◆アジアフルート連盟コングレス in 上海 | 岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

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フルート奏者 岩下智子が綴る気ままな日記です。

昨年12月18日~21日に行われた≪第3回アジアフルート連盟コングレス in 上海≫のご報告です。


今回のコングレスには、中国、韓国、台湾、台湾、香港、シンガポール、そして日本から、総勢300名のフルート関係者が参加し、大盛況でした。会場は、上海音楽院です。

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朝から晩まで盛りだくさんのプログラムが企画され、コンサートはもちろん、レクチャー、ジュニアコンクール、そして、楽器の販売などがありました。

私もコンサートやコンクールの審査に携わり、アジアの皆様と音楽を通して、深く交流ができました。

コンサートの一部をご紹介しましょう。

こちらは、クーラウ作曲の12本のフルートのための「ルル・ファンタジー」です。

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それから、アジアの次の世代を育てるという趣旨のもと第一回ジュニアコンクールが開催されました。
まず、第一予選は参加各国で選抜され、上海では第二次予選から行われました。その第二次予選の参加者は、中国39名、韓国9名、台湾7名、日本5名、計60名(うち棄権2名)の13歳から18歳までのジュニアたちです。この二次予選で、参加者60名から本選に進む12名が選ばれましたが、韓国の参加者全員が響き豊かな音色で音楽的に演奏し、7名が残りました。その韓国の勢いに優るとも劣らない正統的なレベルの高い演奏をしたのが、台湾の参加者たちでしたが、本選には1名しか残れませんでした。日本の参加者5名は、健闘はしたものの僅か1名、永島千晴さんだけが第二次予選を通過でき、主催国、中国においては、様々なレベルの中、3名が通過し、合計12名が本選へ進みました。
中国の大半のジュニアたちは、まだまだテンポやリズムや音の間違いなどが多々あり、基本をスタートしたばかりの印象でした。しかし、自己表現力は感じられ、これからの成長の可能性が大きいジュニアも数多くいました。彼らの未来は、まさにこれから開かれていくことでしょう。最終結果は、12 名の参加者の中で一番輝いていた韓国の13 歳の男の子が一位を受賞し、続く二位も韓国の女の子でした。そして、三位に日本の永島さんが入賞しました。

全般的に見て、韓国の演奏レベルの高さが目立ったコンクールでしたが、中国、台湾の参加者の音の鳴りが小さかったのは、楽器のレベルも関係しているのかもしれません。今回参加のアジア・ジュニアの彼らが、これからよき音楽教育環境に恵まれ、素直に成長し、将来、世界に羽ばたいていくことを心から願ってやみません。

                     (これにて、おしまい)

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