スリランカに向けて
4人の子どもたちを置いて
家を出る。
右の手を
花笑が握って
左の腕に
風太が頰ずり。
右の太ももを
音々が枕にして
お腹の上に
草志。
「大好きだよ。
いつもありがとう。」
ひとりひとり
伝えてく。
「ママ大すき!」
ひとりひとりが
伝えてくれる。
「だぃちゃき!だぃちゃき!」
草志まで
もうその音を覚えて
繰り返す。
「あぁ
なんだか
みんなと離れるの
さびしくなってきちゃって
スリランカ行くのが
少し嫌になってきちゃったなぁ。」
そう言うと
「じゃあ行かなければいいじゃん。
なんで行くの?」
と音々が言うから
「それは
行くと決めたから
行くんだよ。」
とわたし。
「じゃあなんで
行くと決めたの?」
と言うから
「そうしようかなと
思ったから…」
と言うと
納得したような
納得していないような
間が流れて
「じゃあ行くとき
ちゃんと起こしてね!」
と言い残して
みんな
寝てしまった。
4人の寝顔を眺めて
寝室を出る。
手伝いに来てくださっている
さえちゃんと
話す約束をしていたんだ。
さえちゃんが来てくれたのは
半月前。
さえちゃんは
少し疲れているから元気がないと
ここみんなの家に
来れるまで
2ヶ月間かかった。
ここに来てからは
3日後に
ボラバイトに行こうか
迷い始めたさえちゃん。
その希望と不安と迷いの
入り混じる中にいた。
さえちゃんが
来てくれた次の日
「私は
地球をより良くしたくて
生まれてきたのだと
思っています。」
そう
話してくれたときの
クリアで
まっすぐな
さえちゃん。
彼女がまた
慣れ親しんだやり方に戻りたくなって
その役を演じるときに
やるせなさを感じることや
彼女に何かを
偉そうに
伝えたくなる時も
彼女の瞳を
見せてもらっていたから
彼女を信頼することができた。
どんな瞬間も
さえちゃんを
私を信じること、
私は
自分自身を見張ることに
気を配ること、
さえちゃんは
私にとって
この
みんなの家にとって
ギフトなのだと
気付いていること、
わたしには
それしかできないんだ。
さえちゃんの気持ちが
揺れ続けることと
スタッフとの話し合いの中で
私がここを発つ前に
彼女がこれから
どうするのか
結論として
話し合っておく必要があった。
「里恵さんと私は違うから…」
さえちゃんからのメッセージ。
伝えた方が良いと思った。
「ここに来てくれたこと
心から心から
ありがとう。
でも一度ここを出た方が
良いと思う。」
さえちゃんのこと
心の奥の方で
いつもいつも
愛していると感じているよ。
私たちが
ひとつであることも
知ってる。
だから
恐れず
伝えることができた。
「里恵さんは
私のことを勘違いしてると
思います。
話す時間をください。」
「今は
子どもとお別れするから
子どもと一緒の時間を
過ごしていたいんだ。」
「ではここで
子どもたちのいるところで
大丈夫ですから。」
「そうじゃなくて
子どもとゆったり
時間を過ごしたいの。
子どもが寝たら
時間を作るから。」
そう言い残して
子どもとベッドルームへ入った私。
この時期に
スリランカに行くことは
みんなの家のオープンが決まる前に
決めたことだった。
そのあと
たった1ヶ月で
現実は急ピッチで
動き
このみんなの家を
11月11日に
オープンすることが決まり
オープンに向けて
毎日たくさんの方々が
手伝いに来て下さり
この「みんなの家」を
一緒にやっていく仲間まで
できた。
そんな状況の中で
私が
子どもたちを置いて
初旅に行くことに
後ろめたさを
感じていた。
スリランカへは
瞑想をしに行く予定でいた。
「必ず
みんなに
何倍にもしてお返しできる
自分になって
帰って来ます。」
そう仲間や
自分自身に
宣言しても
心のどこかに
曇りがあった。
子どもの愛しさに
この旅が
どんな現実を
持ってきてくれるのだろうかと
考える。
そして
寝室を出たその食堂に
さえちゃんは
凛として
立っていた。
「里恵さん
私覚悟が決まりました。
だから里恵さんは
もう、安心して
スリランカへ行ってきてください。
一週間後
成長した私を
里恵さんに見せられることを
楽しみにしています。
里恵さん
今から出発まで
少しでも
休んでください。
キムさん
里恵さん
みなさんの愛を
たくさん感じました。
今まで
ずっと信じてくださり
ありがとうございます。」
