スピンオフ編~東京都葛飾区柴又・書院庭園を眺め悠久の時を楽しむ『山本亭』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、東京都葛飾区柴又の『山本亭』をテーマにします。

 

 

最寄駅は

京成金町線

『柴又』。

 

 

映画『男はつらいよ』の舞台にもなった

『柴又帝釈天』。

 

山本亭は

この真裏にあります。

 

 

もともとこの土地は

庄屋の鈴木家の土地で

1923(大正12)年の関東大震災まで

この地で瓦工場を営んでいたそうです。

 

 

山本亭を構えたのは

浅草でカメラの部品工場を

経営していた山本栄之助で

関東大震災により

浅草が罹災したため柴又に移転し

その際に鈴木家の瓦工場跡を取得しました。

 

建築された年は不明ですが

大正末期から昭和初期にかけて

増改築を重ね

現在の姿になったとされています。

 

1988(昭和63)年まで

山本家が住んでいましたが

葛飾区に譲渡され

1991(平成3)年に一般公開されました。

 

 

室内に上がり

まず目についたのが

3つの柱時計。

 

 

真ん中の時計は日本時間

左右の時計は

友好都市関係にある

北京とウィーンの時刻です。

 

柴又と北京・ウィーン

どういうことで

友好都市になったのでしょうね。

 

 

居室は

和室6部屋ですが

角部屋に当たる2部屋は

床の間、違い棚

明かり障子、欄間を備えた

伝統的な書院造りになっています。

 

 

何気なく置かれた火鉢に

懐かしさをを覚えます。

 

 

全ての和室は

廊下を挟んで庭に面し

壁がほとんどない

開放的なデザインになっています。

 

 

主庭は

縁側の近くには池泉を配し

背後には植え込みと築山を設け

滝を落とすという

典型的な書院庭園になっています。

 

 

一部には露台が設けられ

月見酒などを楽しんでいたことが

偲ばれます。

 

 

主庭の反対側には

坪庭もあります。

 

 

廊下には

古い電話機が置かれています。

 

 

電話機の脇には

『合資会社山本工場』と書かれた

掛取帳のようなものが置かれ

商いの場でもあったことが分かります。

 

 

旧玄関には

自家用人力車が。

 

自家用車もお持ちだったのでしょうが

自家用人力車とは粋ですね。

 

 

旧玄関の近くには

『鳳凰の間』と名付けられた

亭内唯一の洋室があります。

 

玄関脇に

洋間の空間を設けることは

当時としては

斬新なスタイルだったそうです。

 

 

大理石のマントルピースからも

山本家がいかに富裕だっかたを

伺うことができます。

 

 

窓の一部に施された

ステンドグラス

図柄はシンメトリーですが

一部分で左右の色が異なる

不思議なデザインです。

 

 

マントルピースの上に飾られた

陶器の置物

ちょっとスノビズムも感じますが

良しとしましょう。

 

 

土蔵は

亭内で最も古い建物で

建造年は不明ですが

山本氏が居を移す前から

あったようです。

 

 

山本亭を外から見ると

こんな感じで

一部二階建てになっていますが

二階部分は公開されていません。

 

 

洋室の外観

増築したことが

明らかに分かります。

 

 

旧玄関の外観

こちらから入ることは

できません。

 

 

旧玄関の先には

和洋折衷様式の長屋門が。

 

1930(昭和5)年から1933(昭和8)年に

古い長屋門を取り壊し

新築されたものです。

 

 

瓦葺きの木造平屋で

伝統的な長屋門の形態を

踏襲していますが

外観・内部とも

デザインが洋風化されています。

 

 

通路の左右にある

3畳ほどの袖部屋も

ステンドグラスのある洋風で

門番が常駐し

客人の付き人や

人力車の車夫などが

控えていたそうです。

 

 

柴又と言うと

寅さんと下町のイメージが強いですが

全く趣の異なる書院庭園を持つ山本亭。

 

帝釈天参詣

『寅さん記念館』見学

そして

山本亭で悠久の時を楽しむ

奥深い柴又の楽しみ方です。

 

山本亭

東京都葛飾区柴又7-19-32

03-3657-8577

9:00-17:00

第3火曜日と12月の第3水・木曜日休み

入館料 一人100円

※寅さん記念館との割引セット券あり

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、アイルランド・ゴールウェイ市です