六年前、ともに家族を無差別殺人でなくした同級生の小雪が香那の前に突然姿を見せた。
犯人・武内譲が拘置所で自殺したため、犯行動機等が不明なままの事件を
改めて調べようと誘ってきたのだ。

 

香那たちは事件を追うごとに世代を越えて女性嫌悪にとりつかれた男性達の存在に気づかされる。
武内譲が憎んでいたものはなんだったのか。それを知ったとき二人は……。


 

●感想レビュー

『女性嫌悪』と『自己否定』に支配された猟奇殺人鬼によって家族を惨殺させた主人公。

同級生であり、同じ犯人に家族を殺された女子大生と共に『事件に区切りをつけるために・・・』と関係者に話を聞きに行き、事件を独自に調べ上げる。

 

事件を調べるといっても犯人は現行犯逮捕されており、真犯人の究明ではない。

ただ、獄中で自殺をしてしまった犯人の口から何も語られる事がないので心にモヤモヤを抱えていた。

 

新たな犯人を捜す為ではなく、過去の自分、事件と向き合うための捜索。

しかし、事件を追ううちに新しい殺人事件、犯人の背後にいる狂った家族たちの姿。

 

犯人の祖父、父親、叔父など名前が似ている人が登場し、途中で混乱しますが『探偵によるトリック説明』のシーンがあるので『まとめ』のように読める部分がある。

ありがたい!

オリンピック出場をかけて、少年たちの熱く長い闘いがはじまる!

高さ10メートルから時速60キロで飛び込み、技の正確さと美しさを競うダイビング。赤字経営のクラブ存続の条件はなんとオリンピック出場だった。少年たちの長く熱い夏が始まる。


 

●感想レビュー

 

家出した超イケメンの由紀が出会ったのは、花火店の跡取り娘ぼたん。
勝気な彼女に惹かれていくが……。夏を彩る青春恋愛ストーリー。

花火屋の実家を飛び出し、放浪の旅の末、新潟・山古志村に移り住んだ女性アレルギーのヘタレ男子・由紀(よしき)。
ある日、花火店の跡取り娘ぼたんと出会う。
自信のない自分とは違う、勝気な彼女に段々と惹かれていき――。
花火師は目指すライバル同士の恋のゆくえは?
逆風に負けず、恋に仕事に全力投球!
爽やかな青春恋愛物語


 

●感想レビュー

女性アレルギーに悩むイケメン主人公が現実逃避した先で出会ったアレルギー反応が出ない少女。

主人公がヘタレすぎてあまり好感が持てない部分があるが、挫折を乗り越え、花火師をして成長する姿は読んでいて楽しい。

花火についても詳しく書かれている。

生き残り目的を果たすのは誰か――絶滅危惧種争奪戦!

がんの特効薬になる幻の植物「奇跡の百合」を見つけるため、大手製薬会社に所属するクリフォードは南米アマゾン奥地への探索チームを結成した。

 

植物研究者としてメンバーに加わった三浦は、ボディガート役の金採掘人ロドリゲス、植物ハンターのデニス、環境問題に取り組む大学生・ジュリアと共にアマゾンに分け入ってゆく。

 

一癖も二癖もある怪しい奴らと共に、緑の地獄ともいうべき過酷な自然と対峙する三浦。さらには正体不明の2人組の男から命を狙われることに――。手に汗握る密林サバイバル!


 

●感想レビュー

『癌に効く百合』ではなく、暗号技術を発展させるために未知の言語を使う現地人を拉致する。

これが当初の目的だったのは驚きでした。

 

アマゾンの描写がリアルで読み疲れないので没頭できます。

お気楽なラストではなく、主人公とヒロインがくっついたり、主人公が探す恋人が無事に生存していたり・・・

そんなラストでないのもリアリティがあって良かったです。

 

ブラジルの貧困事情、ゴム栽培の歴史、戦後の日本人ブラジル移住。

主人公の植物学者だけではなく、現地のゴム栽培を生業にする日系男性の視点も物語を盛り上げる。

●あらすじ

 

危険な度胸試しゲームに挑む若者たちの運命をスリリングに描いた青春スリラー。裏オンラインゲームに参戦することになった引っ込み思案な女子高生ビーは、視聴者の指令に従って見知らぬ青年に5秒間キスをして賞金100ドルを手に入れる。

 

そのキス相手で同じくゲーム挑戦者のイアンとコンビを組んだビーは、次々と指令をクリアして多額の賞金を獲得し、瞬く間に人気プレイヤーとして注目を集めるように。

 

そんな中、イアンが実はゲームのリピーターであることを知ったビーは、イアンへの不信感を募らせていく。そしてゲームの内容も次第に危険なものへと変わっていき……。


 

●感想レビュー

YouTubeのプレシディオチャンネル にて無料公開された本作。

『匿名から強制指示された内容をクリアできないと殺される系』のデスゲームかと思ったら、失敗しても『今までの賞金が全て没収』という映画としては軽いモノ。

 

裏サイトなので過激な内容を指示するが、『人を殺す系』はなく、『警察官から銃を盗む』や『電車の通る線路に隠れる』といった内容なので『密告者』には強いペナルティが・・・優勝するまで逃げられない。

 

ただ、思ったよりデスゲームとしては肩透かしもの。

一緒にゲームを協力した男性も最後には恋人同士になる、兄の行方がイマイチ不明確、毒親の中途半端感。

『パソコンに詳しい相棒、主人公を内心ではバカにしていた親友ポジションが実はサイト運営者の悪役だった』・・・というオチもない

 

科学が論理を押しつぶす近未来――現代社会に問う衝撃の問題作!

