スピンオフ編~東京都世田谷区喜多見・江戸後期の半農半商の家屋『旧城田家住宅主屋』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

東京都世田谷区喜多見の

『旧城田家住宅主屋』です。

 

最寄駅は

小田急本線『成城学園前』。

 

駅南口から

成城通りを道なりに進み

世田谷通りを超えて直ぐですので

道に迷う心配はありません。

 

徒歩15分程ですが

世田谷通りの手前に

結構な勾配の長い坂道があります。

 

往路は下りですが

復路は上りになり意外ときついです。

 

坂道は苦手という方は

成城学園前南口から

『二子玉川駅』行きのバスに乗り

『次太夫堀公園前』で下車します。

 

乗車時間約7分

10分間隔の頻度で運行されています。

 

バス停から20mほど戻り

横断歩道を渡ると

『世田谷区立次大夫堀公園』の入口があります。

 

公園に入り

道なりに5分ほど進むと

『次太夫堀公園民家園』の入口が現れます。

 

1988(昭和63)年に開園した

世田谷区の施設で

区内にあった名主屋敷や民家などが復元され

江戸時代後期から昭和初期にかけての

農村風景が再現されています。

 

『旧城田家住宅主屋』は

その中の一棟で

詳細な建築年は不明ですが

1846(弘化3)年以前に

建てられたものと考えられています。

 

城田家は

農業を生業にしていましたが

建物の玄関に『さかや』と書かれた

行燈看板があることなどから

江戸時代後期には農間余業として

酒屋を商っていたようです。

 

延床面積は

48坪(158.6㎡)で

中二階が設けられています。

 

一階は

『ドマ(ミセ)』の他に

『ザシキ』、『ナンド』、『ヒロマ』

『ダイドコロ』の四室で構成されています。

 

『ザシキ』と『ナンド』は

日常生活の場として使われ

『ヒロマ』、『ダイドコロ』、『ドマ(ミセ)』は

日常生活以外に商いの場でもあったようです。

 

玄関を入ってすぐの所にある『ダイドコロ』は

元々土間であったところに

床板を張り出して店棚とし

いわゆる店造りの形式になっています。

 

『ダイドコロ』の土間には

へっついが置かれ

本来の台所の機能も果たしていたようです。

 

土間と板張りの間の境には

小さな神棚が備わっています。

 

祀られているのは

かまどの神様『荒神さん』でしょうか?

 

『ダイドコロ』の奥の部分には

炊事設備はなく

家族が食事をする場所として

使われていたのではないでしょうか?

 

こちらの部屋にも

立派な神棚があります。

 

『ダイドコロ』に続く小さな部屋は

『ナンド』です。

 

質素ですが趣のある箪笥が3棹

城田家で使われていたと思われる

小物が何点か置かれています。

 

『火のし』

火熨斗と漢字で書き

先端の部分に炭火を入れ

その熱で布のしわを伸ばす道具で

現代のアイロンの原型とも言えます。

 

私は

妖怪の如く長く人間をやっていますが

さすがに火のしを実際に使っている場面には

遭遇したことはありません。

 

こちらは『ヒロマ』。

 

家族団欒の場として

日常生活でも使われましたが

大事な客を持てなす場としても

使われたようです。

 

この家屋には

神棚が3つありますが

『ヒロマ』のものが立派であることから

最も重要な部屋だったと思われます。

 

『ヒロマ』には

ビルトインの仏壇もあります。

 

一番奥の部屋は『ザシキ』

唯一畳敷きになっています。

 

床の間が備わり

主の寝室も兼ねていたのかもしれません。

 

『ヒロマ』は

竹林の庭に面していますが

この庭は後付けだと思います。

 

『ドマ(ミセ)』に戻ると

厨子二階(中二階)へ上る

急な階段があります。

 

子どもの頃は

こういう中二階に憧れたものです。

 

東京の下町に生まれたもので

望むべくはありませんでしたが。

 

厨子二階の用途に関する

記録は残っていませんが

多摩川を下って来た筏師たちが

休息したであろうとの設定で

復元されています。

 

食器をのせるお盆が

たくさん箱に入っていますので

筏師たちがここで食事をしたり

酒を飲んだという設定なのでしょうか?

 

部屋の東側には

明かり採りとして障子戸が入り

その外側に駒返しの縦格子が付けられています。

 

裏手から見た建物

立派な茅葺の寄棟造りですが

何か屋根に違和感を感じます。

 

大棟部に瓦がのっています。

 

これまで見た瓦葺の家屋で

このようなものは見たことがありません

・・・私が気が付いていないだけかも?

 

ボランティアの方に伺いましたが

分からないとのことです。

 

どなたかご存知の方いらっしゃいましたら

教えてください。

 

この民家園には

あと2棟の古民家がありますが

機会を見てご紹介させて頂きます。

 

次太夫堀公園民家園

東京都世田谷区喜多見5-27-14

9:30-16:30

入園無料

月曜日休園

 

次回は、本日15:00に『街角アート編』。東京都港区虎ノ門の『ルーツ』です。