。
3人の赤ちゃんの話題は、
気がつくといつも、
男か、女かだった。
キムからの着信。
「もしもし?」
「もしもし。生まれそうって。大丈夫?」
私を気遣う優しい声。
「うん、大丈夫だよ。
今、生まれたよ。」
「生まれた?!」
「うん、生まれたよ。
赤ちゃんも私も元気。
もう、大丈夫だから、
仕事終わったら帰って来てね。」
「そう…生まれたのか………
元気なんだね。わかった。
ご苦労様………」
短い短い会話の中からは
キムの驚きとそれから
もう、生まれて来てくれたんだ
もう、心配しなくて良いんだ
という安堵の気持ちが伝わってきた。
一人目の出産から
夫婦でおなかの子を迎え入れると決めた私を
ずっと見守り続けて来たキム。
今回キムが過ごしたこの十月十日もまた、
希望と、不安と、祈りの日々だったに違いなかった。
もう、安心して良いんだよ。
ありがとうね。
腕の中の赤ん坊の吐息。
おなかの中では
一度も空気を吸ったことがないはずの
この命が
今、
呼吸をしている。
その小さな口に
乳首を含ませる。
今まで一度も
乳首に出会ったことのないはずの
その口が
吸いつくように
下と唇を上手に動かす。
まだ使われたことのないはずの
その小さな指先にも
ひとつずつ
ちゃんと
小さな爪がついている。
不思議だね。
時間がいくらあってもよかった。
やることは、
もうないんだ。
ずっとこうしていていいんだ。
ただそこに座って赤ん坊を眺めてた。
カーテン越しに入る初めての優しい光が
少し眩しそうで、
その顔が、
生まれてきたときに
私が掌で受け止めてやれなかったことに
ふてくされたように
見えた。
だだだだだだだ
子どもの足音が部屋に近付いてくる。
私と赤ん坊のいる階段の下、
「お母さん!みんなでお散歩行ってきていい?」
一番上の8歳の音々の声。
「いいよ~。花ちゃんは?」
「連れてく!」
「ありがと~行ってらっしゃ~い」
長女の音々と
5歳の風太と2歳の花笑と
音々のお友だち。
みんなでお散歩。
出かけていくみんなの姿を想像する。
お友だちが帰ったら
子どもたちにへその緒を切って貰おう。
それまでまだ胎盤が出てこないといいな。
私と赤ん坊がまだ繋がっているこの姿を
子どもたちに見せたい。
しばらくすると
家の前の庭で子どもたちの笑い声。
もう散歩から帰って来たのかな。
きゅるるるるるるる~
庭にいつもの軽トラのエンジン音が入って来た。
キム?
4時15分。
もう帰って来たの?
庭で子どもたちと話すキムの声。
帰って来てくれたんだ…
早く、この部屋に上がって来て…
早く、この子に、会いに来て…
階段を上る足音。
がちゃ
「おかえり。」
「ただいま。」
キムが腕の中の赤ん坊に目をやる。
キムと赤ちゃんの初めての出会いは、
なぜかいつもぎこちない。
「何事もなかった?」
「うん、元気に生まれて来てくれたよ。
最後に私のおなかの中でバタバタってバタ足をしてね。」
「そっか。大変だった?」
「そりゃまぁね(笑)。でも、この子のおかげだよ。」
「そっか。」
「仕事、早く切り上げて来てくれたの?大丈夫?」
「生まれたって言ったら、帰れって言うから。」
「そっか。ありがたいね。」
キムがそっと
赤ん坊の顔に触れる。
「へその緒は?」
「まだ切ってないよ。子どもたちに切らせようと思って。
悪いけど、用事ができたって言って、
お友だち送って来てくれないかな?」
「わかった。
他に今
やって欲しいことある?」
「ないよ。
子どもたちに早く赤ちゃん見せたいくらいかな。」
「そだね。じゃぁ行って来るね。」
部屋を出ていくキムとドアのしまる音。
また私とあなた二人。
ひとつが、ふとつ。
ふとつで、ひとつだったわたしたち。
梅しょう番茶を湯呑に注いで飲む。
あったかい。
だだだだだだだ
「お母さん!生まれたの?!赤ちゃん!」
「そうだよ~おいで。風太、見てごらん。男の子だよ。ほら、ちんちんある。」
……!!!!
