じーじは今、驚くほど落ち着いている。
じーじなんて、ほんわかとした呼び方が似合ってきたのも最近ことである。
ここまで来るには、幾多の試練の道をかいくぐってきた。
大事に育てた一人娘(私)から、ナイフを投げつけられたこともあった。
孫に襟首を掴まれ、殴られそうになったこともあった。
八時間も徘徊し続け、警察に保護されたこともあった。
まず、他人とコミュニケーションが取れない。これは認知症になるずっと前からのこと。
唯一じーじが信用しているのは、自分の妻、ばーばだけだ。
お酒を飲まないこともあり、親戚の集まりでも、さっさと食事だけ済ませ、自分たち夫婦だけ先に帰る。
非常識極まりない。
私たち娘夫婦が孫を連れて帰省しているときでさえ、一緒に食卓を囲むことはない。
自分だけ自分の部屋で勝手に食べている。
そんな人が、今娘夫婦と同居し、食事はちゃんとダイニングテーブルで食べている。
ただし、私の旦那と口をきくことは全くないが。
着替えも手伝いが必要なのだが、「ありがとう」とお礼を言えるようになった。
素晴らしい。
いよいよあの世行きか?と勘ぐりたくなるくらいだ。
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