私の2020年 フルート曲ベスト10 | 岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

フルート奏者 岩下智子が綴る気ままな日記です。

こんにちは!フルーティストの岩下智子です。
今年2020年もいよいよ今日で終わりですね。

今年もたくさんのフルート曲とともに一年を過ごしました。新年を迎えるカウントダウンとして、私が2020年に聴いたり、レッスンしたり、演奏したフルート曲ベスト10を発表します。大晦日のお目汚しにお付き合いいただけましたら、幸いです。

■10位 尾高尚忠/フルート協奏曲
オススメ音源は、初演した吉田雅夫先生の録音です。テンポの移り変わりなど、大変参考になり、楽しめます。

吉田雅夫(フルート)
外山雄三指揮, NHK交響楽団
(1961年11月30日録音)


■9位 デュティユー/ソナチネ
■8位 マルタン/バラード
■7位 プロコフィエフ/ソナタ
オススメ音源は、音の輝き、艶に群を抜くゴールウェイと大胆で表現力豊かなアルゲリッチの演奏です。

ジェームズ・ゴールウェイ(フルート)
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)



■6位 イベール/フルート協奏曲
■5位 モーツァルト/フルート協奏曲 G
■4位 カルク=エラート/ソナタ アパッショナータ

そして、いよいよベスト3は、

3位 ドビュッシー/シランクス
■2位 J.S.バッハ/パルティータ
この2曲は門下勉強会の課題曲で、オンラインで試演会をやったりしました。

そして堂々1位は

1位 ヴィドール/組曲

今年何度も演奏し、レッスンしたヴィドールはロマン派フルート曲の中でも特に重厚でスケールの大きな曲です。1898年に作曲され、P.タファネルに捧げられました。
第1楽章は、まるでシューマンの歌曲のような旋律とピアノが織りなす綾が美しく、第2楽章のスケルツォは軽快でありながら、ホ短調の物悲しさを表しています。特に中間と後半のピアノメロディは印象的です。第3楽章は、組曲にこの時代に流行った「ロマンス」を挿入し、変イ長調の柔らく温かな響きで歌が奏でられます。第4楽章は、フィナーレに相応しく、速いテンポで、技術も華々しく、かつ、ハ短調の重厚感をもち、盛り上げていきます。(曲目解説©️岩下智子)

オススメ音源は、永遠のレジェンド、パリ音楽院教授 A.マリオンの演奏で、マリオンが一番脂の乗っているときの録音です。私は幸運なことに、ニースの講習会でマリオンにレッスンを受けました。メッセージ付きのこのCDは宝物です。マリオン先生〜!ありがとうございます♪

アラン・マリオン(フルート)
パスカル・ロジェ(ピアノ)



今年も数多くのコンクール、試験、レッスンでたくさんのフルート曲を聴き、演奏し、レッスンしました。来年は、どんな曲に接することになるのかわかりませんが、今から楽しみです。

それでは、皆さま、よいお年をお迎えください!

2020年12月31日大晦日
岩下智子🌺