大きく息を吐き、幹にもたれ掛かる。あー、ドキドキした。しがみついたままの子供の頭をぐしぐし撫でて、身体の震えが納まるまで軽くポンポンと肩を叩いてやる。ホントはアタシが手を貸す筋合いはないような気がしないではなかったけど……ま、行き掛かり上は、ねぇ。
外人達の姿が完全に見えなくなってから、木から降りようとしてはたと気付く。
アタシはガキの頃から男顔負けにサルヤマの大将で、それこそ木でも岩でもドンと来い!だったから気がつかなかったけど……この子はもしかして、木登りなんてしたことなかったりするんじゃなかろうか。
大体登る時もアタシが引きずり上げたような……いや、押し上げたし。体格からして運動とは縁が無さそうに弱々しいというか……。ハッキリいって軟弱な感じ。
―――おんぶでもしなきゃ無理かなぁ。アレ、キツいんだけど。
昔従兄弟を背負って降りた時の事を思い返して、げっそりする。少なくとも自力、という選択肢は無さそうだ。
「しょーがねーかねぇ」
溜め息ついて、未だウエスト辺りにしがみついたままの子供の体を引き剥がし……やたら抵抗されたけど。とにかく背中にしがみつかせなおして、細っこい腕をアタシの首に回させた。
「離すなよー、危ないからねー」
通じないとは思うけど一応言って、ゆっくり降りていく。
当然首にまわされた腕が喉に食い込み、メチャメチャ苦しいけど。隆之担いで降りたときよりは軽くて、それだけは助かったと思う。担いでるこっちもあの頃より育ってるし、相手が軽いのもいい。
建物三階分くらいをなんとか降り切った頃には、それでも息があがってたし、手やら足やらむき出しのトコロには擦り傷が沢山できてたけど、取り敢えず落ちなかったのでOK、ってことで。