ある意味、衝撃的なニュースが飛び込んだ
FMラジオ局「Kiss-FM KOBE」が2007~08年度にかけて売上高を約6億円粉飾し、08年度の営業利益も約2億円水増しした疑いがあることが9日、分かった。昨年12月に就任した城田渉社長(54)が神戸新聞の取材に答えた。
城田社長によると、同社は架空の売り上を記載するなどして粉飾。07年度は売上高約10億円のうち2億円、08年度には同約13億円のうち約4億円が水増しされていたという。こうした虚偽の決算を基に、同社は金融機関などから約1億5千万円の融資を受けていた。放送事業を許認可する総務省や株主総会にも虚偽の報告をしていたことになる。
同社は、業績不振に伴って給与の未払いが常態化。昨年12月の臨時株主総会で、東京の資源採掘会社「日本・ボルネオ・エネルギー」を引受先とする第三者割当増資を決めた。その後、ボルネオ社は「キッス社の会計に不明朗な点がある」として出資を見合わせているという。
城田社長は、今月中にも旧経営陣に損害賠償を求めて提訴する方針。一方で、社員の中からは「粉飾を知りながら増資計画を立てた」として城田社長を含む全取締役の解任を求める声があり、キー局のエフエム東京に再建嘆願書を提出した。
Kiss-FMは兵庫県と大阪府の全域をカバー。1989年に独立局として開局し、03年に全国FM放送協議会(JFN)に加盟した。県と神戸、姫路、尼崎市も出資している。社員15人。