近未来、日本。そこでは人びとの意識を取り出し、移転させる技術が発達、大病や大けがをした人間の意識を、一時的に「代体」と呼ばれる「器」に移し、日常生活に支障をきたさないようにすることがビジネスとなっていた。

 

大手「代体」メーカー、タカサキメディカルに勤める八田は、最新鋭の「代体」を医療機関に売り込む営業マン。今日も病院を営業のためにまわっていた。

 

そんな中、自身が担当した患者(代体)が行方不明になり、山の中で無残な姿で発見される。残される大きな謎と「代体」。そこから警察、法務省、内務省、医療メーカー、研究者……そして患者や医師の利権や悪意が絡む、壮大な陰謀が動き出す。

 

意識はどこに宿るのか、肉体は本当に自分のものなのか、そもそも意識とは何なのか……


 

●感想レビュー

難病治療などで一時的に意識を機械に移し、苦しい闘病期間を回避できる近未来。

この発想が素晴らしい!

『ギフテッド』の超能力者といい、こういう設定をよく思いつくなぁ~

 

書かれている内容も専門知識が多く、全てを把握するのは難しかったです。

ただ、他人に意識を植え付けられる、意識を抜き取られた身体を売買する裏組織、元の意識もなくなった身体は倫理的にどう処理するできか?

 

そうした倫理的な部分が安楽死、脳死、臓器売買などに繋がる気がしました。

高校受験を控えた小笠原幸は、バトン部に所属している。

 

地元のテレビ局がコンクールの密着取材をすることになり、幸は退部を申し入れる。なぜ突然、退部を決めたのか……教師にも親友にも心の裡を見せない幸。それには、4年前の、ある出来事が関わっていた。過去の扉が開かれる青春ミステリー。


 

●感想レビュー

随所に登場する幼児誘拐事件・・・実は主人公も幼い頃に誘拐され、心に傷を負っていた。

再婚により出来た妹が事件に巻き込まれるのか?

・・・ラストでは誘拐される事を匂わせるシーンがありますが、道中はありません。

 

誘拐された先にいた子供を見捨て、自分だけ助かった負い目を感じていた主人公。

そんな相手と実は再会していた(復讐劇や友人の関係修復、部活のテレビ番組中止)などを協力してくれた男子がそう。

 

テンポがよく、読みやすいですが・・・オチの爽快感はイマイチでした~

まあ、図書館で読んだ本としては良かったかな?

人の心の中は見えないもの、
そして伝わらないもの
しっかりと伝えるためには
「言葉」にすることが大切!
「心」よりも「行動」が大切!
(元・麹町中学校校長、現・横浜創英中学・高等学校校長 工藤 勇一氏)

『となりの火星人』『あした、また学校で』『サイコーの通知表』と、小学生の生きづらい現実に寄り添った話題作を放った工藤純子氏の書きおろし最新作。

「よくあるよね。大人に無理やりあやまらされたり、握手させられたり。本人同士は納得していないのに」
「なんで、そんなことになるんだろう」
「まあ、問題を大きくしたくないとか、さっさと終わらせたいとか……大人の都合もあるよね」

オレたちの気持ちは、いつもどこかに置き去りにされたままだ。(本文より)

小6のクラスで起きた、ランドセルに金魚のエサが入れられるという事件。被害を受けた子も、エサを入れた子たちも、いじめが起きている空気を感じつつ声をあげられなかったクラスメートも、そして、加害者としていじめに荷担した過去を持つ担任の教師だって、いじめという「現実」からはけっして逃れられない――。痛烈なメッセージが込められた一冊です。


 

●感想レビュー

イジメ問題について書かれ、手軽に読みましたが心に響くものがありました。

単なる娯楽青春小説ではなく、イジメる子、イジメられる子、傍観する友人、クラスメイト、新任の担任教師・・・

 

それぞれの視点で物語が章になり、感情移入ができ、相手の背景に何があるのか?

それを知りながら読み進める事ができます。

 

イジメをすると加害者は成長し、忘れてしまう。

これは事実ですが罪悪感はあり、『自分は人として悪い事をしてしまった』、『傍観するだけで助けなかった』というドロドロとした黒い感情は心から消える事はなく、大人になっても付きまとい、過去を完全に消す事はできない。

 

主人公達を担任する教師も子供時代にイジメに加担し、罪の意識を記憶の奥底に感じ、今回の事件をきっかけに教師として大きく成長したのが印象深かったです。

 

ふざけてただけ・・・イジメの言い訳によく使われますが、相手からすると強い恐怖や恨み、悲しみが潜んでいる。

無事に登場人物たちが和解し、お互いの罪に向き合い、ハッピーエンドに向かっていたと思ったら肝試しでの教師による過剰な演出。

 

教師も悪気があったワケではなく、祭気分で怖がった子供に真摯に向き合う人は少なく、『ノリが悪い』や『これくらいいいじゃん』と周りだけでなく、読者も流されてしまいガチ。

 

主人公達は教師を糾弾し、担任教師も味方し、校長による注意勧告。

相手の事を考える事が大事・・・そう読んでいて分かっていたはずなのに・・・最後の最後で読者が本当に分かっているのか?

 

最終試験のようなエピソードがあったのが面白かったです♪