スピンオフ編~東京都千代田区お茶の水・ショッキングな展示ですが一見の価値あり『明治大学博物館』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、東京都千代田区お茶の水の『明治大学博物館』です。

 

 

最寄駅は

JR 中央線/総武線、東京メトロ丸の内線

『お茶の水』。

 

 

JR駅『お茶の水橋口』から徒歩5分

明治大学駿河台キャンパスの

『アカデミーコモン』地階にあります。

 

 

明治大学は2004(平成16)年

大学会館内にあった

『刑事博物館(1929年開設)』

『商品陳列館(1951年開設)』

『考古学陳列館(1952年開設)』の

3つの博物館を統合し

新たに『明治大学博物館』を開館しました。

 

 

特別展示室、常設展示室、大学史展示室で構成され

事務室脇の特別展示室では

1年を通じて様々な展覧会が催されています。

 

 

こちらの部屋は

地下1階が大学史展示室

地下2階が常設展示室になっています。

 

 

常設展示室は

前身の3館から引き継いだ収集物により

『商品』、『刑事』、『考古学』の

3つの部門に分かれています。

 

 

それぞれの部門には

貴重なコレクションが展示されていますが

特に興味深いのは『刑事部門』

今回は『刑事部門』に絞ってご紹介します。

 

明治大学は

明治法律学校を前身としていることもあり

古くから江戸・明治初期の

刑罰関係の道具や古文書を収集していました。

 

『刑事部門』では

現在の法と刑罰を考えるために

過去の法と刑罰を理解することを目的とし

各時代の法令や刑罰関係の道具を展示しています。

 

 

展示は

主として江戸時代の

捜査から処刑に関するもので

『捜査と逮捕』のコーナーから始まります。

 

これらは犯罪人を捕縛する時に使う道具ですが

色々な種類があったのですね。

 

 

それぞれのコーナーには

説明文の他に絵が添えてあり

使い方など理解し易くなっています。

 

 

十手は

正規の役人でない目明しが

・・・江戸では岡っ引き・・・

逮捕を許された場合に使う道具ですが

色々な種類があったようです。

 

左端の十手は木製で

果たして逮捕の際に有効だったのか

疑問に思ってしまいます。

 

予断ですが

『十手』は正しい日本語では

『じゅって』ではなく『じって』と発音します

・・・『じゅって』も正しい日本語になりつつありますが。

 

 

2番目のコーナーは『取り調べと拷問』

拷問道具もいくつか展示されています。

 

 

こちらは『釣責拷具』

両腕をねじり上げ

縄を回して背後で縛り

天井の鉄製の輪に通して宙づりにしたそうです。

 

 

宙づりにするだけでなく

鞭や棒で叩いています。

 

これは刑罰ではなく取り調べの一環ですので

冤罪も多く生まれたでしょうね。

 

 

次のコーナーは

『刑罰の決定』です。

 

江戸時代には三権分立の制度はなく

裁判は行政官が行い

奉行が直接審議に関わる場面は

多くなかったそうです。

 

実質的な審議や判決案は下役が担当しましたが

刑罰決定の手続きは厳格で

『公事方御定書』を基準とし

先例との詳細な比較により決定したとのこと

・・・でも拷問してますのでどこまで正確なものやら。

 

一般の判決は

白洲で奉行が告げましたが

死刑の判決は牢で下役が告げました。

 

上訴の制度はなく

原則的に直ぐに刑の執行が行われたそうです

・・・どこかの国と似ていますね。

 

 

続くコーナーは『刑罰の執行』

かなりショッキングな絵が登場します。

 

 

大きな箱の上に米俵が2つ

何をする道具なのでしょう?

 

『鋸引仕置きの刑具』といい

死刑の中でも最も重いもので

主殺しのみに適用されていました。

 

 

箱に罪人を入れ

首だけが地面から出るようにした上で

2晩見せ物として晒します。

 

その後1日市中引き回しの上

磔になりますが

実際に鋸で首を挽くことはなかったそうです。

 

 

こちらは磔柱

男の罪人用のものです。

 

 

男は複十字型の柱に

女は足台の付いた柱に縛り付けられ

槍で突かれて処刑されました。

 

 

『獄門首台木』と『紙幟』

 

牢屋で刎ねた首を刑場へ運び

『獄門首台木』に載せて

見せしめのために3日間晒しました。

 

脇には

名前や罪状記した紙幟が立てられました。

 

 

確かにインパクトはありますが

紛うことなき恐怖政治

再びこんな時代が来ないよう祈ります。

 

 

最後のコーナーは

『さまざまな刑事博物』

諸外国の刑罰についても展示されています。

 

 

『絞罪柱』

1870(明治3)年に制定された

明治政府最初の刑法『新律綱領』で定められた絞首法。

 

縄の先に鉄の重りをさげ

踏板を外すと首が絞まる仕組みです。

 

死刑囚の苦しみが激しく

問題が多かったようです。

 

 

こちらが鉄の重り

大と小があるのは

体重により使い分けたのでしょうか?

 

 

『絞首台の模型』

死刑囚の苦痛を緩和するため

1873(明治6)年に絞首法が改められ

『絞罪柱』から階段のついた絞首台になりました。

 

 

向かい側には

ヨーロッパでの刑具が展示されています。

 

 

『鉄の処女』

ドイツ・ローテンブルクの『中世犯罪博物館』

イタリア・サンジミニャーノの『拷問博物館』などにある

資料などを参考にして

前身の『刑事博物館』が1932(昭和7)年に

国内で作らせた複製品。

 

処刑や拷問の道具と

考えられていた時期もありましたが

現在では女性用の恥辱刑の道具だったのではないか

そう考えられています。

 

 

『ギロチン』

フランス革命以降に使用された断頭台。

 

名前の由来にもなっているフランスの医師『ギロチン』が

・・・・フランス語の発音では『ギヨタン』・・・

刑死者の苦痛を軽減するために提言したものですが

古くから南フランスやイタリアで使われていたそうです。

 

 

重く鋭利な刃が落下し

一瞬のうちに断頭するので

刑死者の苦痛が少なく

処刑に要する時間も短かったそうです。

 

フランス革命期の恐怖政治の激化に伴い

刑死者の苦痛軽減という観点からではなく

多くの死刑を実施できるという効率性(?)で多用され

恐怖政治のシンボルとなりました。

 

驚いたことにフランスでは

1981年に廃止されるまで

ギロチンが唯一の死刑執行手段でした。

 

 

かなりショッキングな展示ではありますが

刑事事件に関する

過去の非道な過ちを知ることができました。

 

同様の間違いを現在でも犯している国の為政者に

是非見てもらいたい博物館です。

 

明治大学博物館

東京都千代田区神田駿河台1-1 

明治大学アカデミーコモン地階

03-3296-4448

10:00-17:00

8月10日~16日 12月26日~1月7日休館

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、京都府京都市中京区です。