夏休みの映画・ドラマ祭り | 岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

フルート奏者 岩下智子が綴る気ままな日記です。

こんにちは、フルーティストの岩下智子です。

皆さまは、この猛暑だった夏をどのようにお過ごしでしたでしょうか?

夏休みの後半に私はゆっくりと自宅で海外映画とドラマ鑑賞をしました。ジャンルを問わず、様々な映画が好きなのですが、この夏は特に中国映画とドラマに特化して、集中して観ることにしました。映画11本(3本のアメリカ映画も含みます)とその他、中国ドラマを5本ご紹介します。


中国映画

●『楊貴妃』おすすめ!

今をときめく中国の俳優ファン・ビンビンが、絶世の美女「楊貴妃」を演じて、まるで絵画を見ているような美しさを堪能しました。


次に、中国を代表するチャン・イーモウ監督の作品を20年ぶりに観ることにしました。この監督の感性の高さ、美意識が凄すぎて、お見事!というしかない。特に四季の移ろいを、その色の変化とともに、花、風、木、雨、雪などの自然の変容を美しく描写し、脱帽である。


●『Hero

書と剣がテーマ。秦王の暗殺を企てる最強の刺客3人を倒した剣士「無名」と王とのかけ引きは息を呑む。そこに至るまでの物語を鮮やかな色彩で描き分ける手法が興味深い。ワイヤーアクションはイーモウ監督の十八番。主演はトニー・レオン(やっぱりカッコいい!)とアクションスターのジェット・リーなど。



●『Lovers 十面埋伏』おすすめ!

さすがチャン・イーモウ監督の作品は色彩豊かで、美しい映像とスピード感が持ち味です。あの頃の中国映画の最先端だったなぁと懐かしさを覚えました。衣装のワダ・エミは素晴らしい!今更ながら金城武とチャン・ツィイーが素敵すぎました。アンディ・ラウも熱演。

金城武さんは当時30歳くらいで、若々しく甘いマスク。その金城武も今年50歳になるようで、これからの脂の乗った活躍がさらに楽しみで、ぜひ新しい日中映画に主演してもらいたいですね。


SHADOW/ 影武者

チャン・イーモウ監督の2019年の作品《影武者》は、これまでのカラフルな映像とは違い、水墨画の如く、中国山水を白と黒、陰と陽で描き、中世の中国の争いを表現していた。雨(傘')が重要なポイントでもあった。主役は、ダン・チャオと「宮廷の諍い女」のズン・リーの実夫婦共演。中国琴の音が激しくも心を揺さぶる。


●『少年の君 』

優等生のいじめられ女子高生とチンピラ男子の熱い友情の物語。チョウ・ドンユイ主演。


●『ソウルメイト〜七月と安生 』

二人の女の子の入れ替わりの人生。チョウ・ドンユイ主演。


『また蝶が舞う日まで』

現代の映画で売れっ子のチョウ・ドンユイ、チャオ・イーリン、チェン・シャオが主演。2013年作。清の時代、康熙帝の後継ぎ問題を含む、宮女と皇太子の身分違いのロマンス。主演の3人は好感が持てましたが、脚本が大した内容でないシーンが長かったりして、安易な印象を持ちました。歴史ものなのだから、もう少し深いストーリーにしてほしかったです。チョウ・ドンユイは素直な感じでよいのですが、緩くて、いつも虐げられる役が多いですね。


『背徳と貴婦人』

再び、清の時代、乾隆帝の皇后ウラナラ氏とフランス人、画家の密かな?愛の話。主演のファン・ビンビンが妖艶で美しいのと、円明園の庭も緑鮮やかで素晴らしかった。内容はともかくとして、この映像の美しさはフランスとの共同制作所以か。2017年作。


それから、中国映画の合間にアメリカ映画の名作を3本観ました。これまで、怖くてずっと避けていた《ゴッドファーザーシリーズ》3本を一気に観ました。殺人など暴力シーンが多く、心臓バクバクさせながらも、やはり名作で、面白かったです。


●『ゴッドファーザー

マーロン・ブランドとアル・パチーノ主演

●『ゴッドファーザー Part 2

●『ゴッドファーザー 最終章

この3部作もコンプリートしました。


続いて、注目の中国ドラマも5本、一気に観ました。

『宮廷の諍い女』おすすめ!
スン・リー主演。
清の雍正帝と後宮(日本の大奥)の話で、王と寵妃である甄嬛妃の話。残虐な場面も多々ありましたが、隆盛を極めた清王朝時代の宮廷文化、習慣などが織り込まれ、楽しめました。清が誇る円明園など興味津々で観ました。また改めてリピートしたいドラマです。

●『麗姫と始皇帝 〜月下の誓い〜』おすすめ!
こちらは、かの暴君と言われた秦の始皇帝が中国戦国時代に6国(楚、趙、燕、斎、魏、韓)を統一するまでの話と王の寵愛を集めた麗姫の話で、かなり夢中になって一気に観ました。戦いのシーンはやはり怖かったです。麗姫役のディリラバは、まるでヨーロッパ人のような彫りの深い顔立ちで中国語を話しているのが、最初、とても不思議だったのですが、ウイグル人だとわかり、納得しました。秦の大王(のちの始皇帝)役のチャン・ビンビンには、回を重ねるごとにどんどん惹かれていったのは、その王としての運命、境遇に哀しみを感じたからです。その大王(始皇帝)の刺客となった荊軻の話と合わせてあり、見どころ満点です。でも毎回、残酷なシーンも多く、見終わると心臓バクバクになってしまいますので、皆さま、観るときはくれぐれもお気をつけて!

『時をかける愛』
主人公たちが過去と現在をタイムスリップして、愛を育むという、不思議なストーリーで、ついつい続編が見たくなる、よく作られたドラマで面白かったです。

 『盛唐幻夜 ~麗しき探偵と龍の皇子~
唐(武則天)の時代、高級官僚令嬢と謎の王族皇子、そして、勇敢な官吏とのロマンス。主演は、ジェン・イエチョン、ウー・チェン、チャン・ユージェン。歴史ものというより、痛快な妖怪が出てきたりとおもしろ楽しく観られました。『西遊記』もそうですが、妖怪が出てくるのは、中国の定番とも言えますね。最後に、中国はイケメン若手俳優の演技のうまさには驚きます。(2018年放送)

「北京女子図鑑」
現代ものも観ておこうということで、こちらもチェック。ストーリーは田舎出身の女の子が、北京に憧れて就職し、キャリアウーマンとして活躍していき、徐々に垢抜けてくるが、女性の幸せとは何か?と問うもの。

多くの中国映画とドラマを観て、中国歴史の深さを改めて考えさせられました。そして、これだけ中国語を浴びるように聴いたのですが、なかなか中国語を習得するのは難しい!(特にリスニング)というのが感想です。私は日本の戦国時代劇も好きですが、やはり中国映画でも、歴史ものが好きです。