2型糖尿病は治る？100人に1人条件付きで！話題の研究結果を読んで

2型糖尿病患者のうち100人に1人は「治っていた」という研究が糖尿病関係者界隈で話題です

そしてこちらが噂の研究論文の概要👇

糖尿病患者の100人に1人は「治っていた」～4万8千人の患者データ解析で明らかになった 「寛解」の頻度と条件～ | 研究成果 | ニュース - 新潟大学

タイトルだけでは誤解を招くよなという内容だったので、一度ちゃんと読んでいただきたいです

読まずに議論するのはナンセンス

でも、読むのはちょっと無理〜という人のために、できるだけカンタンに紹介しますね

元の研究の概要ページ自体、とてもシンプル&簡単に書かれているので、興味が湧いた方はぜひ原文を読んでみてください

1,2分で読み終わりますので、Let's try 

  論文の概要

この論文のポイントは、冒頭で紹介したリンク先に分かりやすく書かれています。

本研究成果のポイント

• 日本人の2型糖尿病患者の約100人に1人が寛解した
• 体重を1年間に減量できた人で、その幅が体重の5～9.9%の人は寛解の頻度が2.5倍、10%以上の人では5.0倍増加
• より寛解の傾向があったのは、糖尿病と診断されてからの期間が短い人、HbA1cの値が低い人、BMIが高い人、1年間の体重減少幅が大きい人、薬物治療を受けていない人
• 1年間の減量幅が5%以上の人では寛解後も再発しにくい傾向があった

「日本人の2型糖尿病患者の約100人に1人は寛解」していた、と最初に書かれていますね。

「糖尿病になったら治らない」

「これをすれば糖尿病が治る」

など、さまざまな情報があふれているので、「結局どっちなんだ！」と思っていた人はスッキリしましたね

（日本において）2型糖尿病のある人は約100人に1人は「寛解する」という研究結果が出たのです

  「寛解」と「治る」は違うの？

ここで、寛解とは

「今後再発する可能性はあるけれど、今は症状がなく落ちている状態」

ということです。

幅広い意味を持つ「治る」という言葉に含まれるとも言えます。

国立国語研究所の病院の言葉をわかりやすくする提案の説明がとてもわかりやすいのでご紹介します

病気の症状が一時的に軽くなったり，消えたりした状態です。このまま再発しないで，完全に治る可能性もあります。しかし，場合によっては再発する可能性もまだあるかもしれません。再発しないようによく様子を見ていただく必要があります。ですから，定期的に検査を受けたり，薬を飲んだりしてください。

ちなみに、新潟大学が出している詳細では、こんな風に書かれています

いったん糖尿病になった人の中で、血糖値が正常近くまで改善し、薬が不要な状態となる（糖尿病が「寛解」する）人

なお、米国糖尿病学会（ADA）によって2021年に出されたコンセンサスレポートでは、寛解は下記のように定義されています（引用：糖尿病リソースガイド）

寛解とは、薬物療法を行っていない状態で少なくとも3ヵ月間、HbA1c6.5％未満が持続している状態と定義する。

2型糖尿病の「寛解」の条件は？　薬物療法中止後3ヵ月以上、HbA1c6.5％未満を維持 | 糖尿病リソースガイド

え、、、HbA1c6.5%未満って基準値から考えたら治ってないじゃんと思ってしまうのは私だけ

でも、薬物療法なしでHbA1c6.5%未満は羨ましい

  どんな人が寛解しやすい？

論文で明らかになった寛解しやすい人の条件はこちら

• 2型糖尿病と診断されてからの期間が短い人
• HbA1cの値が低い人
• BMIが高い人
• 1年間の体重減少が大きい人
• 薬物治療を受けていない人

この条件に当てはまるなら寛解するかも！という単純なことではないのでご注意を

ここから導き出される答えは、

たとえ糖尿病と診断されても、早期から生活習慣改善や薬物治療に取り組み、減量を行うことで2型糖尿病の寛解は可能

つまり、早めに適切な治療を開始して、ちゃんと継続することが大事ということですね

  寛解を継続するには「体重管理」「定期的な診察」が重要かも

寛解したら、ずっとその状態を維持したいですよね

そのために重要なのは、「体重管理」と「定期的な診察」が重要である可能性が高いとのこと

ですよね、うんうん。と、感覚的に理解できます

ちなみに、寛解した人のうち3分の2は再発しています

つまり、300人の2型糖尿病患者さんがいたとしたら、寛解して継続もできたのは1人だけということ。

　300人の2型糖尿病患者さんのうち

　3人は寛解します

　3人のうち2人は再発します

寛解を維持するのは、そう簡単なことではないようです

体重管理の大変さなら、私もよくわかります……

  なぜこの研究は行われたの？

論文の内容を見ていくと、結構普通のことが書かれていると思いませんでしたか

この研究は「一度発症したら治らないって言うけど、2型糖尿病になっても寛解する人がいるよね」という経験則で語られてきたことを、きちんと調査しているところが素敵なんです

つまり、研究が行われた理由は、日本人において

• どの程度の患者さんが「寛解」しているか
• どのような人が「寛解」しやすいか
• どのような人が「寛解」状態を維持できるか

その頻度と条件を明らかにするためなんですね〜

  最後に

2型糖尿病患者のうち約100人に1人は寛解する、という研究論文についてご紹介しました

完全に治ったわけではないけれど、症状が現れていない状態が寛解です

その寛解に辿り着くには、早めに適切な治療を開始して、ちゃんと継続することが大事

さらに、寛解を継続するには体重管理を忘れてはいけません

今回の研究論文の内容を読んで、

100人に1人も治るのか

100人に1人しか治らないのか

どちらに感じましたか

しかも、寛解した人のうち継続できるのは3分の1の人だけ。

多いと見るか、少ないと見るか、、、。

読んだ人によって印象が異なってくるかもしれませんね

はじめましての方は自己紹介もぜひ！

大村詠一『自己紹介 〜踊る1型糖尿病患者〜』

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