アメリカベースには何人か、日本人のゲイがいます。
彼(彼女?)の名前は「たOし」さん(仮名)。私はそれまで
日本人のゲイを見たことがなかったので彼に初めて会ったときは
衝撃的でした。
「あ~♪はじめまして~♪たOしです~♪」
えっ?女の子???名前が思い切り男の子やし、制服も
男性用やけど・・かわいい・・・・
たOしさんは、髪の毛を肩まで伸ばしサラサラのストレートヘアー。
その髪を手櫛でとかしながら近づいてきました。
「は、はじめまして。OOOと申します。」
「やだ~、もう、固い固い。私ね、今日、日本の雑誌持ってんのよ♪
フライト中、一緒に読んじゃおうよ♪じゃあ、あとでね♪ よ・ろ・し・く♪」
たOしさんは、すっごい良い匂いがした。どう見ても、感じの良い女の子だった。
(推定年齢 28歳)
そのフライトはもう一人、南の島ベースの日本人男性乗務員が乗っていました。
外資系の会社でありながらなんとなく、他のベースの日本人乗務員には下っ端から
挨拶をしないといけない、そんな暗黙の決まりがうちの会社にもあります。
「はじめまして、日本ベースのOOOです。よろしくお願いします。」
「あ、初めまして~♪かO(仮名)です~♪よろしく~♪」
わっ。この人もゲイやっ!!
優しくするゲイがいます。南の島のかOさんは、あきらかに後者の意地悪な感じ
だった。
フライト中、事件は起こりました。お食事のサービスが終わったころ、
エコノミーのギャレーを通り過ぎようとした時、カーテンの中から
言い合いをする声がしました。
「そっちがサッサとしないからじゃない!」
「いーえ、私はちゃんとここで作ってたのよ!」
「見てなかったから知らないわよ。いちいち。」
・ ん?日本語や・・
カーテンを開けると、たOしさんとかOさんが真っ赤な顔をして
喧嘩をしている。違うベースだと、サービスのやり方の相違でモメることも
たまにある。それかもしれない・・・と思った私は巻き込まれないために
退散しようとカーテンを開けた。
2人 「ちょっと、待って!!話きいてよ!!!」
いやや~ (T-T)
「な・・・なんですか?」
話を聞いたら、どうやら2人が気に入ったお客さんが、かぶっているらしい。
そのお客さんが「ジントニックをください。」と、か○さんに言ったらしい。
か○さんは他のお客様から頼まれている物もあったのでそっちを先に済ませてから、
そのお客様のところに行って、お飲み物を渡しながらゆっくり話をしよう♪と
思っていたら、た○しさんがその前にジントニックをお渡ししてしまったという。
か○さん 「この子ったら、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ、ず~っと喋っちゃってさ~。
あの人は、私が見つけたのよ。」
た○しさん「確かにステキと思ったけど、あなたがそこまで好きなら
別に私はいいわよ。いらないわ。」
かOさん 「なによ、その言い方!」
たOしさん・かOさん 「で、あんたどう思う??」
(T-T) 知らんよ、私。勝手にやってよ!!!
「あ・・・あの~、そのお客さんに選んでもらったら良いと
思いま・・す・・・」
か○さん 「じゃあさ~、あんた、聞いてきてくれない?」
「え、わたし?」
か○さん 「だって、自分達で行くと不公平じゃない!!
行ってきてよ!」
か○さんが恐かったので「はい。」と言ってしまった私。
お客さんの席に向かった。そのお客さんは、はっきり言ってデブの
アメリカ人。10cmものさしで一cmぐらいだけ、ジャン・レノっぽかった。
かくかくしかじか、説明した。
「ボクは、別の彼女(彼氏?)がいるから。。。ごめんって2人に
言ってきてくれないか?」
おお、それは、丸くおさまるわ♪
ギャレーに戻り二人に説明した。
か○さん 「あっそ。」
た○しさん 「ごめんね~、ありがとう♪私、一応医者の彼氏いるからダイジョブよ♪」
え・・医者の彼氏、いるんや。すごい。興味深い。。。
「え、その彼氏は外国人ですか?」
と私の興味はそちらに流れ、そこからた○しさんの色んな話が聞けた。
一緒にた○しさんの持っていた「MORE」(女性誌)を見ながら、
穏やかに時は流れて行った。
目的地への最終着陸態勢の時、私はちょうど例の気に入られたお客さんの
後ろの席の人に、空港での乗り換えについて質問され答えていた。
私が説明を始めたときに、か○さんが例のお客さんのところに来てサッと
白いメモを渡した。
わ、電話番号渡したんやわ、きっと!そないに魅力的か?!
空港の説明を終えるころ、た○しさんが例のお客さんのところに来て
ニコッとしながら小さなメモを渡した。
すげえぇ~・・・・2人とも積極的!!!(@-@)
ゲイが積極的であることを勉強したフライトでした。。。