科学が論理を押しつぶす近未来――現代社会に問う衝撃の問題作!

近未来、日本。そこでは人びとの意識を取り出し、移転させる技術が発達、大病や大けがをした人間の意識を、一時的に「代体」と呼ばれる「器」に移し、日常生活に支障をきたさないようにすることがビジネスとなっていた。

 

大手「代体」メーカー、タカサキメディカルに勤める八田は、最新鋭の「代体」を医療機関に売り込む営業マン。今日も病院を営業のためにまわっていた。

 

そんな中、自身が担当した患者(代体)が行方不明になり、山の中で無残な姿で発見される。残される大きな謎と「代体」。そこから警察、法務省、内務省、医療メーカー、研究者……そして患者や医師の利権や悪意が絡む、壮大な陰謀が動き出す。

 

意識はどこに宿るのか、肉体は本当に自分のものなのか、そもそも意識とは何なのか……


 

●感想レビュー

難病治療などで一時的に意識を機械に移し、苦しい闘病期間を回避できる近未来。

この発想が素晴らしい!

『ギフテッド』の超能力者といい、こういう設定をよく思いつくなぁ~

 

書かれている内容も専門知識が多く、全てを把握するのは難しかったです。

ただ、他人に意識を植え付けられる、意識を抜き取られた身体を売買する裏組織、元の意識もなくなった身体は倫理的にどう処理するできか?

 

そうした倫理的な部分が安楽死、脳死、臓器売買などに繋がる気がしました。