スピンオフ編~東京都目黒区駒場・『洋』と加賀百万石の『粋』が融合『旧前田家本邸洋館』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットをご紹介します。今日は、東京都目黒区の『旧前田家本邸洋館』です。

 

 

最寄駅は

京王井の頭線

『駒場東大前』。

 

東口で下車し

東京大学構内を散策しながら

行く方法もありますが

西口で下車したほうが

ショートカットになります。

 

 

駅から徒歩10分程で

駒場公園東門に至ります。

 

ここから入園すると近道ですが

アプローチからの雰囲気を味わうため

もう少し先の

正門から入られることをお薦めします。

 

 

正門をくぐり

100mほど進むと

瀟洒な洋館が現れます。

 

こちらが

加賀百万石前田家の

16代当主前田利為(としなり)侯爵の

駒場邸跡です。

 

前田家本邸は

文京区本郷にありましたが

東京帝国大学(現、東京大学)の

敷地拡張のため

同大農学部の実習地であった現在地と

交換されて移転してきました。

 

 

外国生活が長く

国際的見識の高い文化人であった

利為侯爵は

外国要人の私設迎賓館に相応しい

洋風の建物を建築することとし

1929(昭和4)年に本館を竣工しました。

 

鉄筋コンクリート造で

外壁はスクラッチタイル貼り

屋根は銅板葺です。

 

 

 

美しいフォルムの正面玄関には

左右の側面2か所づつに

気品のあるランプが配されています。

 

 

玄関ポーチも

派手さはありませんが

格調の高さが窺えます。

 

 

ポーチのシーリングライトも

洋の中に和のテイスト・・・

加賀百万石の粋を

感じさせるものです。

 

 

玄関を入ると

階段広間が。

 

この広間を囲むように

サロンなど大小6つの部屋が

配置されています。

 

 

階段広間の天井には

建設当時のままの

華麗なシャンデリアが。

 

 

階段広間に続くサロン

来客を最初に通す待合です。

 

黒色大理石のマントルピース

その上に据え付けられた大鏡など

贅を凝らした内装になっています。

 

 

サロンの奥には

白いタイルでできた

背の高いマントルピースが特徴の

第一応接室があります。

 

伯爵夫人や令嬢の

来客が通された部屋です。

 

 

1階正面には

2つのダイニングルームが。

 

こちらは大食堂

晩餐会用の部屋で

最大26人のディナーが可能だったそうです。

 

巨大な白大理石のマントルピースと

それに向かい合う円弧状の張り出し窓が

優雅さを醸し出しています。

 

 

大食堂に続くのが小食堂

家族のための食堂で

東側にテラスが張り出しています。

 

 

階段の下にも

マントルピースを配した

小さな空間があります。

 

 

暖炉脇の小さな空間を

イングルヌックと言うそうです。

 

こちらのイングルヌックは

階段下の小さなスペースを利用したもので

談話室の役割を果たしていました。

 

 

2階部分には

寝室、夫人の部屋、令嬢達の部屋など

10数室があります。

 

こちらは

侯爵夫妻の寝室。

 

一見シンプルですが

ベッドやキャビネットなどの家具の多くは

ロンドンの高級家具店である

ハンプトン社で誂え

船便で送られてきたとのことです。

 

 

夫人室

侯爵夫人の部屋であるとともに

家族団欒の場でした。

 

壁紙、カーテン、カーペットは紫色

椅子とソファは赤が基調で

邸内で最も華麗な部屋となっています。

 

 

侯爵の書斎

邸内で最も重厚な雰囲気の部屋です。

 

 

邸宅の南側には

広い芝生があります。

 

邸内見学では見えませんが

1階、2階のコリドーも素敵です。

 

 

現在の駒場公園の敷地のほとんどを使い

使用人が100人以上もいた前田侯爵邸は

当時東洋一の大邸宅と言われていました。

 

しかし

繁栄は長く続きませんでした。

 

1942(昭和17)年

ボルネオ方面軍司令官として

第二次世界大戦に従軍していた

利為侯爵が不慮の死を遂げ

夫人をはじめ一家は

他の地に移らざるを得なくなりました。

 

その後

中島飛行機の本社となり

終戦後は連合軍に接収され

軍司令官の官邸として使用されました。

 

紆余曲折はありましたが

1967(昭和42)年

東京都が『都立駒場公園』として一般開放し

1975(昭和50)年には

公園の管理が目黒区に移管されました。

 

洋館の東側には

純和風の和館が続いていますが

今日は長くなりますので

別の機会にご紹介します。

 

 

旧前田家本邸洋館

東京都目黒区駒場4-3-55

03-3466-5150

9:00-16:30

月曜日、火曜日、年末年始休み

入館無料

 

次回は、明日6月14日(金)に番外編。中国大連市の『糯米香』をテーマにします。