風太は無言のまま私を見た。
目を大きく見開いて、満面の笑み。
「風太、弟できたね。」
「うん!!!」
元気のよいお返事。
「赤ちゃん、泣いた?」
「泣かなかったよ。」
「お母さんは?」
「泣いてないよ。」
「痛かった?」
「大丈夫だったよ。」
「そっか。」
そう言って、もう一度
できたばかりの弟の顔を覗き込む。
「音々ちゃん呼んでくるね!」
音々と花笑とキムと風太が入ってくる。
「なんで、うそつくの?
おでかけするんじゃないの?」
出かけるからと
お友だちを帰された音々は
おこったようにそう言った。
「ごめんね。
生まれたって言えなかったから、
そう言ってってお母さんがお父さんに頼んだの。」
「じゃあおでかけはしないの?」
「赤ちゃん見て、へその緒切ったら、
パパとみんなでしておいで。
ほら。見てごらん。
まだこのへその緒で繋がってるんだよ。」
「ほんとだぁ。」
風太と花笑が覗き込む。
「へその緒、切る?」
「風太、切りたい!」
「花ちゃんも!」
「私、切らない。風太たち切っていいよ。」
機嫌の悪い音々ちゃん。
この子が生まれる陣痛の時、
私が下の子どもたちを音々にお願いして、
この部屋に駆け込んできたあの時、
音々は今までの2回の経験で知っていた。
母親がこれからおなかの子を産むんだということ。
それを知っていて、
「あとは任せて」と
母親を見送ったんだ。
そんな頼もしい音々についた
うその代償。
大切な特別な誕生という時間は、
ガラスケースに入れられた時間ではなかった。
いつだって、どんな一瞬だって、おんなじ。
おんなじように、流れてる。
どんな感情も入り込めるんだ。
どんな時間にするかは、
いつも無限の可能性と共にある。
だから、
どんな時も、
おんなじように輝いていて、
特別なんだったね。
この誕生の後の家族の一こまを
大切に思い描いていた私に、
日常の何でもない一こま一こまが
滑り込んできた。
今日という特別な一日も、
いつもの一日。
いつもの一日も、
今日という特別な一日。
用意しておいた紐で
キムが二か所へその緒を縛って、
その間を
風太と花笑が
キムと一緒にはさみで切る。
なかなかうまく切れない。
苦戦する3人の姿をぼーっと見てた。
なんだか、痛いような、切ないような、感覚が
ふっと身体を満たす。
ばいばい。
私の中の、あなた。
切られた赤ん坊側のへその緒が
赤ちゃんの肌に触れて冷たくないように
ガーゼを巻く。
これでもう、いつ胎盤が出ても大丈夫だ。
「赤ちゃん、かわいいね。」
花笑が私の肩に手をやって、
私に抱かれた赤ん坊を覗き込みながら言う。
「赤ちゃん、生まれた?」
「うん、生まれたね。」
この子がまだおなかの中にいた頃、
大きなおなかをさすりながら、
話してた。
ここに、赤ちゃんが入っているんだよって。
「花ちゃん、生まれた?」
花笑がまた聞く。
「うん、そう。
花ちゃんも、こうやって、
お母さんの体の中から生まれてきてくれたもんね。」
「風太くん、生まれた?」
「うん、風太くんも、生まれたね。」
「音々ちゃん、生まれた?」
「うん、音々ちゃんも、生まれたね。」
「みんな、生まれた?」
「うん、そうだね、みんな生まれたね。」
その答えを聞くと、
2歳の花笑は、
確認するように力強く頷いた。
この子は、わかってる。
こうして、
命が、誕生すること。
こうして、ずっとずっと昔から、
命が誕生し続けていること。
音々の誕生も、風太の誕生も、
見たことがないけれど、
自分が生まれるもっとずっと前から、
こうして命が誕生し続けて、
命が繋がり続けていること。
そのことを、
感覚として、知っているんだ。
そんな気がした。
「抱っこしたい…」
遠慮がちに音々が言う。
「うん、してみる?どうぞ。
首をしっかりおさえてあげてね。」
そっと音々の両腕に赤ん坊を渡す。
音々ちゃん、
あなたが、この子に、出会う、
その素敵な時間、
私が、台無しにしちゃった。
ごめんね。
いつも、ありがとうね。
「花ちゃんより、大きいね。」
音々が、しっかりとした口調で話す。
それは、私を安心させるために、
発した言葉のように聞こえた。
予定日より1ヶ月半早く、
1800gで生まれてきた花笑。
小さい体には外の世界が寒くて、
風邪をひいて、入院して、
私と離れ、保育器に入った花笑。
毎日母乳を届けに行く私に、
音々は、帰ってくると一番最初に
「花ちゃん、元気だった?」
って聞いてくれていた。
「うん、花ちゃんより大きいね。」
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
「みんな~ご飯だよ~手伝って~。」
いつの間にか下に降りていたキムが
子どもたちを呼ぶ声がする。
「里恵は何か食べる?」
「うん。すいかが食べたいな。後でいいよ。」
「わかった。じゃぁとりあえず子どもたちとご飯してるね。
また、もしおれ、すいかのこと忘れちゃってたら言って。」
「わかった。ありがとう。」
一人ずつ、
こちらを振り返って出て行く、
子どもたちを見送る。
どのくらい時間がたったのだろう。
トイレに行きたくなった。
もう、そろそろ胎盤も出したかった。
できればトイレではなくて、
部屋のタライに胎盤を出したいな~
などと考えながら
階段下のトイレへ。
用を済ませて部屋に戻って来ると、
あ!出る!!!
