スピンオフ編~兵庫県神戸市垂水区・実はグッゲンハイムさんの家ではなかった『旧グッゲンハイム邸』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

兵庫県神戸市垂水区の

『旧グッゲンハイム邸』です。

 

最寄駅は

JR神戸線、山陽電車の『塩屋』。

 

JR駅前を走る国道2号線を東に向かうと

線路沿いの小高い場所に

瀟洒な洋館が見えます。

 

この洋館が『旧グッゲンハイム邸』です。

 

更に進むと山側に山陽電車の踏切があり

その先に続く緩やかな階段が

『旧グッゲンハイム邸』へのアプローチです。

 

多目的スペースとして

結婚式やコンサートなどに

有料で貸し出されていて

普段は建物の見学はできませんが

毎月第3木曜日に

無料の見学会が実施されています。

 

見学会は12時から17時までで

事前予約なしで無料で参加できます。

 

19世紀後半から20世紀初頭に

神戸に在住したイギリス人建築家

アレクサンダー・ネルソン・ハンセンの設計で

1909(明治42)年~1912(大正元)年の

いずれかの時期に建設されたと推定されています。

 

1階と2階に設けられた

5連アーチのベランダが特徴的な

コロニアルスタイルの洋館です。

 

ドイツ系アメリカ人貿易商

ジェイコブ・グッゲンハイムが

1915(大正4)年まで使用し

その後複数の所有者を経て

兵庫県内でガソリンスタンドを経営する

㈱竹内油業の所有になりました。

 

竹内油業の所有になってからは

長期間社員寮として使用されていたそうです

・・・贅沢な社員寮ですね。

 

なおジェイコブ・グッゲンハイムは

ニューヨークのグッゲンハイム美術館とは

全く関係ありません。

 

2000(平成12)年頃から空家となり

1995(平成7)年に発生した

阪神淡路大震災などによる被害の影響もあり

老朽化が進んだことから

取り壊しの可能性も取り沙汰されていました。

 

2007(平成19)年

塩屋在住のステインドグラス作家

デュルト・森本康代さん一家が

建物の保存及び維持のため

私財を投げ打って購入しました。

 

森本家は同年

修復作業を実施し

10月から貸会場としての貸し出しを開始

翌年からは定期的に

一般への無料公開も実施しています。

 

2020(令和2)年

日本建築学会近畿支部の調査により

この洋館をジェイコブ・グッゲンハイムが

所有した記録が土地台帳になく

トルコのイスタンブール出身の

ユダヤ人貿易商ジェイコブ・ライオンスが

所有していた記録が確認されました。

 

この時の調査により

グッゲンハイム一家が住んでいたのは

近所にある別の洋館であることが判明しましたが

長年にわたり塩屋の人々から

『旧グッゲンハイム邸』として親しまれていたことから

現在でもその名称が継続して使用されています。

 

館内は土足厳禁

1階のポーチで靴を脱ぎ

見学を開始します。

 

玄関ホールに隣接する2部屋の内

手前の部屋には神戸に関する資料などが

数多く展示され自由に閲覧できます。

 

部屋の片隅に置かれた

足踏み式のオルガン

足踏みペダルの模様が素敵です。

 

奥の部屋への立ち入りはできませんが

楽器がたくさん置かれていますので

ミニコンサートが開かれるのでしょうか。


2階へと続く重厚な階段

上手く表現できませんが

とても素敵なデザインです。

 

特にイントロ部分のスワンネックの手すり

目立ちはしませんがセンスの良さを感じます。

 

2階にある3室は

全室海側に向いています。

 

こちらは東側の部屋

アップライトピアノと暖炉が印象的です。

 

東側の部屋には

小さなサンルームがあります。

 

シンプルなデザインですが

センスの良い窓枠が施されています。

 

海に面した側には

サンルームを兼ねたコリドーがあります。

 

コリドーからは

前庭と塩屋の海を一望できます

・・・線路が少々邪魔ですが。

 

真ん中の部屋には

ビルトインの棚がありますが

装飾品はありません。

 

形状から本棚だったのではないかと推察しますが

真相は不明です。

 

月1回の一般公開というハードルの高さで

なかなか訪問できませんでしたが

今回はその日に合わせ旅程を組みました。

 

その甲斐があった

素晴らしい建物でした。

 

旧グッゲンハイム邸

兵庫県神戸市垂水区塩屋町3-5-17

078-220-3924

第3木曜日のみ12:00~17:00に公開

入館無料(予約不要)

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、東京都荒川区西尾久です。