http://ameblo.jp/lovejapanmuch/entry-12236723848.html より再録・訂正、追記あり
子供の本の選び方
2017-01-14 07:14:40
前回の 講談社による刷り込み ではありませんが、周囲を見渡せばろくな本、雑誌がありません。
古事記を学ぼうとする子供にまで洗脳の手が!
うちの子(小学生)が冬休みに読む本として学校の図書室で借りてきた本がこれ↓
古事記 そこに神さまがいた! 不思議なはじまりの物語 (ストーリーで楽しむ日本の古典 1)/岩崎書店
- ¥1,620
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※古事記について知らない人はいないと思いますが、念の為…
宇宙かいびゃくの頃や、日本がどのようにして出来たか、から始まり、31代推古天皇まで
記されている。太安万侶が編纂し、712年元明天皇に献上された日本最古の歴史書。
例えば、「イザナギ、イザナミの国産み神話」「因幡の白ウサギ」「ヤマタノオロチ」など多くの
有名な話が入っています。うちでは古事記の原本を素読の素材にもしています。
古事記を子供にも分かるように優しく解説している本かなぁと最初は思ったのですが、
この本は古事記を編纂する作業をしている少年少女達を主軸に話を進めています。
交互に古事記の本文(もちろん現代語訳)を織り交ぜていき、
感想を言い合いながらワイワイと編纂作業を進めています。
古事記編纂しているのが子供達というのもアレなんですが。
その古事記編纂作業の描写がほとんどファンタジーなんです。
<登場人物>
編者として登場した人物
(かっこ)は私がつけた注釈
阿倍仲麻呂 13歳
成績が悪ぎるので古事記編纂を無理矢理手伝わされている
(後の遣唐使。非常に優秀で唐では重要な役に重用され結局日本に帰ってくることが叶わなかった)
稗田阿礼 同じ年齢ぐらい
美少女で賢明な巫女という設定
(女性という説もあるが、舎人(とねり)という役職は普通男性です。稗田阿礼は28歳であるらしい)
あすかべ姫 同じ年齢ぐらい
(聖武天皇の皇后、後の光明皇后、当時は女官)
首(おびと)皇子 10歳だったかな?
(後の聖武天皇、奈良の大仏を建立)
<コメント>
特に問題なのがあすかべ姫
右大臣の娘ですが当時は女官(女儒 )です。
稗田阿礼を「阿礼ちゃん」と呼ぶ。まぁ……まだいいとして
貴族のご子息、阿倍仲麻呂を「仲麻呂」って呼び捨てです。
しかもオビト皇子(後の天皇)を使いっ走りに使うという。
少し抜粋します。
”あすかべ姫に、(お菓子を)とりにいってきてといわれて、本当なら二人にお世話される
はずのオビト皇子が「はいっ」と返事して、だっと走り、大きな蜂を抱えて戻ってきた。
次の帝とは、とても思えない身の軽さだ。”
そして、イザナギとイザナミの国うみの話の個所で。
「だって、夫婦の約束をするとこで、女の子から先に声をかけたら、だめで、やり直して、
男の子から声をかけたら、良い子が生まれたなんて」
「そのどこが変なの?」
「あ、仲麻呂もそうなんだ。これって男を立てろってことでしょ。男のほうが女よりえらいって思ってるんだ。そうでしょ」
あすかべ姫が俺をにらんだ。
「別に…」
「いいよ、男の人はたいていそうだもんね。うちの父上だって同じだし。でもそこがオビト皇子は違うんだよね。あの子だったら、絶対私が声をかけるのを待ってくれるはず」
「あ、みなさん、お茶をどうぞ」
と、オビト皇子が奥から土瓶と、湯呑みをかかえて戻ってきた。
”あすかべ姫「男の人ってずるいよね。赤ん坊を生むのはいつも女の役目なんだから
イザナギって本当にひどい神様よね」”
”オビト皇子「姫が望むなら僕が赤ん坊を生むから」”
何度も何度もお茶とお茶菓子を用意するのは次期天皇の役割らしい(この本では)
その他挙げればきりがない…
ライトノベルみたいな児童書も沢山出ていますが、みんなこんなレベルなんじゃないですか?
「本好きになってほしいなら、なんでもいいから子供が喜ぶ本を選ばせよ」って言うけど
こんな本ばっかり読んでいたらそりゃ女尊男卑な世の中は次世代も安泰でしょうね!
