「なぜ、じーじは外に出ようとするのか?」
う~む、改めて考えてみると、難しい。
始めに断わっておくが、私は決してじーじのいる部屋に鍵をかけたり、
じーじを縛って監禁などは、一切していない。
(そうしてやりたいと思ったことは何度もあるが)
じじばばの部屋には掃出し窓があり、窓の外はウッドデッキになっているから、
そこからでもすぐに外に出ることができる。
以前はそこから出入りし、庭を散歩していた。
自分で雨戸も閉めていた。
最近はそこから外に出られることが分からなくなったのか、
それとも段差があるので危ないと感じているのか、
掃出し窓から外に出ることはなくなった。
唯一、外に出られるところは玄関。
そんなにまでも外に出ようとする割には、玄関を出るとすぐに家の中に戻ってくることが多い。
以前、徘徊真っ最中の頃のように、ずんずん歩いて行ってしまうこともない。
でも、何度も何度も玄関を開けて、外に出る。
そう、まるで何かを確かめているように。
実は、気になっていることがある。
ダイニングの自分の席から、身を乗り出すように、いつも外のある場所を眺めている。
リビングのカーテンを開けては、外の同じ場所を見ている。
じーじには、いったい何が見えているのだろうか?
じーじが見ている場所には、外のポストがある。
ポストは太陽の光を受け、きらきらと反射して光っている。
そしてそこは、テレビをつけていると、窓に反射してテレビが映っているところだ。
おそらく、だれか人がいるように見えているのではないか?
これも一種の幻視なんだろうか?
じーじは超高齢のため、今更認知症の種類を特定したり、
薬によって治療しようとは思っていない。
今となっては、さほど介護も「苦」とは思っていないので、
このまま寿命まで自然に任せて行こうと思っている。
でもやっぱり、じーじはレビーなんだと思う。
じーじの手の写真。
反り返った親指。
レビー小体認知症の人に見られるという、指の変形。
じーじには何かが見えていて、それを確かめるために外に出ようとしているのかもしれない。