急いで下着を脱いで、
タライをまたぐ。
もう座っている暇もなかった。
出てきた胎盤を
仁王立ちのまま右手でキャッチ。
とその瞬間、
私の背後の部屋のドアが開いた。
「お、お母さん?!!!」
風太だ!
私は、下半身裸。
赤ん坊の出てきた股の間からは
羊膜のようなものが、
血液と一緒に、
私の体と
私の掌の胎盤を繋いで
伸びている…(笑)
こ、こんな姿、
男の子に見せていいのかな?…
「お母さん、なんだか、血が出てるけど…?」
「あ、風太。これね、胎盤。
赤ちゃんが里恵ちゃんのおなかの中にいた時のベット。
これで赤ちゃんに栄養をあげていたんだよ。
赤ちゃん、お母さんの体のお外に出て、
もう、必要ないから、
胎盤も、今、ちょうど出てきたとこ。」
私はなんだか込み上げてくる笑いを抑えながら、
できるだけなんでもないように答えた。
「そうなんだ…。痛くないの?」
「うん、全然痛くいないよ!」
「そっか、よかった。ならいいけど。」
そう言って安心したように近寄ってくる風太。
子どもってすごい。
全てを感覚で受け止めて行く。
タライに胎盤を入れる。
あとで焼き肉屋あがりのキムにお願いして、
切ってもらおう。
産後の胎盤は、
子宮の収縮を促して、出血を止めてくれるし、
母乳の出を良くしてくれる。
胎盤を少し持ち帰らせてくれる助産院も増えてきたと聞くけれど、
神様は、なんて完璧に全てを準備してくれているのだろう。
夜は、
一緒に寝たいという子どもたちと、
同じ部屋に布団を敷いて眠った。
ちょうど夏休みの子どもたちは、
明日からばぁばの家に遊びに行く予定になっていた。
その前日に、
こうして、ひとめ、みんなに姿を見せに、
この日を選んで、生まれてきてくれたあなた。
出産に立ち会うことへの責任と、
不安を感じていたキムが、
仕事で出かけているこの時間を選んで
生まれてきてくれた、あなた。
全ては完璧なタイミングだった。
キムにおまるを持ってきてもらう。
私の母親が私たち4人姉妹を育て、
音々と風太と花笑が使ったこの、おまる。
生まれたばかりの赤ん坊は
おしっこがしたくなるとむずがり、
おまるに掲げると、
生まれてきたその日からおまるでおしっこをした。
私たちは、完璧に守られていて、
どんな毎日も、
与えられたギフトなんだ。
今日から、また、始まっていく。
いつもそこにある
全く新しい時間。
そこに、光がさしていることに、
どんな時も、
ふと、
気が付いていられますように。
8月2日 第四子 草志 誕生
http://ameblo.jp/lovenication/entry-12076279434.html
をご覧ください。
~~~~~~~~~~~~~
胸の中に、赤ん坊。
息が私の胸にあたる。
長いような短いような永遠の時間が流れてた。
ふと時計に目をやると3時。
キムの休憩の時間だ。
もう無事生まれて来てくれたし、
心配をかけることもないだろう。
生まれて来てくれたことを報告しようと電話。
5回鳴らしてみる。
まだ休憩前かな。
妊娠してから十月十日、
ずっとこの時のために歩んできた。
この子を無事に迎え入れるために。
それは、
優しくて、
厳しくて、
温かくて、
ひたむきな時間だった。
赤ん坊を抱いて座ったまま
持って来ておいた布を手繰り寄せて
ブルーシートにたまった羊水を片付ける。
バスタオルにくるまれた赤ん坊の身体は
赤く小さくしわしわで、
短い毛が無数に生えていた。
身体が少し寒くなってきた。
用意しておいた肌着を着せよう。
私の中の胎盤と、
目の前の赤ん坊のおへそは、
まだ一本のへその緒でつながっている。
私のすぐ近くの布団の上にそっと転がす。
ちんちん!
