あれは去年のこと。。。。
うちの会社は一応フライト前にブリーフィングと言って
パーサーが指揮をとり、その日のサービスや、飛行機の緊急器具
の確認、機内の医療用品の場所の復習、そしてその日のフライトの
注意事項などを確認しあう会議(?)が15分間ほどあります。
飛行機の中で行われる場合もありますし、小部屋で行われる場合も
あります。
あの日はみんな小部屋の席に座ってパーサーを待っていました。
「ちょっと!なんでパーサー来ないの?!私なんか、さっき
子供との電話を途中で切って走ってきたのに!」
「私なんか、旦那と電話で・・・・」
と文句言いのおばちゃんスッチー達がキレ出したころ、
やっとドアが開いてパーサーらしき男性が入ってきた。
わっ・・・・・・・暗い・・・・
アメリカ人にしては、むちゃむちゃ暗い雰囲気の人。
「遅れて・・・ごめん・・・。じゃあ、端の人から自己紹介お願いします・・・」
そう言って、彼はふか~~~いタメ息をついた。
なんや~、この人。この人と13時間か~。。。。
自己紹介が終わり、サービスの復習、今日のVIPや車椅子の数など
ず~っとくら~いまま、彼のブリーフィングは進行していった。
「で、今日の・・・機長の名前は・・・ダグラス・・・・・・ダグラス・・・ダグ・・」
ん?え?・・・?
「・・・も・・もうダメだ・・・」
パーサーは顔を覆って、、、、、、、、、、、、、、、、
泣き出した (T-T)
「どうしたの????」
みんな口々に声をかけた。しばらく泣きじゃくったあげくに彼はこう言った。
「昨日、、、離婚したんだ (T-T)」
えーーーー!!!・・・で、今、この時に泣くん・・・!?・・・
と思う私とは逆に、アメリカ人スッチー達全員が声を合わせて、
「Oh, (:-:) なんて可哀想なベイビー・・・」
と始まった。そこからは、もう彼の離婚話に話はすり替わり、
延々15分間、彼の離婚話・・・・・
飛行機に乗り込み、パーサーにまず挨拶するのが基本。
「Hi, 今日の日本人乗務員のちょこです。よろしくね♪」
と元気に挨拶してみた。彼は、涙目で「う・・・ウぅ」とうなった。
ダイジョブかなあ、この人・・・そんなんで、お客さんにサービスできるん?
お客さんの搭乗が始まった。私は彼と搭乗口に立って、お出迎えすることに
なった。相変わらず涙目の彼。私はそこで言うんじゃなかったことを言ってしまった。
「大丈夫?よかったら、話、聞くよ。フライト中。」
「う・・ぅ・・・ぅぇ~・・・」
あ・・・・また泣き出してもーた・・・ (:-:)
それから、彼は出発の準備が整うまでトイレにこもって泣き続けた。
離陸後、サービスが始まった。まずは飲み物のサービス。一人目のお客さん
に接する彼が気になって私は見ていた。
やっぱり泣いてる・・・(T-T)
彼に代わって私が飲み物のサービスをすることになった。彼はまたトイレへ・・・・
それから、私も自分の仕事を始め、忙しくして彼のことは忘れていた。すべての
サービスが終わり機内の電気が消えた。
あ、パーサーのこと、忘れとった!!!
様子を見に、ビジネスクラスに行ったら、そこ担当のスッチーが
ほとほとあきれた顔で言った。
「パーサーなら泣きながらコクピットに行って帰って来ないのよ。」
飛んでから4時間経って、まだ泣いてるか!!!
休憩が始まり、私は最初寝るチーム。パーサーは2番目に寝るチーム。それぞれ
4時間ほど寝られる。休憩から帰ってきた私が、最初に見たのは・・・・
パーサーの笑顔!!!!
「どしたん?パーサーむっちゃ笑ってるけど。」
「なんか、泣いてるのを見たビジネスクラスのお客さんが、どしたんって
聞いてくれたもんやから、また離婚の話したら、ちょうどその人が離婚
専門の弁護士だったみたい。ほんで、子供を取り返せるかもしれないって
言って、機嫌直った。」
単純・・・(+-+)
2番目の休憩が終わるころ、私はトイレ掃除をしていた。トイレに並んでいたら
「わっ!!!」
と後ろからビックリさせられた。振り返ったら、パーサーがめっちゃ笑顔で立ってた。
それから彼は、「やーい、やーい。」と、あきれ顔の私を笑い、クネクネとダンス
をしながら去っていった。
そんな感情の起伏が激しいから、離婚されんねん!
なんか振り回された気でいっぱいだった。もうこの人には会いたくない・・・
そう思った矢先に、次の週のフライトで一緒になった。
「あ!!!先週一緒だった、ちょこです。今日は元気?」
「え?だれ?」
「(怒)先週、泣いてたときやん!」
「ん?」
「離婚したって言って、泣いてたやんか!!」
「・・・・お前、なんでそんなオレのプライベート知ってるん?気持悪いわ!(激怒)」
え・・・・・・・・・・・・・・・(:-:) キレた・・・・・・・・(T-T)
彼とは本当にもう会いたくない。。。。