塩沢 青木酒造と鈴木牧之記念館 | 酒サムライ・かずえの日本酒一合一会

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酒サムライ、にいがた観光特使、きき酒師・日本酒学講師。新潟の女性日本酒コミュニティー「にいがた美醸(ビジョウ)」を主宰しています。

またまたアップが遅れてしまっておりますが、先月も終わりに近付いた頃、塩沢駅から程近い「鶴齢」の青木酒造さんにお邪魔してまいりました。前回お邪魔したときは、造りの時期ではなかったため、今回は造りの時期で2度目の訪問ということになります。お世話になっている某社長よりお誘いいただき、総勢5人で「大人の遠足」といったところでしょうか。当日は、2月の新潟には珍しいくらいに、青空が気持ち良い快晴でした。JRを使っての移動は、新幹線からの風景がみるみるうちに雪景色になっていき、真っ白い雪と青空のコントラストが美しかったです。新幹線の中では席を向かい合わせ、ビールを飲みつつ腹ごしらえ。まさに「大人の遠足」です。


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さて、湯沢で在来線に乗り換え、塩沢駅で下車した私たちは徒歩で青木酒造さんへ。駅を背にすると正面には雪化粧した巻機山(まきはたやま)がそびえ立っていました。これまた、青空とのコントラストが見事です。頂上まで綺麗に見えることは滅多に無いそうで、本当にお天気に恵まれて良かったと思いました。


新潟在住・きき酒師の酒Life


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青木酒造さんにお邪魔すると、見学のお客様達で賑わい、楽しい雰囲気に溢れていました。見学の前に客間に通していただき、青木貴文社長のご挨拶&青木酒造の歴史に関するお話や、「鶴齢」の名付け親である鈴木牧之の書いた「越後雪譜」(えちごせっぷ)を見せていただきました(鈴木牧之については後ほどまた触れます)。


青木酒造さんの社是は「和合」だそうです。手でできる部分は手で、カネをかけずに手をかける-手づくりを基本とし徹底したコスト削減への取り組みを行い、一人でも多くの皆様に楽しく飲んでいただける酒造りに精進しているとのことでした。


蔵見学へは、白衣、帽子、白い長靴を着用し、給食当番のようないでたちで臨みます。水は巻機山(まきはたやま)の伏流水を使用しているとのことで、井戸がありました。軟水であるとのことですが、それはvolvicよりも軟らかいとのことです。米について、青木酒造さんでは「山田錦」「美山錦」「五百万石」「越淡麗」等を中心に使っているとのことで、精米は付近の酒造5社で共同の施設を持っており、そちらで行うとのこと。精米後は精米によって発生した熱を1ヶ月寝かせて冷ますそうです。山田錦は大吟醸、純米大吟醸に使用するとのこと。このあたりは他の酒造さんでも多いのでしょうか。精米歩合はそれぞれ37%と40%だそうです。高精白な米はわれ易いので、洗米などは手作業です。ちなみに、削り落とされた部分は煎餅やさんなどに渡るとのことでした。なるほど。


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※精米歩合・・・お米を削って残った部分の割合。その逆(削った部分の割合)が精白率。精米歩合37%であれば、精白率63%ということですね。

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さて、一通り施設見学をさせていただいた後、客間に戻り、お酒の試飲とキンピラや煮しめなどの郷土料理をおふるまって頂きました。お酒は朱塗りの片口の器でふるまって頂きましたが、酒器によってもまったく雰囲気が変わってきます。ってことは、味わいも変わってくるということでしょうが。私はまだ酒器は少ししか持っていませんが、塗りの片口は素敵でした。


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青木酒造さんを後にして旧三国街道の風情ある町並みを歩き、次に向かったのが「鈴木牧之記念館」です。牧之の次男の方は青木酒造さんに七代目当主として婿入りされているということです。さて、牧之が書いた「越後雪譜」(えちごせっぷ)について、雪国の暮らしの厳しさを述べ、緻密な挿絵でそれらが忠実に再現されていました。それと同時に、生活の工夫や雪を利用することなどにつ
いて、綴られていました。細かに読まなかったのですが、内容から牧之は郷土を愛していたのだろうということが感じられました。

楽しい遠足も終わりに向かっています。私たちは塩沢→浦佐に出て、湯沢から新幹線に乗って新潟へ帰りました。夜は鮟鱇鍋と日本酒(勿論鶴齢もあります)で乾杯。

一緒に行ってくださった皆さん、青木酒造の方々へお礼を申し上げます。



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青木酒造株式会社 http://www.kakurei.co.jp/index.shtml

鈴木牧之記念館 http://park11.wakwak.com/~imahaku/sub/bokushi/bokushi.html