男の子だ!!!!
かわいらしいちんちんが
股の間にちょこんと付いていた。
こりゃ風太が喜ぶぞ~…
女の子二人、
男の子一人だった
兄弟たち。
3人の赤ちゃんの話題は、
気がつくといつも、
男か、女かだった。
キムからの着信。
「もしもし?」
「もしもし。生まれそうって。大丈夫?」
私を気遣う優しい声。
「うん、大丈夫だよ。
今、生まれたよ。」
「生まれた?!」
「うん、生まれたよ。
赤ちゃんも私も元気。
もう、大丈夫だから、
仕事終わったら帰って来てね。」
「そう…生まれたのか………
元気なんだね。わかった。
ご苦労様………」
短い短い会話の中からは
キムの驚きとそれから
もう、生まれて来てくれたんだ
もう、心配しなくて良いんだ
という安堵の気持ちが伝わってきた。
一人目の出産から
夫婦でおなかの子を迎え入れると決めた私を
ずっと見守り続けて来たキム。
今回キムが過ごしたこの十月十日もまた、
希望と、不安と、祈りの日々だったに違いなかった。
もう、安心して良いんだよ。
ありがとうね。
腕の中の赤ん坊の吐息。
おなかの中では
一度も空気を吸ったことがないはずの
この命が
今、
呼吸をしている。
その小さな口に
乳首を含ませる。
今まで一度も
乳首に出会ったことのないはずの
その口が
吸いつくように
下と唇を上手に動かす。
まだ使われたことのないはずの
その小さな指先にも
ひとつずつ
ちゃんと
小さな爪がついている。
不思議だね。
時間がいくらあってもよかった。
やることは、
もうないんだ。
ずっとこうしていていいんだ。
ただそこに座って赤ん坊を眺めてた。
カーテン越しに入る初めての優しい光が
少し眩しそうで、
その顔が、
生まれてきたときに
私が掌で受け止めてやれなかったことに
ふてくされたように
見えた。
だだだだだだだ
子どもの足音が部屋に近付いてくる。
私と赤ん坊のいる階段の下、
「お母さん!みんなでお散歩行ってきていい?」
一番上の8歳の音々の声。
「いいよ~。花ちゃんは?」
「連れてく!」
「ありがと~行ってらっしゃ~い」
長女の音々と
5歳の風太と2歳の花笑と
音々のお友だち。
みんなでお散歩。
出かけていくみんなの姿を想像する。
お友だちが帰ったら
子どもたちにへその緒を切って貰おう。
それまでまだ胎盤が出てこないといいな。
私と赤ん坊がまだ繋がっているこの姿を
子どもたちに見せたい。
しばらくすると
家の前の庭で子どもたちの笑い声。
もう散歩から帰って来たのかな。
きゅるるるるるるる~
庭にいつもの軽トラのエンジン音が入って来た。
キム?
4時15分。
もう帰って来たの?
庭で子どもたちと話すキムの声。
帰って来てくれたんだ…
早く、この部屋に上がって来て…
早く、この子に、会いに来て…
階段を上る足音。
がちゃ
「おかえり。」
「ただいま。」
キムが腕の中の赤ん坊に目をやる。
キムと赤ちゃんの初めての出会いは、
なぜかいつもぎこちない。
「何事もなかった?」
「うん、元気に生まれて来てくれたよ。
最後に私のおなかの中でバタバタってバタ足をしてね。」
「そっか。大変だった?」
「そりゃまぁね(笑)。でも、この子のおかげだよ。」
「そっか。」
「仕事、早く切り上げて来てくれたの?大丈夫?」
「生まれたって言ったら、帰れって言うから。」
「そっか。ありがたいね。」
キムがそっと
赤ん坊の顔に触れる。
「へその緒は?」
「まだ切ってないよ。子どもたちに切らせようと思って。
悪いけど、用事ができたって言って、
お友だち送って来てくれないかな?」
「わかった。
他に今
やって欲しいことある?」
「ないよ。
子どもたちに早く赤ちゃん見せたいくらいかな。」
「そだね。じゃぁ行って来るね。」
部屋を出ていくキムとドアのしまる音。
また私とあなた二人。
ひとつが、ふとつ。
ふとつで、ひとつだったわたしたち。
梅しょう番茶を湯呑に注いで飲む。
あったかい。
だだだだだだだ
「お母さん!生まれたの?!赤ちゃん!」
「そうだよ~おいで。風太、見てごらん。男の子だよ。ほら、ちんちんある。」
……!!!!
