ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。
今日は、
東京都葛飾区四つ木の『木下川（きねがわ）薬師』です。
最寄駅は
京成電鉄押上線
『四ツ木』。
駅から徒歩１０分
または京成タウンバス『新小岩駅東北広場』行で
『木下川薬師』バス停下車すぐ。
正式名称を
『青龍山薬王院浄光寺』という
天台宗の寺院です。
８４９（嘉祥２）年に
下野国（現在の栃木県）の大慈寺の僧
広智が営んだ草庵が始まりと言われています。
広智は
最澄作と言われている
薬師如来像の安置場所を探していたところ
下総国木下川（東京都葛飾区）にて
唱翁という老人と出会い
縁あって当地にあったその老人の草庵に
その薬師如来像を安置することになりました。
８６０（貞観２）年
『浅草寺』に滞在していた僧・円仁がその話を聞き
弟子の慶寛に命じてその草庵に一寺を建立させ
『浄光寺』と名付けました。
江戸時代に入ると
江戸幕府からも熱い信仰を受け
徳川歴代将軍の祈願所とされました。
開山当時は
現在地より西北約600mのところにありましたが
荒川放水路の開削工事のため
１９１９（大正８）年に現在地に移ってきました。
１２００年近い歴史を有しますが
火災、震災、空襲などの被害を受けたため
開山当初からの建物はありません。
朱塗りの仁王門は
１９９６（平成８）年に落成したもので
旧地にあった金剛力士像が
修復の上、移転されました。
金剛力士像は仁王門に立ち寺を守護する役目があり
仁王像とも呼ばれています。
『浄光寺』の金剛力士像は
１６６３（寛文３）年に作られたもので
何本かの檜による寄木造で
目にはガラスの玉眼が埋め込まれています。
向かって右は口を開いた阿形で
像高２７５ｃｍあるそうです。
左側の仁王像は
口を閉じた吽形
こちらの像高も２７５ｃｍ。
左右ともに怒りの顔をあらわし
全身に力がみなぎっています。
仁王門をくぐり境内に入ると
左側に大きな銀杏の木があります。
大銀杏の先には手水舎がありますが
中に入ることができません
・・・コロナ禍のためでしょうか。
手水鉢の前にブランコのような不思議なものがあります
手ぬぐいでも掛けるのでしょうか？
手水舎の前にある藤棚では
樹齢300年の一株の幹から
二頭の龍のように分かれた『双龍の藤』が
毎年４月下旬に見頃を迎えます
・・・残念ながら時期を逸していました。
本殿前にある対の青銅の灯籠
これが何とも素晴らしいのです。
１８４８（嘉永元）年に奉納されたもので
要所要所に粋な装飾が見られます。
基礎の格狭間には
様々な恰好の獅子が施されています。
蓮弁上の格狭間には
異なるデザインの龍が。
火袋から笠、宝珠にかけての華麗さ
巨匠の作品ではないようですが
何時間でも眺めていられそうです。
阿弥陀如来像が安置される本堂『薬師堂』は
１８４０（天保１１）年に火災で灰燼に帰し
その後も関東大震災、東京空襲で焼失しますが
その都度、本尊は難を逃れています。
現在の『薬師堂』は
１９９８（平成１０）年に再建されたもので
本尊の薬師如来は１２年に一度開帳されています。
前回の開帳が２０１０（平成１０）年でしたので
次回は２０２２年、すなわち今年になります。
時期は未だ発表されていませんが
おそらく秋頃になると思われます。
『薬師堂』の向拝に施された龍の彫刻
仁王門の金剛力士像と同様に
目にはガラスの『玉眼』が埋め込まれています。
木鼻の獅子にも玉眼が・・・
なかなか鋭い眼光です。
『薬師堂』から参道を見下ろすと
右手に小さな庭が見えます。
登美の松
徳川幕府第三代将軍家光公が参詣に訪れた折に
家光自らの手によって植えられたもので
命名は第八代将軍吉宗によるものです。
現在の松は二代目で
傍らにある登美の松碑（↓）は
勝海舟の揮毫です。
木下川薬師境内には
鐘楼、不動明王、庚申塔など
素晴らしいものがまだまだありますが
長くなりますのでこの辺にしておきます。
木下川薬師
東京都葛飾区東四つ木１－５－９
次回は、本日１５時に他人の迷惑を顧みず私の好きな曲をご紹介するMUSIC編。今回は、Bruce Springsteenの『Born To Run』です。