さて、お次の作品はBilly Elliot 。
映画の邦題は「リトル・ダンサー」です。なんでビリーエリオットのままじゃダメなんですかね、同じ作品ってわからないじゃないですか。
MAMMA MIAは歌を楽しむミュージカルだとご説明しました。
一方こちらの作品、
目で楽しんでください。楽曲提供したのはあのElton Johnです。
だから使われる曲が全部いい歌なのは間違いないんです。それでもどうしても頭に入ってこないんですよ。そうなってしまうには理由があります。
ビリー役の子のダンスがすごすぎるからです。歌や音楽は完全に彼の踊りに食われます。(それでも、オーディションでビリーが歌うElectricityはお気に入りのナンバーです)b>
クラシック、コンテンポラリー、タップ、アクロバットと作品の随所に散りばめられた高難易度のダンスを涼しい顔でやってのけるビリー少年!
惚れてまうやろ!(演じる子はまだ10~12歳の男の子ですけども)
たまにゼーハー息を切らしているのもまた健気でかわいい!
映画版のビリーを演じたジェイミー・ベルが今ではイケメン俳優として華麗な成長を遂げましたが、きっと10年も経ったらそうなるんだろうなあという期待の美少年俳優が舞台で縦横無尽に華麗に舞います。
ジェイミー演じるビリー少年、眼福にもほどがあります笑
内容は、そこまで複雑ではありません。内容は…ね。
あらすじは、ひょんな事からダンスの才能を見初められたビリー少年が、お父さんに内緒でバレエの特訓を受けたのちロンドンのロイヤルバレエ学校のオーディションを受けるまでが描かれています。
しかしこの作品、
時代背景、北イングランド訛りがわからないとかなりきついです。
時代背景からお話しすると、時はマーガレット・サッチャー政権の時代。
サッチャーさんが燃料を石炭から石油に切り替えるべく、炭鉱を廃止し始めた頃。炭鉱夫であったビリー少年のお父さんとお兄さんは炭鉱閉鎖反対のストライキに参加します。
…ここまで書いて、内容がそこまで明るくないのがお分かりですよね。
家庭内もギスギスし、お母さんを幼くして亡くしたビリー少年はやりたくもないボクシングを習わされたり認知症のおばあちゃんの面倒を見させられる生活に嫌気がさしていました。
そんな中、ボクシング教室のあと開かれるバレエ教室に参加することになってしまい、次第に踊ることの魅力にとりつかれていくのです。
そして、物語の舞台になっているのは北イングランドの小さな田舎町。
つまり、登場人物は誰も標準語を話しません!訛りがきつくて、これ、本当に英語?って思うくらい聴き取りが難解です。二回目だけどまた玉砕しました…。悔しい。
そして、文字に起こせないような汚い言葉が大人子供限らずバシバシ台詞に出てきます。
予習0で観たら、本当に何がなんだかわからないと思いますので注意してください。
それでもこの舞台を推す理由は、ビリーの圧巻のダンスに尽きると思います。
正直、歌は他の演目の子役の方が上手です。
でもいいんです。このミュージカルはダンスを楽しむものなんだから。
なんかね、だんだん舞台に出ているビリー少年役の子役と役柄がダブって泣けてくるんですよ。
ああ、この子たちは本当に踊ることが好きで好きで命懸けているんだなぁって。
それがずしっと伝わる場面がいくつかあります。
劇中では、ビリーは自分の感情をダンスにのせることが非常に多いです。
圧巻なのは特に、怒りのダンス。Angry Danceと呼ばれる、一幕目の見せ場の一つです。
ロイヤルバレエ学校のオーディションをお父さんから反対され、怒り叫びながら自室へ帰るビリー少年。タップ靴で床に金属音をガチャガチャ鳴らし、場面は次第にビリーの自宅からストライキ場面にオーバーラップしていきます。機動隊のバリケードがビリーの目の前に立ちはだかる困難と重なります。バリケードにぶつかり、倒れるをタップダンスを踊りながら繰り返す様子はゾクッとするものがありました。
そしてラストは彼の魂を込めた叫びで終わる…という。
…観たい?
そんな方のために、動画、見つけてきました^o^
こちらから飛べます↓
そういう激しいダンスも踊る一方で、二幕目で大人になったビリーの幻と二人で優雅に踊る白鳥の湖もまた、見ものです。
そうそう、このミュージカル、親子愛ばっかり描かれていて恋愛要素ゼロって思っていませんか?
もちろん次第に心変わりしスト破りまでしてバレエ学校受験を応援するお父さんとの家族愛が美しいんですが…
ラブ要素もあります!
ミュージカルたるもの少しはロマンスを期待しちゃいますよね❤
そうなんですよ、バレエ教室の娘のデビーって子とビリーがいい感じに…
はならず、
まさかのマイケルという男友達がビリーに恋しているんです。
もともと彼はお母さんの目を盗んで化粧やワンピースに興味を持つ子で、ビリーにだけこっそりゲイであることをカミングアウトします。
そして、ビリーの手を温めてあげたり、ほっぺにチューもします。まだ小学生の男の子にそんな演出して大丈夫なのかとびっくりしましたが、さすがプロの子役。女装もキスも動じません。すごい…。
でね、予想がつくと思いますがビリーがゲイでない以上この恋は叶わないんです。
だからラストのマイケルとビリーの別れのシーンでビリーがマイケルに最後のキスをしてあげるのですがその時のマイケルの顔が、切なくて…キュンキュンしました。
個人的に好きなシーンなので紹介しました。
私は全く抵抗ないですが、もし、その手の内容が苦手な方は観劇の際はご注意ください。
そろそろまとめます。
この舞台を観る時には、ブルース・リーの名言がぴったりです。
考えるな!感じろ!
たとえ言葉がわからなくたってビリーのダンスを観れば、ダイレクトに感情が伝わるはずですから。
英語わからなくてもどうにかなる度★☆☆☆☆
ビリーのダンスに涙せよ!度★★★★★
予習しておくと楽しさ倍増度★★★★☆
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