北京への訪問の思い出 | 岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

フルート奏者 岩下智子が綴る気ままな日記です。

こんにちは!

フルーティストの岩下智子です。

 

 私の住む練馬区は、中国北京市海淀区と友好都市を結んでいまして、友好20年記念の年に、私は練馬区親善訪問団の一員として、その北京市海淀区を訪れました。海淀区は、学術、研究機関が数多く集まっている北京の知能の中枢でもあり、また世界遺産がいくつもある観光地でもありました。

その時、北京の教育現場の視察として、幼稚園と中高一貫校、そして北京大学を訪問しました。それぞれの教育機関の関係者に各機関の特色を説明していただき、熱く歓待していただきました。幼児から相当に早期教育を実施し、また芸術に力を入れ、子供の感性を大事に育てている幼稚園、英語教育に力を入れ、卒業生のほとんどがアメリカへ留学するという中高校、そして、広大な敷地に建つ中国学問府の最高峰である北京大学まで、一通りの教育現場を視察して感じたことは、現在進行形で目覚ましい発展の階段を登っている中国の人々が、必死に子供たちの教育に力を注いでいるということでした。その後10年の今、中国の成長は目に見張るものがありました。彼らは過去を振り返らず、世界へ広がる明るい将来に向かって走り始め、そこには巨大なエネルギーが動めいているのが感じられました。

近代において、私たち日本人は、経済で中国をリードしてきましたが、すでに中国が門戸を開け、彼らが世界に勢いよく羽ばたこうとしているのを、この訪問を通して、はっきりと理解できました。私たちは隣国の発展を黙って見ているのではなく、相互に理解し協力し合って、アジアの仲間として一緒に前進していけたらどんなに素晴らしいことでしょう。この隣大国の人々は、日本人とは全く違う性質を持っていますが、私たち一人一人の力は微力であっても、今後仲良く、バランスの取れたお付き合いをしていかなくてはいけないなぁと痛感しました。コロナのあと、世界がどうなっていくかも、中国がカギを握っているかもしれませんね。

 

親善大使としての私の役目は、区民としての交流の他に音楽を通して中国と繋がることでしたので、海淀区の親睦会でジュナン作曲『ヴェニスの謝肉祭』をフルートで演奏し、そして北京大学では、ドップラー作曲『ハンガリー田園幻想曲』を演奏させていただきました。笛の音色が好きな中国の皆様にも大変喜んでいただけました。このようにヨーロッパとは全く違った中国文化を見られたことは、私にとってその後の物の考え方の幅が広がった気がします。