じーじとばーばのあまりにも強い帰宅願望に負け、息子が高校を卒業したら自分一人で実家に帰り、同居して両親の面倒をみようと、決心した私。
息子は大学入学を期に、一人暮らしをするつもりだったので問題はない。
ただ、「旦那に申し訳ないな」と思っていた矢先、旦那の転勤辞令が。
ありがたいことに、希望を出していた私の実家から通える支店だった。
十二月末、無事に私は仕事を辞め、年明け早々旦那は転勤先に赴任。
ゴミ屋敷と化した実家では私たち夫婦と一緒に住めないため、急きょ建て替えることを決意し、住宅展示場めぐりが始まったのです。
引っ越しの準備もしなければならないけれども、新居の間取りを考えたりするの、はとても楽しい時間でした。
冬場で寒いし、私が家に居ることもあり、じーじの徘徊もほとんどなくなり、つかの間の落ち着いた時間でした。
ええ、本当につかの間のことでしたね。
いざ実家に戻り、私たち夫婦を待っていたものは、大量のゴミでした。
解体までたった二か月。その間に45年もの間に溜まったゴミと格闘しなければならない。
でも一番大変だったのは、自分たちの家を壊されると思い込んだ、じーじとばーばへの対処でした。
「あんたたちは、変なものに憑りつかれてる。」
「悪い奴に騙されて、私たちの家を壊そうとしてる。」
「絶対壊したらいかん。訴えてやる。」
常に両親のことを考え、「安全で清潔な環境で寿命まで暮らしてほしい」と願ってのこと。
貯金も底をつき一文無しに近くなった両親に代わり、娘夫婦がすべてお金も出し、建て替えてあげようとしてるのに。
こんなにもひどい言葉を投げつけられるんだったら、あのままゴミ屋敷の中で、糞尿にまみれ死なせてあげればよかった。
引き取って面倒なんか見るんじゃなかった。
あれから四年近くたった今でも、時々こう思ってしまう時がある。
じーじーとばーばにとって、本当によかったのはどっちなんだろう。
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