――ということで、去年の秋くらいに買い物をした「誂えモノ」
なかなかこういう機会はないと思うけれど、いざ年末に自宅へきたらやっぱり感慨深くもあり、また案外しっくり馴染んだ気もします。
写真の通り、2つの額です。
(ガラスに写りこんじゃうので正面から撮れてないのが悲しいですけど)
作ってもらったのは京都・唐紙「唐長」さん。
以前からファンで、京都に行くたびにポストカードを購入したり、スタッフさんにお手数をかけてもらって通販させていただいたりとなにかと私の心とDNAを揺さぶるものです。
唐紙は基本的には壁や襖などに使われる和紙と板木に色を乗せて刷ったもので、見た目のシンプルさとは裏腹に実は奥の深く眺めていて飽きないものです。
和紙の色と乗せ色で何万通りもの世界を作れる優れもの。
しかも、板木には見た目だけでなく、深い深い意味を持つ美しい文様が彫られています。
そこには古来の人の知恵と自然界への敬意、そして感性を感じます。
個人的にはパッと見の好みでしか文様を選んでないのですが、やっぱり意味を調べたり聞いたりすると納得するところが多いです。
★黒の額装
銀の額に黒地(地の紙は少し赤味の黒)
黒の「天平大雲」
銀の「丸龍」
★白の額装
金の額に白地(若干クリーム系))
金の「変わり流水」
銀の「龍亀」
赤の「龍亀」
「天平大雲」は四条にある唐長さんの入るCOCONビルのファザードにもなっているくらいで、私の中では「唐長」=「天平大雲」というくらいのイメージの強い文様です。
見るからにおおらかで、五穀豊穣を表すようですし、吉祥雲とも言われている文様です。
これはたぶんよほどのことがなければ外さないだろうという思いもあったんで入れました。
――とは言っても、当日アトリエに行く段階ではほぼノープランでしたけど。
「丸龍」はそもそも私自身の守護神とも言えるので、これもアトリエで目が合っちゃってから気になって仕方がなかったものです。
小さい「丸龍」はすでにkiraという額で2枚色違いで持っていたのですが、この大きい方も素晴らしくて入れることに。
ここで話は決まるかと思いきや、以前からなかなか気に入ったものがなくて手にしていない「変わり流水」も候補にしつつ、最後「龍亀」が出てきた瞬間に、ああ……ストーリーができちゃったよ…ってんで、2額となってしまった次第。
いろんな意味やストーリーはまあ、見た方のものであってほしいので、とくには語りませんが。
写真で見ると龍亀は赤が1匹しかいないように見えますが斜め右上に実は銀色でいるんですね。
角度や光の加減で見えるのですが、それはまた見た人が感じとってくれたらうれしい。
一応写真には写りこむように撮ってはあるのですが……見えるかな?
作ってくださったのは唐長唐紙師 トトアキヒコさんです。
打ち合わせの2時間も非常に楽しく濃密な時間でした。
両方70センチ四方の額なので相当な存在感があって、決して広くない我が家では最初のうちは家族がかなり視線を感じてたらしいですけど(笑)
もう自宅に来て2ヶ月近く経ちますが、ようやく馴染んだ感じですね。
まあ、アタシは自分で作ってきた張本人なので飾った瞬間から馴染んじゃいましたけど。
ドン――と、広くもないキッチンとリビングにあるこの2枚。
感じるものが多い作品です。
ぼんやり眺める時間は至福のとき。
トトさんとの打ち合わせの時に言っていただいた「人がモノを選ぶように、文様も人を選ぶ」という言葉が非常に印象深かったです。
創業1642年。
打ち合わせの時にせっかくだからと見せていただいた丸龍と龍亀の板木。
370年以上続く老舗唐紙の板木は積み重ねた年月と、職人さんの丁寧なお仕事と、それを愛したお客さんとの関係をそのまま映したように、神々しいまでに美しかったです。
今回我が家で使った板木は4種類。それぞれの意味は違うけれど、重ねることと、対で作ることで多くの意味を持ったような気がします。
この場をお借りして、トトアキヒコ氏に感謝いたします。
ありがとうございました。
「KIRA KARACHO」ホームページ
http://www.kirakaracho.jp/index.html