お色気作戦 | 新♪ここだけの話♪♪ ~スッチー編~

新♪ここだけの話♪♪ ~スッチー編~

空の上のおもしろい話、つつみ隠さずぶっちゃけます♪

ただいまです♪

今回もたくさんのコメント嬉しいです。お返事

遅れててすみません(:-:)必ずします~。


じつはちょっと前にこんなことがありました♪


出発前、ブリーフィングが始まった。今回のパーサーは

初めて会う女性。(推定年齢40歳)化粧っ気がほとんど

無く、すごい薄化粧。髪の毛は簡単に一つにくくられている

話し出した彼女は、見た目どおり非常に男っぽい感じで

サバサバしていた。


    なんか・・・男や、この人。。。。。

                                                                            フライトが始まり、飲み物のサービスもお食事のサービスも順調に

過ぎていった。


一人の日本人男性がギャレーにやってきた。


「すみません。赤ワインください。」


     「はい、どうぞ。」


「ん???ちょっと待ってくださいよ!!赤ワインあるんですか?!」


     え?自分が赤ワイン欲しいって言ったんちゃうん?


「さっき向こうの外人に赤ワインって言うたら、’もう無い!”って言われ

たんですけどっ!」


     あ・・・怠け者の外国人に当たったんやね~。取りに行くの

     めんどくさいからそう言うんよ、あの人たちは・・・


    「申し訳ございませんでした。後ほど本日の客室責任者に

    報告しておきます。赤ワインとともにオツマミはいかがですか?」

                                                                      「結構!責任者の方とお話したいので、呼んでください!」


    あかん。だいぶ怒ってるわ(@-@)この人、怒りすぎて

    ほっぺたがピクピク痙攣してるもん。。。。


私は、パーサーを呼びに行った。彼女はご飯中。一つにくくった

髪の毛からは後れ毛が飛び出し、口紅がとれ、薄化粧がさらに

薄くなっている


      「あのねえ、ご飯中悪いんやけど後ろのお客さんが話したいん

       だってさ。なんかね、・・・・かくかくしかじか・・・・・」

                                                                              「OK。その人の席に行く前にやることがあるわ。ちなみに

そのお客さんは男?女?」


      なんでそんなん聞くん・・・?


「OK。」と言い残し、彼女はトイレに入って行った。私はお客さんに

お席をお伺いし、パーサーが仕事が済んだら席にお伺いすることを

告げた。


それから、私も色々頼まれごとをしたりでバタバタしていた。トイレ掃除を

している私に後ろから声をかける人がいた。


「準備できたわよ。」



    ・・・・・あんた、だれ???



「そのお客さんの席番号は、どこ?」


    ・・・・わあああああああああああああああああ (@-@

    パーサーが・・・・別人に・・・・(*-*)

                                                                            アイラインが引かれ、マスカラで扇のようになったマツゲが彼女の大きな目

をさらに大きく見せている。ピンクの頬紅は彼女を10歳は若く見せている。

唇はぷるぷるのゼリーみたいにぽってりと描かれ、細かいラメの入った

フェイスパウダーが彼女の白い肌をさらに透通らせていた。さらに、

首元には、お花のようにキレイにスカーフが巻かれ、ほどかれた少し

パーマっ気の残るブロンドヘアーは肩の辺りで揺れて、彼女に

ゴージャスな印象さえ与えていた。


目を見開いて何も言わずに彼女を見つめている私を見て、

彼女はくすっと笑った。


「さ。どこよ、席番号は。」


      「○○のCです。」


「OK。行くわ。相手が英語が分からないようならあなたを呼ぶから

近くまで一緒に来て待ってて。それで、彼が英語が分かるようなら

あなたは、すぐに仕事に戻ってくれればいいわ。」

                                                                              彼女は、いい匂いをぷんぷんさせ、彼の席に近づいて行った。

私は少し離れたところから、見ていることにした。


「ハーーーイ♪出会えて光栄です。わたくし、本日のパーサーの

○○と申します。」


そう言いながら、彼にだけ満面の笑みを見、彼の手を取り握手しながら


「本日は、大変な失礼があったようで・・・・」

                                                                                  と彼に顔を近づけながら話し始めた。手を握り合って喋っている2人

恋人同士にも見えた。これで、グラッと来ない男性はいない!!

というぐらいの見事なアプローチ。さっきは頬をピクピクさせながら怒っていた

男性も、見事なまでに満面の笑顔である。


     ・・・・・2人にしといたほうが良さそうやね。

     あのお客さんも、英語が分からなくても分かっててもどっちでも

     いいやろ。


5分後、彼女はギャレーに戻って来た。


      「すごいね!女優みたいやったよ。」


「昔、劇団に入ってたことがあるわ。」


      「彼のこと気に入ったん?」


「はあ?私はゲイよ。男ってもんは、ああいう声のかけ方で大体落ちるのよ。

何を怒ってても、どうでもよくなるの。そういう生き物。あなたも今度から

女優になりなさい。ふんっ。」

                                                                               言いながら彼女は、キレイに化粧した自分のを鏡で見て「オエッ」と言った。

キレイに巻いたスカーフを取り、メイクを取るためにトイレにこもってしまった。

出てきた彼女は、元の姿。


飛行機が着陸した。

私は、出口で彼女と一緒にお客様に御挨拶をしていた。

先ほど怒ってたお客さんが、ニタニタしながら出口にやってきた。

手には名刺かなにかメモを持っている。


   ははーん・・・ナンパしようと思ってるな・・・

                                                                               彼は出口のあたりで周りをキョロキョロしてパーサーの姿を探して

いる。私に目で助けを求めていた。。。


私は、可哀想になって彼に無言でパーサーの方を指差した。

彼もまた無言で「え・・・・???これ?」と言う風に、パーサーを

指差した。


私はゆっくりと深くうなづいた。


彼は・・・・・・持っていた名刺をしまい、苦笑いで降りていったのでした。


機内では女優になることも必要かもしれない・・・