ずっと前にこんなことがありました。
その日の搭乗中、外国ベースのスッチーに呼ばれました。
「二階の日本人のお客さん、怒ってるから行ってきて。」
・・・え~、怒ってるから行きたくないのに・・・・・・
と思いながら、ビジネスクラスの二階席に向かいました。
私を見つけたお客様(女性・推定年齢45歳)、だいぶ私が
遠くにいるのに「おい!はよ来て!!」てすごい剣幕で手招き
してる。
そんなに手プルプルさせたら、しんどいんちゃう、おばちゃん・・・
「あなたの会社は一体どうなってるんですか!?」
「はい、何かございましたか?」
「ここにカバン置いてたら、上の棚入れに入れてくれって言ってる
みたいやけど・・・この中には大金が入ってるから、自分の目の前
に置いときたいのよ!」
非常口には荷物置いたらあかんよ・・・緊急事態に
おばちゃんの荷物、邪魔やんか!
「恐れ入りますが、非常口付近に荷物がございますと出発の許可が
下りませんので離着陸の際だけで結構です。上の棚か横の棚に
おしまいいただけませんか?」
「あんたも話わからん人やねえ。いくら入ってると思ってんのよ!
いつもJ○L乗ってるけど、J○Lのエリートメンバーやけど、そんなこと
言われたことないわ!」
でた!お決まりの台詞や・・・好きやね、日系と比べるのん・・・・
押し問答が続きました。
私の説明も懇願もむなしく、どうしてもそのお客様は荷物を自分の前に
置きたいと言う。
「こちらの安全上のルールに従って頂けないのでしたら
お客様にはこちらの非常口には座ってはいただけません!
お客様の後ろのお席の方と席を替わっていただいたら、
前の座席の下にお荷物を置いていただけますが、いかがですか?」
「ふんっ!あのねえ、何ヶ月前からこの、前が広い席
予約したと思ってんの?あんたなあ、私ビジネスクラス
のお金払ってるんやで!なめとったあかんで!!」
なめてへんよ・・・(@-@)このままじゃ、出発できへんって
言うてるねん・・・
もう私には無理・・・と思いパーサーに相談に行った。そのおばちゃんは
運が悪かった・・・その日のパーサー、超機嫌が悪かったのです・・・
パーサーは私に言いました。
「非常口に座ってもらう人は、緊急時にお手伝いをお願いする
重要な役目を担う人なんあんたも知ってるやろ?そのお客さん
が荷物もしまわなければ、こちらの言うことも聞かないようなら、
それは緊急のときに手伝ってもらえへんってことやん。彼女には
その席に座る資格はない!」
「そうやけど、席も移りたくないんだってさ。どうしょ?」
「あ、そう。じゃあ、簡単なことやわ!降りてもらうしかないわ。
だって、その人がテロリストゆえにドアのそばに荷物を
置いてる可能性だってある。もしくはその人の置いた荷物
によって他のお客様が緊急脱出の時につまづいてケガをしたら
私たちが訴えられるねんよ!」
・・・・こわっ。パーサーも興奮してきてもーた。どうしよ・・・(:-:)
「私達の指示に従えないなら、飛行機から降りてもらうって
言いに行くで!あんた、私の言うことを忠実に日本語に訳し
なさいよ!!」
アメリカ人の言うことを忠実に訳したら、確実にいつか刺されるで・・・
お客様のいる二階席ビジネスクラスに向かった。二階席にはコクピット
があるので、トラブルに気づいた機長さんもお客様の席にたたずんでいた。
ケンカ腰のパーサー、啖呵を切った。だいぶ礼儀正しく訳した・・・・
「私達、乗務員の指示に従えないようなら、そんなお客様を
お運びするのは危険なので、飛行機を降りてください。降り
たくなければ指示に従って下さい。。。。とこちらの客室責任者
が申しております(T-T)」
「はあ????この人、私に降りろゆうてんの??何ぼ払ってると
思ってんの?!こっちは客やで!あんたもなあ、かっこつけてるけど
私のおかげで飯食えとんやで!感謝せんかいな!飛行機乗ってる
からってかっこつけて!どーせしょーもない親から生まれてきたんやろ!
しょーもない親やから、娘に夢託して飛行機乗せてなあ、、、、
かっこ悪いねん!!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひどすぎる・・・・・(@-@)
くやしくってくやしくって涙があふれてきた。急に泣き出した私を見て、
パーサーと機長が聞いてきた。
「おばちゃんに何言われたん?」
私はありのままを伝えた。アメリカ人は家族を誰よりも大事にする。
そのアメリカ人にとっても、家族をバカにする行為は決め手となって
しまった。
機長は私の手を引き、地上職員を呼びに行った。
「二階席の客を、私たち三人の判断により、降ろすことにした。あの客に
日本語で説明してくれ。」
急に言われた地上職の人はえらいビックリしていた。が、機長の判断は「絶対」
である。
5分後、スゴスゴと地上職の誘導により降ろされる怒り顔のおばちゃんを
隠れながら見た。手にはしっかりと問題のバッグが握られていた。
その時、私はベソかきながら笑っている自分に気がついた。どうやら、
この会社にいると性格が悪くなるらしい。。。。( ̄▽+ ̄*)