𝐍𝐂𝐓𝟏𝟐𝟕
𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲 𝐎𝐟 𝐅𝐚𝐯𝐨𝐫𝐢𝐭𝐞 #𝟑 𝐩𝐚𝐫𝐭.𝟏
𝟖. 𝐓𝐀𝐄𝐈𝐋
なのになぜ僕は何度も不安になるんだろう。
僕の夢にもう君が出てくることはなかった。
そんなとき君が僕を訪ねてきた。
夢では見ることのなかった場面だった。
君は青い薔薇を僕に渡した。
''ゲームする?歌を聴く?''
君はいつものように笑った。
''私たち明日は何する?''
そう君が尋ねた。
その言葉に僕はぎくりとした。
"あのさ、君は夢を見る?"
僕が尋ねた。
"うんん"
君は平然と答えた。
"変なんだ"
"何が?"
"君が消えてしまうような気がする"
"私たちはもう永遠に一緒だよ。
私があなたを置いて消えるわけがないじゃない"
君が笑いながらそう言った。
"そうだよね"
こうして僕の目の前に君がいる。
僕は青い薔薇を
よく見える場所に飾った。
𝟗. 𝐇𝐀𝐄𝐂𝐇𝐀𝐍
それでも悪夢は続いていった。
夢の中で君は結局僕から去っていき
僕は夢の中だということを分かっていながらも
苦しくて目を開いた。
目が開いたとき
君がプレゼントしてくれた薔薇が見当たらなかった。
不安な気持ちを胸に僕は君のもとへ走った。
"どうしたの"
君が僕を見て驚きながら尋ねた。
君に会えてほっとした。