子供は素直です。
そんなものかと思います。
人なんて一見すれば楽なほうへ流れていきます。
女性は特に流されやすい。
男女平等を追及した家族ほど「不健康な」家族になります。
(共産主義国が失敗だったように…)
これはそういう理論があるのではなくて、データがそう言っているのです。
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健康な家族では、だれがイニシアチブを取るのかというと、ほとんど例外なくお父さんが一番、
お母さんが二番というふうに、その序列がはっきりしています。
そして、そのことに両親は合意し合っています。家族間で意見が食い違うときは父親が決めるのです。
父親が「こんなことはお父さんはどうでもいいよ」といった場合には、母親が決めています。
だけど、家族同士の発言は自由なんですよ。なにか物事を決めるときに意見が違った場合には、
裁定はこういう順序でということが、家族のなかでは、暗黙のうちに合意しているのです。
不健康な家族の場合は、家族のメンバー全体が平等だという家庭が多いようでした。
物事を決めるときに、誰かがイニシアチブを取るのではなくて、くじ引きで決めるといかいうような家庭
です。そのときそのときで父親が有利になったり、母親が有利になったり、子供がイニシアチブをとったりしており、家族それぞれ意見が分かれたときなどは、親と子が自分の意見を通すために、あっちに味方したり、こっちについたり、家庭内の連合がころころ変わるというのです。
よくないのが、片方の親が子供たちと連合して、もう片方の親との間に境界線をつくって、自分の主張を通そうとしたりすること。最悪なのが母親が男の子を取り込んで夫に対応する場合。これは子供の育児にとって最悪になるというのです。そういう子の社会的不適応が、最も大きくなるともいっています。
なぜそうなるかというのは、その調査報告ではなにもいっていません。調査の結果がこうだったということだけを報告しているのです。
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ちなみに「不健康な家族」とは家族の中に重犯罪者がいるとか重い精神病患者がいるなど。
どちらも全員の意見が一致するほど明らかな不健康な家族、健康な家族のことです。
それから先程取りあげた国産みの神話について↓
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聖書には、「夫は妻を守れ、妻は夫に従え」に象徴されるような夫婦のあり方を教義的に説いた言葉がありますが、日本神話(古事記)にその種のものはありません。
しかし日本神話には、世界で類を見ない、夫婦のあり方を象徴するエピソードがあります。
聖書(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)はじめ、世界の神話では大概、唯一神(または絶対神)がいて、その神が一人で天と地、すなわち世界を作ったという話ばかりなのに対して、
日本神話の国産み、神産みでは、最初からイザナギとイザナミの夫婦神によって本州、九州等の数々の島々、神々が作られたところに着目しましょう
また国生みの初め、女のイザナミから男のイザナギに声をかけて失敗してしまったエピソード
は、
日本における男女のあるべき姿を強烈に象徴する話です(右の絵は絵本『にほんたんじょう』 より。詳しくは画像クリック)。
さらにイザナギとイザナミはその時、既にいた
他の神様たちに相談して国産みをやり直しています。
これは、日本人が昔から一神教とは全く異なる世界観を持っていたことが伺えます。
このところ、「日本人こそ本物のユダヤ人」なんてエキセントリックな言説まで出回ってますが、
ユダヤやキリスト教の一神教たる世界観と日本神話の世界観は、このように根本からして全く異なって
います。
もしも日本人がユダヤの血筋であるというなら、「神は日本を作った」となってしかるべきですが、聖書の世界観と日本神話の世界観とは似ても似つかないものであるわけで、ユダヤと日本人がつながってるなんて到底ありえないと言えましょう。
日本は一人の神様が作ったのでなく、イザナギとイザナミの夫婦神によって作られたのだということ。
聖書のアダムとイブは、神が作った大地に神が新たに作り上げたものにすぎません。
しかし、日本のすべては一組の男女の神様から作られた点、このことから日本人は古くから夫婦という
ものに最大の重きを置いていたのであろうことが伺い知れます。
夫婦神で国を作り上げたという神話、いろいろ調べましたが、日本以外に見当たりません。
「日本のすべては夫婦神から始まった」、男と女が揃わなかったら日本はなかった、日本人のDNAを忘れないためにも、しっかり念頭に置いておきましょう。
だから男と女は、一人、二人と数えるのでなく、一対、二対…日本人なら、こうあるべきなんです。
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転載おわり
表題の「本の選び方」ですが、おおざっぱに言うと民話や昔話、世界の昔話でもいいので
古典が一番安心です。と言いたいところでしたが、古事記を借りてもこんな状況ですからね。
中をチェックしたいところです。
つまり、こういう最近の本を読むくらいなら
「イザナギ、イザナミの国産み神話」「因幡の白ウサギ」「ヤマタノオロチ」などの
昔からの絵本を読んで古事記に親しむほうがいいです。
しかし、厳格にしすぎても難しいので現代ものでも酷すぎない範囲で妥協していますが…
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再録おわり。以下、追記
当時のブログにコメントくださったうさんぽさん(ひだまり今は古事記に夢中) が
教えてくれたサイトを紹介します。
『神社・神道・専門書店 鎮守の杜』 http://books.jinja.co.jp/
そこで先日、
- 親子で読む大祓詞物語/神社新報社
- ¥価格不明
- Amazon.co.jp
この本を購入しました。
これは素晴らしかった!
大祓詞が絵本になっているのはとても珍しいです。
大祓詞(おおはらえことば)は祝詞(のりと)の一種で、日本全国の神社でも最も奏上されている
祝詞ではないでしょうか。
大体の意味は分かっていましたが、絵もあり、子供にも分かるやさしい内容でとても良かったです。
神主さんと一緒に毎朝、一般の人も万度祓いができる神社があるのですが、
この大祓詞を読み上げるのです。
20人から30人ほどかな?大勢で読み上げる祝詞は圧巻です。
2年ほど前には頻繁に行っていましたが、
平日は間に合わなくてほぼ無理だし、電車を乗り継ぎ、一日仕事になるので最近は行けていません。
最近では、こういう神事が減らされ、商売に肩を入れる神社も増えていることから
(これも仕方がない側面もあるのですが)
聖地の維持ができるのかが心配です。
この本の巻末には原文と現代文があるので、自宅で奏上するのも素晴らしいと思います。
神棚に向かって拝み、よい言霊を発すると清々しい気持ちになります。
大祓詞は言霊としては最高だと思っています。
お祈りの前に是非!