風太は無言のまま私を見た。
目を大きく見開いて、満面の笑み。
「風太、弟できたね。」
「うん!!!」
元気のよいお返事。
「赤ちゃん、泣いた?」
「泣かなかったよ。」
「お母さんは?」
「泣いてないよ。」
「痛かった?」
「大丈夫だったよ。」
「そっか。」
そう言って、もう一度
できたばかりの弟の顔を覗き込む。
「音々ちゃん呼んでくるね!」
音々と花笑とキムと風太が入ってくる。
「なんで、うそつくの?
おでかけするんじゃないの?」
出かけるからと
お友だちを帰された音々は
おこったようにそう言った。
「ごめんね。
生まれたって言えなかったから、
そう言ってってお母さんがお父さんに頼んだの。」
「じゃあおでかけはしないの?」
「赤ちゃん見て、へその緒切ったら、
パパとみんなでしておいで。
ほら。見てごらん。
まだこのへその緒で繋がってるんだよ。」
「ほんとだぁ。」
風太と花笑が覗き込む。
「へその緒、切る?」
「風太、切りたい!」
「花ちゃんも!」
「私、切らない。風太たち切っていいよ。」
機嫌の悪い音々ちゃん。
この子が生まれる陣痛の時、
私が下の子どもたちを音々にお願いして、
この部屋に駆け込んできたあの時、
音々は今までの2回の経験で知っていた。
母親がこれからおなかの子を産むんだということ。
それを知っていて、
「あとは任せて」と
母親を見送ったんだ。
そんな頼もしい音々についた
うその代償。
大切な特別な誕生という時間は、
ガラスケースに入れられた時間ではなかった。
いつだって、どんな一瞬だって、おんなじ。
おんなじように、流れてる。
どんな感情も入り込めるんだ。
どんな時間にするかは、
いつも無限の可能性と共にある。
だから、
どんな時も、
おんなじように輝いていて、
特別なんだったね。
この誕生の後の家族の一こまを
大切に思い描いていた私に、
日常の何でもない一こま一こまが
滑り込んできた。
今日という特別な一日も、
いつもの一日。
いつもの一日も、
今日という特別な一日。
用意しておいた紐で
キムが二か所へその緒を縛って、
その間を
風太と花笑が
キムと一緒にはさみで切る。
なかなかうまく切れない。
苦戦する3人の姿をぼーっと見てた。
なんだか、痛いような、切ないような、感覚が
ふっと身体を満たす。
ばいばい。
私の中の、あなた。
切られた赤ん坊側のへその緒が
赤ちゃんの肌に触れて冷たくないように
ガーゼを巻く。
これでもう、いつ胎盤が出ても大丈夫だ。
「赤ちゃん、かわいいね。」
花笑が私の肩に手をやって、
私に抱かれた赤ん坊を覗き込みながら言う。
「赤ちゃん、生まれた?」
「うん、生まれたね。」
この子がまだおなかの中にいた頃、
大きなおなかをさすりながら、
話してた。
ここに、赤ちゃんが入っているんだよって。
「花ちゃん、生まれた?」
花笑がまた聞く。
「うん、そう。
花ちゃんも、こうやって、
お母さんの体の中から生まれてきてくれたもんね。」
「風太くん、生まれた?」
「うん、風太くんも、生まれたね。」
「音々ちゃん、生まれた?」
「うん、音々ちゃんも、生まれたね。」
「みんな、生まれた?」
「うん、そうだね、みんな生まれたね。」
その答えを聞くと、
2歳の花笑は、
確認するように力強く頷いた。
この子は、わかってる。
こうして、
命が、誕生すること。
こうして、ずっとずっと昔から、
命が誕生し続けていること。
音々の誕生も、風太の誕生も、
見たことがないけれど、
自分が生まれるもっとずっと前から、
こうして命が誕生し続けて、
命が繋がり続けていること。
そのことを、
感覚として、知っているんだ。
そんな気がした。
「抱っこしたい…」
遠慮がちに音々が言う。
「うん、してみる?どうぞ。
首をしっかりおさえてあげてね。」
そっと音々の両腕に赤ん坊を渡す。
音々ちゃん、
あなたが、この子に、出会う、
その素敵な時間、
