うちの会社のアメリカ人おばちゃんスッチーの
ことを、私はいつもあまり良く書いていないけど、
なんやかんや言いながら、私は彼らを尊敬している。
理由はいくつかあるが、私が一番尊敬するのは
緊急の際の判断能力、行動力である。
9・11事件の約一ヶ月後の機内を思い出してみると、
機内は日本人のお客さんばかりだった。アメリカ人は
一切旅行していなかったが、日本人のお客さんは、
「今はね~、ツアー料金が安いでしょ。ほんで、飛行機も
空いてるしね~♪」
と言いながら、旅行を楽しんでいた。
こういうところからも、私をふくめ、日本人とアメリカ人は
「危機・危険」に対する恐怖感が違うのである。
そのことを機内で痛切に感じた事件がいくつかある。
私がまだ飛び始めて間もないころ。あの日も普通にお客さんの
ご搭乗が始まった。アメリカ人スッチーに機内最後部に呼ばれた。
「ちょっと!来て!ねえ、ココの辺、何か匂わへん?」
「も~、またトイレ臭いん?」
「ちゃうちゃう、そんなんじゃなくてさ。」
くんくん・・・・(・_・ 三・_・)
「う~ん、何もにおわへん。」
「は?私は、なんかオイルの匂いがすごいするんやけどな・・・」
「え~、気のせいちゃう?」
「あんた、ちょっと機長に電話して言ってくれへん?」
「私、お客さんに毛布頼まれてるから・・」
「もう、ええわ!」
だって・・・何も匂わへんもん・・・( ̄ー ̄)
お客さんのご搭乗が済み、ふと機内後方を見ると、さっきのおばちゃん
スッチーが機長と話し込んでいた。10分ほどしてから機長がパーサー
のところにやって来た。
「何か匂いがするって言うけど、大丈夫やと思うから出発体制に入るわ。」
飛行機のドアが閉まり、滑走路へと飛行機が進んでいく。・・・・が、
途中で止まった。
ん?滑走路、混んでる?
「ピーンポーン」
パーサーから乗務員全員の席に電話が掛かってきた。
「機内後方に燃料の漏れがあるという警告灯が、コクピット内で
点灯したらしいから、今から一旦ゲートに戻るで。」
お・・・おばちゃん・・すごい\(゜□゜)/
整備士さんが1時間かかって調べたところ、確かに一つのパイプから
燃料が微量だけど漏れていたらしい。そのおばちゃんには、後日、会社
から優秀賞が贈られた。
このことがあってから、私はおばちゃんスッチーの直感を信じるように
なった。
そんなおばちゃんスッチーは、本当に直感でいろんな物を見つける。
搭乗中にこんなこともあった。
「ちょっと、あの人おかしくない?」
確かに、耳や鼻にいくつもピアスをし、全身にTATOO。パンクロッカー(死語?!)
風のアメリカ人男性(推定年齢25歳)。
「すごい格好やったな~!」
「いや、そうじゃなくて・・なんとなく怪しくなかった?」
「何が?」
「目つきとか。態度とか。」
「乗ってきたとき、は~い、ってちゃんと挨拶してたやん。」
「うーん・・なんかおかしいと思ったな~。。。後ろ行って他の乗務員に
聞いてくるわ。」
それから、私は他の事でバタバタしていて事の経緯は見てないけど
私が見たのは、地上職員に降ろされる先ほどのパンクファッションの
男性の後姿だった。
「あ・・あの人、どうしたん?」
「なんかさ~、タランチュラを密輸しようとしてたらしくて、蜘蛛を
何匹もカバンの中に入れてたらしいで~!!」
おばちゃん・・・あんたはスゴイ(ノ゚ο゚)ノ
あのおばちゃん達は、ああ見えて(笑)いろんな危機から私達を救って
くれている。