スピンオフ編~東京都豊島区椎名町・神仏習合の面影が色濃く残る『長崎神社』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

東京都豊島区椎名町の

『長崎神社』です。

 

最寄駅は

西武池袋線『椎名町』。

 

駅から徒歩30秒

鎮守の杜の緑が見えます。

 

創建年は不明ですが

明治維新の神仏分離までは

十羅刹女が祭神で

『十羅刹女社』という名称でした。

 

しかし、十羅刹女が

仏教の天部における

10人の女性の鬼神であったことから

神仏分離政策により排除され

埼玉県の氷川神社から分霊を勧請し『氷川神社』となり

1874(明治7)年に『長崎神社』に改称されました。

 

一の鳥居をくぐると

二の鳥居との間に

2対の狛犬が目に入ります。

 

一の鳥居側の一対は

1917(大正6)年の奉納ですが

経過年の割には損傷が激しくなっています。

 

右側の阿形は

顔の部分が殆ど無くなっています。

 

玉取りの狛犬で

珠は他の部分より損傷していません。

 

左側の吽形は

表情を何とか読み取れますが

顎から下は欠損しています。

 

子取りだったようですが

子の部分は全く面影を残していません。

 

わずか100年余で

ここまで自然に劣化することは

考えにくいことですので

何かの祈願対象として

意図的に削り取られたのかもしれません。

 

二の鳥居側の一対は

1928(昭和3)年の奉納。

 

一の鳥居側の狛犬とは11年の差ですが

一の鳥居側ほどの損傷はありません。

 

右側の岩乗りの阿形。

 

腹に若干の損傷の跡がありますが

その他の部分に異常は見られません。

 

当たり前ですが

左側の吽形も岩乗りです。

 

高い処から見下ろし威嚇

なかなかいい表情をしています。

 

二の鳥居は両部鳥居です。

 

本体の鳥居の柱を支える形で

稚児柱が設けられ四脚鳥居とも呼ばれます。

 

両部とは

真言密教の本尊である大日如来が有する

地徳を表す金剛界と

理徳を表す胎蔵界を意味します。

 

このことからお分かりのように

両部鳥居は神仏習合を示す名残です。

 

最も有名でかつ最大の両部鳥居は

広島県の厳島神社のものです。

 

二の鳥居の左側にある手水舎

奉納年は不祥ですが

シンプルで風情があります。

 

二の鳥居の右側にも

水回り関係のものがあります。

 

古い手押しポンプと

手水鉢のようなもの

何の目的で使われていたのか

興味津々です。

 

こちらにも古い手水鉢があります。

 

朱字で『奉納十羅刹女』の文字

1733(享保18)年に奉納されたもので

十羅刹女社から氷川神社になった時に

排除されたものと思われます。

 

ということは

現役の手水舎も時期を同じにした奉納ですね。

 

手水舎と拝殿の間に

三対目の狛犬が置かれています。

 

1930(昭和5)年の奉納です。

 

口内、鼻孔、耳を赤く塗り

眼球にも彩色が施されています。

 

鋭い牙が印象的な吽形

いい面構えですね。

 

1899(明治32)年に造営された拝殿

罰当たりな表現ですが

これと言った特徴がある建物ではありません。

 

拝殿の右脇には

摂社の『長崎招魂社』があります。

 

日清・日露戦争から

第二次世界大戦までの

この地区の戦没者が祀られています。

 

摂社から見ると

社殿が権現造りであるのが分かります。

 

一番奥の本殿は

アングルの関係で撮影困難ですが

素朴な感じの素晴らしい建物です。

 

先ほど特徴がない拝殿などと言い

申し訳ございませんでした

・・・いずれ罰があたるでしょう。

 

社殿の左脇

ちょうど本殿の横辺りに

もう一つの摂社があります。

 

『小柳稲荷神社』

創建年は不明です。

 

興味深いのは神狐

ともに岩乗りになっています。

 

稲荷社も数多く参詣していますが

岩乗りの神狐は記憶にありません。

 

左右共に岩を駆け降りるような

躍動的なフォルムが印象的です。

 

この建物は

絵馬を納める額堂で

古い社殿を利用したものだそうです。

 

額堂の隣には神楽殿

これは新しそうです。

 

境内に何気なく置かれた3基の円柱

お休み処ということでしょうか?

 

月の満ち欠けが描かれています。

 

境内のそこかしこに

素敵な石が無造作に置かれています。

 

改築の際に生じた石材でしょうか?

 

以下、説明不能ですので

画像でお楽しみください。

 

石は以上です。

 

大きな神社ではありませんが

神仏習合の名残が感じられる

興味深い処でした。

 

長崎神社

東京都豊島区長崎1-9-4

 

次回は、本日15:00に街角アート編。東京都荒川区南千住の『サンスカルプチャー 太陽の彫刻』です