「戦後日本経済史」もあと2回となりました。
表題にある「いざなみ景気」とは、2002年2月から2009年3月まで続いた、戦後最長の好景気のことなのですが、
実質GDPの成長率は低かったため「陽炎景気」なんて別名で呼ばれてました。
この「いざなみ景気」は長く続いたのですが、途中短期間ではありますが、2回の景気の底打ちを克服(二つの踊り場)して続いたものなのです。
※1
1回目の底打ちは、イラク情勢の緊迫化で輸出産業が打撃を受けました。
2回目の底打ちは、アテネオリンピックが終了したのち、情報関連産業が衰退を受けたためだそうです。
この間にイラク情勢が落ち着いたリして景気が持ち直し、そんなことを繰り返しながら戦後最長の好景気を持続したわけです。
まあ当然この間には、規制緩和や税制改革や、量的緩和などで下支えは当然していたわけですけどね。
また雇用関係では下図の通り、有効求人倍率、完全失業率は改善するも、給与額は上がらないのですね。
バブル経済のトラウマで、企業が内部留保していたり、ストックオプションで経営陣が高額な報酬をもらっていたからなんでしょうか??
景気が良くなっても実感として感じなかったのが、この「いざなみ景気」になります。
※2
また下図は株価の長期推移表です。
※3
イラク戦争で急落し、リーマンショックで急落ですね。
本日(12月26日)は、米国の政局で1000円以上急落し日経平均は20000円を割りましたね。
外的要因で日本の株式は左右されますね。市場に流入する70%は外資と言われてますからね。
この様に、前回の講義で出た金融政策の失敗や、量的緩和によるマネーサプライの増加政策をするも、外的要因で出鼻をくじかれたりし続けたのですね。
そして2009年まで続いた「いざなみ景気」は、民主党政権と交代するも政権の運営がうまくいかず、
デフレスパイラルから脱却できずに、再度自民党の安倍政権に移っていくのです。

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本講義配布資料