私が、台無しにしちゃった。
ごめんね。
いつも、ありがとうね。
「花ちゃんより、大きいね。」
音々が、しっかりとした口調で話す。
それは、私を安心させるために、
発した言葉のように聞こえた。
予定日より1ヶ月半早く、
1800gで生まれてきた花笑。
小さい体には外の世界が寒くて、
風邪をひいて、入院して、
私と離れ、保育器に入った花笑。
毎日母乳を届けに行く私に、
音々は、帰ってくると一番最初に
「花ちゃん、元気だった?」
って聞いてくれていた。
「うん、花ちゃんより大きいね。」
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
「みんな~ご飯だよ~手伝って~。」
いつの間にか下に降りていたキムが
子どもたちを呼ぶ声がする。
「里恵は何か食べる?」
「うん。すいかが食べたいな。後でいいよ。」
「わかった。じゃぁとりあえず子どもたちとご飯してるね。
また、もしおれ、すいかのこと忘れちゃってたら言って。」
「わかった。ありがとう。」
一人ずつ、
こちらを振り返って出て行く、
子どもたちを見送る。
どのくらい時間がたったのだろう。
トイレに行きたくなった。
もう、そろそろ胎盤も出したかった。
できればトイレではなくて、
部屋のタライに胎盤を出したいな~
などと考えながら
階段下のトイレへ。
用を済ませて部屋に戻って来ると、
あ!出る!!!
急いで下着を脱いで、
タライをまたぐ。
もう座っている暇もなかった。
出てきた胎盤を
仁王立ちのまま右手でキャッチ。
とその瞬間、
私の背後の部屋のドアが開いた。
「お、お母さん?!!!」
風太だ!
私は、下半身裸。
赤ん坊の出てきた股の間からは
羊膜のようなものが、
血液と一緒に、
私の体と
私の掌の胎盤を繋いで
伸びている…(笑)
こ、こんな姿、
男の子に見せていいのかな?…
「お母さん、なんだか、血が出てるけど…?」
「あ、風太。これね、胎盤。
赤ちゃんが里恵ちゃんのおなかの中にいた時のベット。
これで赤ちゃんに栄養をあげていたんだよ。
赤ちゃん、お母さんの体のお外に出て、
もう、必要ないから、
胎盤も、今、ちょうど出てきたとこ。」
私はなんだか込み上げてくる笑いを抑えながら、
できるだけなんでもないように答えた。
「そうなんだ…。痛くないの?」
「うん、全然痛くいないよ!」
「そっか、よかった。ならいいけど。」
そう言って安心したように近寄ってくる風太。
子どもってすごい。
全てを感覚で受け止めて行く。
タライに胎盤を入れる。
あとで焼き肉屋あがりのキムにお願いして、
切ってもらおう。
産後の胎盤は、
子宮の収縮を促して、出血を止めてくれるし、
母乳の出を良くしてくれる。
胎盤を少し持ち帰らせてくれる助産院も増えてきたと聞くけれど、
神様は、なんて完璧に全てを準備してくれているのだろう。
夜は、
一緒に寝たいという子どもたちと、
同じ部屋に布団を敷いて眠った。
ちょうど夏休みの子どもたちは、
明日からばぁばの家に遊びに行く予定になっていた。
その前日に、
こうして、ひとめ、みんなに姿を見せに、
この日を選んで、生まれてきてくれたあなた。
出産に立ち会うことへの責任と、
不安を感じていたキムが、
仕事で出かけているこの時間を選んで
生まれてきてくれた、あなた。
全ては完璧なタイミングだった。
キムにおまるを持ってきてもらう。
私の母親が私たち4人姉妹を育て、
音々と風太と花笑が使ったこの、おまる。
生まれたばかりの赤ん坊は
おしっこがしたくなるとむずがり、
おまるに掲げると、
生まれてきたその日からおまるでおしっこをした。
私たちは、完璧に守られていて、
どんな毎日も、
与えられたギフトなんだ。
今日から、また、始まっていく。
いつもそこにある
全く新しい時間。
そこに、光がさしていることに、
どんな時も、
ふと、
気が付いていられますように。




