Twitterのトレンドになるほど日本糖尿病協会さんが明らかにした病名変更の方針が話題になっています👇

 

 

とてもTwitterでは語り尽くせないなと思ったので、こちらで連連と自分の考えを紹介したいと思います。

 

 

  まず世間への周知としては大成功

 

Yahoo!ニュースのコメント欄やTwitterなどのSNSではいろんな意見が議論され、病名に辛さを感じる人が存在することは周知されたと思います。

 

そして、コメント欄などに寄せられたいろんな立場の方の声は貴重な意見だと思いました。

 

そうじゃない!と頭ごなしに否定するのではなく、未病だったり、家族歴がなかったりする方の認識を把握する意味でも非常に大切な意見ばかりだなと思いました。

 

コメントをCSVで全部書き出してくれる機能があったら課金してもいいぐらいと思っています。

 

 

  個人的には大きな団体が取り組んでくれることは歓迎

 

「病名を変えてくれたら私は前向きに生きられる」

 

これは私が大学生になって講演をした際、1型糖尿病の年配の方が出待ちをして伝えられた言葉です。

 

この言葉は、ずっと自分の中でひっかかる一方で、「本当に病名を変えたらこの方は幸せになれるのだろうか」と思っていました。

 

そんな中、患者レベルで名称変更に取り組もうとされた方もいらっしゃいました。

 

 

でも、うまく行かなかったことを覚えています。

 

名称変更の大変さは、公益社団法人 日本精神神経学会さんが提案から変更までに8年ほどかかった経緯を公開されています。

 

 

個人レベルで取り組んだり、職員が10名程度のNPO法人で取り組める課題ではないと思っていましたし、現在の治療や今後の治療を変えていくために研究支援をしたり、医療費だったり介護施設等でのインスリン補充の課題に関する政策提言に取り組むべきだとの思いで名称変更には取り組んできませんでした。

 

そんな中、会員数10万人以上の日本糖尿病協会さんが取り組まれるのはありがたいなと思います。

 

 

  1,2年で名称変更とは書かれていない。あくまで提案。

 

上記で紹介した統合失調症の例からも分かるように、新名称候補を絞るにも「家族会アンケート、一般市民からの意見募集、公聴会など」様々な過程を経る必要があるようで、ニュース記事でも

 

「今後1、2年のうちに新たな病名を提案したい考えだ。」

 

と1,2年で変更するのではなく、新名称を提案すると書かれているだけなのも注意が必要だなと思います。


 

  note株式会社代表取締役CEOの加藤貞顕さんにご意見いただいてハッとしたこと

 

著書を出版する際に、note株式会社代表取締役CEO(当時は、株式会社ピースオブケイク)の加藤貞顕さんにご意見いただける機会に恵まれ、その際に「大村さんはじめ1型糖尿病の方が悩んでいる偏見って、日本における糖尿病のイメージが悪すぎることが問題じゃないの」といったことをおっしゃられてハッとさせられました。

 

なんだか問題解決する対象の目線が1型糖尿病の方のみになりすぎていたなと気付かされたときでした。

 

 

  目指したいのは糖尿病全体に対するスティグマの解消

私は、糖尿病業界で盛んに言われるようになったスティグマ(負の烙印、謂れのない差別)を1型糖尿病の理解のためだけに叫びたいとは思いません。

 

私の知り合いには、2型糖尿病の方もいれば、膵性糖尿病、MODY、ステロイド糖尿病、ミトコンドリア糖尿病、新生児糖尿病、妊娠糖尿病と「糖尿病」とひとくくりにされているけれど様々な要因で糖尿病とともに生きることになった方々がいます。

 

自身の病気を説明する際に他の病気を悪く言う必要がどこにあるのでしょうか。

 

以前、私は1型糖尿病と2型糖尿病の違いについて紹介した際に、参加者から「2型糖尿病を悪く言っているように聞こえてしまう」と指摘を受けてとてもショックを受けたことがあります。

 

今は、「糖尿病=生活習慣病」が必ず成り立つと思っている方の認識を少しでも変えられたり、2型糖尿病は遺伝的素因が高くて日本人はなりやすいことなど糖尿病に関する正しい知識を伝えていけたらと思っています。

 

 

  糖尿病患者が抱える課題の解決には当事者の協力が必要不可欠

 

ニュースにもあった保険の話は、厚生労働省の病気と死亡率に関するデータベースに基づいていると思うので、かなり治療が良くなった現代において、治療を継続した糖尿病患者の死亡率が未病の方とどこまで違うのかといった議論が大切なのかなと思っています。

 

病名が変わるとしても、医療費の問題や現在の治療が対処療法に過ぎないこと、介護施設等でのインスリン補充が歓迎されていないことなど、現在も抱えている課題は山ほどあるので、様々な関係者が一緒に力を合わせて適材適所で取り組んでいく必要があるなと思っています。

 

そして、その活動には当事者の協力が絶対に必要であり、10ヶ月もの間実施された今回の名称変更に対するアンケートに対して1087人の協力しか得られなかったことはとても寂しいことだなとも思いました。

 

何かを変えるには意見を出していかないといけないと思うので、ぜひ今回の方針発表をきっかけに患者・家族の方にも自分はどうしたいのか、そして、自分自身は糖尿病のことを正しく理解できているのかを改めて自問する時間をつくってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

はじめましての方は自己紹介もぜひ!

 

 

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