ずいぶん引っ張ってしまいましたが、歯根端切除術を受けて、実際どうだったかを振り返りたいと思います。
1:麻酔
先生に、「とにかく使用できる上限まで打ってください」とお願いしましたが、恐らく3本分くらい使ってくれたと思われます。まずは表面麻酔から。その後注射器で麻酔を入れていきますが、まぁ我慢できる範囲だと思います。歯と歯茎の際や、上唇付近、歯の裏側、とにかく広範囲に打っていました。嚢胞がある部分だけけっこう痛かったです。うぅ・・・・と思わずうなってしまう痛みでした。それ以外はチクチクする程度です。15分くらい、しっかり効果が出るまで待ちました。
2:歯茎切開
麻酔が効くのを待つ間に、切開線を決める相談が行われました。(詳しくは歯医者通いの記録⑨をご覧ください)その後、多分、ですが、切開線の印を歯茎にかかれたような気がします。麻酔を十分に効かせて、切開線のマーキングが終わると、オペスタートとなります。私は歯茎の切開を1番恐れていましたが、痛みはまったくなかったですでも切られている感覚はわかりました。縦切開から入り、歯2本半分くらい際をなぞるように切開したと思います。その後歯茎をめくっていくのですが、歯の際をめくりあげるときに歯をガリガリされた感触が気持ち悪かったです
1週間たったいまでもあの感触は覚えていて、このオペで2番目にいや~な思いをしました。しつこいようですが、痛みは全くありません
切開からめくるまで、体感で10分もかからないくらいだったと思います。
3:骨にトンネルをあける
私の場合はすでに骨が溶けて穴があいていたため、視野確保のためにその穴を広げます、とオペ前に言われましたが、これはまったく分かりませんでした。よくドリルで穴を、とか、焦げ臭いにおいが、とか見かけますが、ドリルを使われた気配もなければ、焦げ臭いにおいもまったくしなかったです。もしかしたら先生が思っていた以上に骨が溶けていて十分に患部が見えたのかもしれませんが、なにも言われなかったのでこの作業をされたかどうかもわからないです。
4:嚢胞を掻き出す
個人的に、このオペで1番恐怖だったところです。歯根部分にこびりついた嚢胞のかたまりを取る作業だと思うのですが、なんの器具を使ってるかは分からないものの、イメージでは工具のノミみたいなものなんじゃないかな?それでひたすらガリガリと削りとるんですが、1年くらい鎮座していた嚢胞だからしつこいのか、先生も取るのに苦労されたようで、すごい力がかかるんです。歯が折れるんじゃないか、ほお骨とかもヒビが入るのではないかと思うくらい、とにかく圧がすごい。M先生1人では無理だったのか、途中で助教授の先生に交代していたと思います。そしてなんとなく鈍い痛みが私をさらにビビらせます。麻酔の効きが足りなくて痛いのか、圧がかかって痛いのか分かりませんが、とりあえず左手をあげ、痛い意思表示をし、少し麻酔を追加されました。オペの中で1番時間がかかった作業だと思います。30分?40分?体感ですが、けっこうな時間を費やしたように思います。怖くて怖くて私は汗びっしょり先生から、「お、きれいに取れたね~」と言われた時には心底ほっとしました
5:歯根端切除
私の場合は、3mmくらい切除したようです。これも何をされているか全くわかりませんでした。いつの間に??という感じです。振動とかも含めて何も感じませんでした。M先生と助教授の先生が、どれくらいカットするか話していた記憶はあります。そして、マイクロスコープが登場したのも覚えています。(むしろやっと登場したか、みたいな感じもしかしたら、もっと前から登場していたかも?)助教授の先生が、「ここからはマイクロスコープをしっかり使うこと」と学生さんに話していて、M先生がピントがうまく合わない、なんかぼやける、と言って、助教授の先生にバトンタッチしたのも覚えています。助教授の先生が、肉眼や拡大鏡でやれる箇所と、マイクロスコープをうまく使ってやる箇所のポイントを学生さんに説明していた気がしますが、ちょっと定かではありません。
6:逆根管充填
助教授の先生の、「逆根充セット持ってきてー」という指示を聞いて、おお、いよいよか、と思いました。セットがあるらしいです。
このオペの成功を大きく左右するとても重要な部分ですね。中にはやらないところもあるそうですが、私は紹介元の歯医者さんと衛生士さんから、逆根管充填はマストですと言われて紹介を受けたので、逆根管充填はやってもらえるのならばやってもらったほうがいい工程なのだと信じています。ここもマイクロスコープを使っていたと思います。歯根の端っこを3mmくらいカットしたあと、根っこの先からお薬を詰めるために、内側にむかってくぼみを作ります。この作業はほとんど痛くなかったですが、何回か「いてっ」と感じる時がありました。でも麻酔追加はされませんでした。我慢はできるレベルです。けっこう時間かかっていたと思います。M先生が「出血がある」「あそこ、出血ない?よく見てみて」と何回か言っていました。助教授の先生が、学生さんに「ボスミンガーゼ持ってきて」と指示を出していました。ボスミンガーゼってなんだろう?とか、完全に止血されていないとダメなのかな、とか考えていました。くぼみができたら、MTAセメントというものを入れていきます。ここも時間かかっていました。M先生がきれいにやりたいから、と丁寧に慎重にやってくださっていました。助教授の先生から、「OK、いいね、きれいきれい」という発言が聞こえたときに、あとは縫うだけか・・・と、ほっとして、どっと疲れが
7:縫合
M先生と助教授の先生が「あとは縫って終わりですよ」と声をかけてくれました。このときに麻酔がそろそろきれるかな?ということで、2ヶ所くらい追加されました。この縫合もまぁまぁ時間かかりました。でも追加麻酔の効果もあり、全く痛みはありません。縫われているという感覚すら分からなかったです。まず、歯2本半分の際のところから縫っていたと思います。それから縦切開の部分を縫合だったと思います。何針だろう・・・分からないですが、けっこう縫うんだなと思った記憶があります。きっちり縫いすぎると腫れやすい?らしく、すこし圧抜きのスペースを残す、みたいな会話が聞こえましたが、どの部分のことなのかよくわかりませんでした。顔にかけられた布の隙間から糸が見えますが、髪の毛より細い黒い糸でした。私は裁縫が本当に苦手で、雑巾すらまともに縫えないから、あんなに細い糸で、しかもよく見えにくい歯茎を縫合できるなんて、歯科医の方はすごいなぁと、尊敬の気持ちで横たわっておりました。
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