スピンオフ編~京都府京都市各所・鬼を追い払ってくれる神様『鍾馗さん』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、京都府京都市各所の『鍾馗さん』をテーマにします。

 

 

京都の街を歩くと

町家の屋根の上に

小さな人形が置かれている風景を

よく見かけます。

 

 

大きさは20~30㎝

顎髭を蓄え

剣を持ったいかついおじさん。

 

 

『鍾馗(しょうき)さん』と呼ばれ

古くから京都で愛されている

守り神です。

 

姿や表情は

怒っているもの

剽軽なものなど

それぞれの家により

微妙に異なっています。

 

こちらの鍾馗さんは

ちょっと惚けた顔をしています。

 

 

そもそも

鍾馗さんで誰?

 

 

中国の唐の時代に

実在した人物です。

 

 

7世紀初頭

唐の初代皇帝『高祖』の時代に

高級官僚を目指し

科挙を受験しましたが

成績優秀であるにもかかわらず

不合格になりました。

 

 

合格できなかった理由は

容貌が余りにも魁偉だったからとのこと。

 

このことに落胆した鍾馗さんは

自ら命を絶ってしまいました。

 

 

そんな鍾馗さんですが

中国では古くから

疫病や魔を払ってくれる神様と

信じられてきました。

 

その由来は

鍾馗さんの自死から100年ほど経った

第9代皇帝『玄宗』の時代に始まります。

 

 

マラリアに罹り病の床に伏す玄宗皇帝は

自分に取り憑く多くの悪鬼を

大男が現れ退治する夢を見ました。

 

 

玄宗皇帝が夢の中で

大男に名を問うと

科挙に落ちて絶望し

自殺した鍾馗だと答えました。

 

鍾馗さんは皇帝に

自分の死後

高祖に手厚く葬られたので

その恩に報いるため

国の災いを取り除きに来たと伝えました。

 

 

夢から覚めた玄宗皇帝は

不思議と

病気から全快していました。

 

急いでお抱えの絵師を呼び

夢に現れた鍾馗さんの絵を描かせます。

 


そして

自分を救ってくれた鍾馗さんを神と定め

祀ることにしました。

 

これが

中国での由来です。

 

 

この伝説が日本にも伝わり

端午の節句では

赤ちゃんを病魔から守る神として

五月人形の脇に

鍾馗さんを飾る風習が生まれました。

 

 

前置きが長くなりましたが

なぜ京都では

鍾馗さんが屋根の上にいるのでしょう。

 

 

諸説ありますが

2つの有力な説があります。

 

 

三条にあった薬屋が

屋根に大きな鬼瓦を葺いたところ

お向かいの家の奥さんが

それを見て寝込んでしまいました。

 

お向かいの家の旦那さんが

薬屋に取り外すよう頼みましたが

聞き入れられませんでした。

 

対抗策として

鬼に勝つ鍾馗さんの人形を瓦屋に作らせて

屋根に乗せたところ

奥さんの病気が全快しました。

 

これが巷に広がり

厄除けとして屋根に鍾馗さんを置く風習が

京の町に広まったという説です。

 

 

もう一つの説は

京都の町にはお寺が多く

その霊力や魔除けの鬼瓦で

跳ね返された鬼が

一般の家庭に入ってくるという

伝説に基づくものです。

 

鬼が家の中に侵入するのを防ぐため

鬼を負かすことができる

鍾馗さんを屋根に置くことが

流行ったということです。

 

 

鍾馗さん伝説を信じる

京都の方はいまだに多く

古い家屋だけでなく

このような新築の家屋の屋根に

置かれていることもあります。

 

 

お宅はモダンですが

鍾馗さんは伝統的なものです。

 

 

マンションのエントランスの屋根に

置かれているケースもあります。

 

 

いかにも

悪魔を追い払ってくれそうな形相で

マンションの住人も

安心して暮せるのではないでしょうか?

 

 

ふと見ると

お寺の屋根にも。

 

 

霊力があるので

鍾馗さんは不要ではと

よく見たところ布袋尊でした。

 

 

街歩きで

上を向きながら歩くことは

余りないと思いますが

一度是非お試しください。

 

ただし

くれぐれも交通事故や

他人との衝突を避けるため

立ち止まって見上げてください。

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、群馬県桐生市です