前職のときも、

 

「新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)になって1型糖尿病になったんです。」

 

「COVID-19のワクチンを打つと1型糖尿病になるって本当ですか?」

 

などのご相談を受けては、

 

なぜ1型糖尿病の発症メカニズムが完全に解明されているわけではないのに、そんなに確信しているんだろう、、、アセアセ

 

どこから、そんな噂を拾ってくるんだガーン

 

と思っていましたショボーン

 

今回、そんな話に関連した論文が発表されたので紹介しますダッシュ

 

それは、

 

ドイツにおいて、

COVID-19が流行したことで、

1型糖尿病を発症する人が増えているらしい

 

というもの。

 

 

そして、

 

ドイツにおいて、

COVID-19と診断された小児では、

1型糖尿病発症率が上がってる

 

というものでした。

 

論文の原文を読みたい方はこちらをどうぞ下差し

 

 

  研究の背景

 

COVID-19のパンデミック中、小児の1型糖尿病発症率が増加しているという報告はチラホラされていました。

 

けれど、その1型糖尿病を発症した小児が新型コロナウイルスに感染した小児なのか?それとも、感染していない小児なのか?を区別した研究はありませんでしたびっくりマーク

 

そこで、今回の研究では大規模なデータベースを用いて、COVID-19の診断と小児の1型糖尿病発症率に関連があるかを調べています気づき

 

 

  調査地はドイツ!

 

今回の調査研究が行われたのは、ドイツのバイエルン州🇩🇪


とても美しい景色を楽しめる場所なようですニコニコ


私の奥さんはドイツが大好きなので、「街並みも地名もいいわ〜ルンルンと言っていましたグッ

これは、ドイツに連れて行けってプレッシャー真顔はてなマーク

 

 

 

  対象は2010~2018年生まれの小児

 

記事で書かれている「小児(原文ではchildren)」とは、2010〜2018年に生まれた子どもたちのことを指していますうさぎのぬいぐるみ


Anonymized data of all children born between 2010 and 2018 and observed through December 2021 in the BASHIP database were included in this analysis. 

 

バイエルン州法定保険医協会(BASHIP)のデータベースから、2021年12月までの、この子ども達の匿名医療データを分析しています虫めがね

日本でもうまく医療データを活用して、データベースを活用した研究がドンドンできるようになって欲しいですね薬

 

118万1878人ものデータのうち、2020年開始時に1型糖尿病と診断されていない118万636人が対象とのこと。

 

なお、1型糖尿病の発症日は詳細にはわからず、3ヵ月ごと(四半期)のデータとしてまとめられているようです虫めがね

 

 

  結果と結論

 

1型糖尿病発症率の結果をまとめると、、、


1年間に10万人あたり何人の人が1型糖尿病を発症したのかという、年間発症率(人/10万人・年)は下記のように変化していました下差し

 


〈全体〉

2020〜2021年 29.9

2018〜2019年 19.5
パンデミック期間の方が年間発症率が高い!

 


そもそも日本と発症率が全然違う…無気力アセアセ

日本は2.5 (人/10万人・年)ぐらいびっくり



〈COVID-19の診断の有無〉

診断あり 55.2

診断なし 28.5

COVID-19と診断されたことのある子どもの方が

年間発症率が高い!

 

〈注意点〉

細かいのですが、COVID-19に感染したか、ではなくCOVID-19と診断されたかで分けられてます凝視


 

ちなみに、COVID-19と診断されてからの期間による10万人あたりの年間発症率はこちら下差し


6ヶ月間の発症率 38.8

6〜15ヶ月の発症率 50.7


 

これらの結果から導き出された結論はあくまで、


バイエルン州では

2020年以降に

COVID-19の診断歴がある

小児の1型糖尿病発症率が

増加していた


ということなのですねにっこり気づき


 

  今後の課題

 
結論は出ましたがこれで終わりではなく、これからも研究は進められていくことでしょう!!

COVID-19がどのように1型糖尿病の発症リスクを高めるのかも気になるところです物申す

 

<課題>

  • 1型糖尿病を発症したかどうかは3ヶ月ごとのデータ収集のため、発症と同じ期間にCOVID-19を発症した場合、1型糖尿病がCOVID-19の前に診断されたのか、後に診断されたのかを判断できなかった
  • COVID-19と診断された小児の70%でウイルス感染の確認ができなかった
  • サブグループ比較を行うには症例数が不十分であった
  • ワクチン接種が1型糖尿病の発症リスクに影響するかは検討が必要


COVID-19が爆発的に流行して、感染有無の確認ができなかった子どもが多く、「診断有無」で1型糖尿病の発症率の違いを出すしかなかったのかなと思ったりしましたネガティブ
 

 

  まとめ

 

ドイツのバイエルン州で、子どもの医療データベースをもとに調査が行われました。

その結果、COVID-19と診断された子どもは、診断されていない子どもよりも1型糖尿病の発症率が増加していたことがわかりました。
 
調査に関してはまだ課題もあるようですが、COVID-19が1型糖尿病の発症にどの程度影響しているのか、どのようなメカニズムで影響を及ぼしていて今後の予防策につながるようなブレイクスルーがあるのか、についても今後は研究が進んでいってほしいと思いました!
 
お時間のある方は原文の方もぜひご覧ください下差し
 

 

 

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