もうそこには
自分に足りない何かを
追い求めようとする
さえちゃんは
いなかった。
さえちゃんも
わたしも
泣いていた。
奇跡が
起こったんだ。
「さえちゃん
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
今ここで
わたしと
さえちゃんの間で起きた
この空間を
この時間を
死ぬ時の
冥土の土産にするね。笑」
そう言ってハグ。
「さえちゃん
もし、さえちゃんが
ここにいるのなら
さえちゃんに
ご相談したいことが
あったんだけど…」
「なんでしょうか?」
草志がわたしと離れて
過ごしているその間
草志が
お腹を空かせていないか
オムツが濡れて
冷たくなっていないか
気にかけてもらうことは
できないかしら…
もちろんキムが
やってくれると言っているのだけど
男の人は
作業で忙しいと
後回しになってしまうことも
あると思うの。
それをさえちゃんの女性の視点で
気にかけてあげて
貰えないかな…」
…
…
「わたし
一週間
草志くんのお母さんに
なれるんですね。
ありがとうございます。
こんなチャンスを
わたしにくださり
ありがとうございます。」
さえちゃんは
目に涙を浮かべたまま
そう言ってくださった。
「ありがとう。
ありがとう。
わたしは
スリランカで
何もしてあげることが
できないけれど
向こうで
草志のことも思うたびに
あぁ今頃きっと
さえちゃんが
草志のことを
気にかけてくれている。
ありがとうって
スリランカから
思っているね。
きっと
いつもいつも思っているね。」
こんな奇跡が起こるとは
思ってもみなかったんだよ。
わたしが
スリランカへ発つ
その前に
ここ
本来のじぶんに還る
「みんなの家」で
もう
奇跡は
始まった。
この
さえちゃんに
出会うために
スリランカへ行くことに
なったのだと
思えた。
ありがとう。
わたしのいない間
ここ
みんなの家に
来てくださるみなさん
支えてくれているスタッフ、
待ってくれている家族、
さえちゃん、
心から
心から
ありがとうございます。
また
一週間後の私たちに
出会えることに
わくわくと
心からの感謝を込めて。
ありがとうございます。
行って来ます。
わたしも
泣いていた。
奇跡が
起こったんだ。
「さえちゃん
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
今ここで
わたしと
さえちゃんの間で起きた
この空間を
この時間を
死ぬ時の
冥土の土産にするね。笑」
そう言ってハグ。
「さえちゃん
もし、さえちゃんが
ここにいるのなら
さえちゃんに
ご相談したいことが
あったんだけど…」
「なんでしょうか?」
草志がわたしと離れて
過ごしているその間
草志が
お腹を空かせていないか
オムツが濡れて
冷たくなっていないか
気にかけてもらうことは
できないかしら…
もちろんキムが
やってくれると言っているのだけど
男の人は
作業で忙しいと
後回しになってしまうことも
あると思うの。
それをさえちゃんの女性の視点で
気にかけてあげて
貰えないかな…」
…
…
「わたし
一週間
草志くんのお母さんに
なれるんですね。
ありがとうございます。
こんなチャンスを
わたしにくださり
ありがとうございます。」
さえちゃんは
目に涙を浮かべたまま
そう言ってくださった。
「ありがとう。
ありがとう。
わたしは
スリランカで
何もしてあげることが
できないけれど
向こうで
草志のことも思うたびに
あぁ今頃きっと
さえちゃんが
草志のことを
気にかけてくれている。
ありがとうって
スリランカから
思っているね。
きっと
いつもいつも思っているね。」
こんな奇跡が起こるとは
思ってもみなかったんだよ。
わたしが
スリランカへ発つ
その前に
ここ
本来のじぶんに還る
「みんなの家」で
もう
奇跡は
始まった。
この
さえちゃんに
出会うために
スリランカへ行くことに
なったのだと
思えた。
ありがとう。
わたしのいない間
ここ
みんなの家に
来てくださるみなさん
支えてくれているスタッフ、
待ってくれている家族、
さえちゃん、
心から
心から
ありがとうございます。
また
一週間後の私たちに
出会えることに
わくわくと
心からの感謝を込めて。
ありがとうございます。
行って来ます。




