スピンオフ編~台湾基隆市・丘の上から市街を見守る廃墟『許梓桑古厝』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、台湾基隆市の廃墟『許梓桑古厝』をテーマにします。

 

 

基隆は

首都台北の北東約30㎞

人口40万人弱の国際港湾都市です。

 

基隆のランドマークは

『地標展景台』にある

『KEELUNG』のサイン

・・・なんとなくハリウッドみたいですが。

 

 

『許梓桑古厝』へは

基隆の人気スポット『廟口夜市』がある

『愛四路』が『仁四路』に変わる

曲がり角の路地を入ります。

 

 

細い路地に

急な階段が続きます。

 

 

この路地には

何故か猫が多く棲みつき

みなさんマイペースで

まったりと過ごしています。

 

 

まだまだ坂は続きます。

 

そろそろ皆さんは

この先にある許梓桑古厝って何なのさ?・・・

そう思われ始めているでしょう。

 

 

坂道を上ること約10分

ようやくそれらしき物が見えてきました。

 

 

赤レンガの建物の廃墟

こちらが許梓桑古厝です。

 

許梓桑は人名

古厝は古民家と言った意味です。

 

 

許梓桑は

1847年に基隆に生まれ

日本占領時代に

基隆区長や台北州州会議員などの

公職を歴任したこの地の名士で

第二次世界大戦が終戦した

1945年に亡くなりました。

 

 

この建物は

1931年に建てられた許梓桑氏の邸宅

閩南三合院式二階建てで

『慶餘堂』と呼ばれていたそうです。

 

ちなみに閩南とは

台湾の対岸にある福建省南部のことで

広義では台湾も含まれます。

 

 

さほど大きな建物ではありませんが

洋風の要素も取り入れた

当時としてはお洒落な建物だったようです。

 

 

1960年頃までは

梓桑氏の子孫が住まわれていたそうですが

以降は空家となり

徐々に廃墟と化し

このような状態になってしまいました。

 

基隆市は

この建物を歴史的建造物に指定していますが

改修を行う意図も

観光スポットとしようとする意図も

殆どないようです。

 

私はこの建物を

阿根納造船廟遺構』と『社寮砲台』ともに

基隆三大廃墟と勝手に呼んでいます。

 

 

竹の装飾が施された丸窓

中国テイストを深く感じる

粋なデザインです。

 

 

壁の上部には

装飾タイルがほぼ原形で残っています。

 

 

山水画を彷彿させるデザイン

こちらもそこはかとなく中国風です。

 

 

2階と階下をつなぐ空間

中国の古い家屋に

たまに見られます

・・・荷物などの上げ下げに使われたようです。

 

日本であれば

危険防止のために

柵が設けられていますが

此処にはありません

・・・台湾ではよくあることです。

 

危機意識や自己責任の

概念を養うためには

とてもいいことだと思います

・・・日本は過保護です。

 

 

シャワールームとトイレ

現代的な蓋付きの洋式トイレですので

子孫の方が付け替えたのでしょう。

 

 

説明も何もありませんので

建物に関する詳細は

ほとんど分かりませんが

町の中心地に残る

このような廃墟を間近に見られることは

非常に興味深いものがあります。

 

 

帰り道は

『仁三路』へ抜ける小径を下ります。

 

こちらの方が距離が長い分

傾斜は緩くなります。

 

 

こちら側からは

建物の全貌を望むことができます。

 

基本は閩南三合院式ですが

外観は華洋折衷であることが

明白に分かります。

 

 

主屋の壁に残るマーク

家紋でもなさそうですし

何なのでしょう。

 

風水でしょうか

気になって帰国後に調べましたが

全くわかりません。

 

どなたかご存知でしたら

教えてください。

 

 

うぅ~ん!

何か神秘的で魅力的だな。

 

次回の台湾ツアーでは

・・・この騒動でいつになるか・・・

基隆に少し腰を落ち着け

この廃墟の謎も探ってみるつもりです。

 

 

許梓桑古厝

中華民国基隆市仁愛区愛四路2巷15號

参観時間の制限はありません

参観無料

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、群馬県桐生市です。