実家を建て替えている間、実家から一駅程離れたところで、仮住まいのアパート暮らしが始まった。
当時は今と違って、かなりの健脚だったじーじーは、「家の大工さんと話をしてくる」と言って、徘徊の旅に出かけて行った。
徘徊の旅は、5キロを超えることもざらだった。
ものの見事に、私が買い物に行ってる間をねらって出かけていく。
油断も隙もあったもんじゃない。
徘徊の旅、というからには自力で仮住まいのアパートまで帰ってくることはできず、見知らぬ親切な工事のお兄さんに、車で乗せてもらってきたこともあった。
迷子札のおかげでアパートの住所がわかったみたい。
何度言っても、怒鳴ったりなだめすかしてみても、懲りない。
当時のじーじの介護区分は、なんと自立。
ありえない。
かかりつけの病院系列の、居宅介護支援事務所でケアマネを頼み、介護認定を依頼する。
せめて要支援に、と願っていたら要介護1の判定。
今までの徘徊履歴を、メモしていた携帯の記録を基に全部書き出し、調査員の人に渡したのが功を奏したかもしれない。
これでようやくばーばと一緒に、デイサービスに通えることになる。
しかし、今まで他人とほとんどかかわらず、家にいて勝手気ままに好き放題していた人が、集団生活ができるのか?
お風呂に入れてもらったり、みんなと食事をしたり、レクレーションに参加したりなんて、絶対できっこない。
何かじーじの興味を引くようなことをやってる、デイサービスはないのか?
また頭を悩ませることができた。
ぽちっとお願いします

にほんブログ村