こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を 原裕輝 と隔週で担当しています。
日本人はコミュニケーションがヘタな民族だといわれます。
異なる文化や風習が共存する多民族国家の人々は、たがいに理解しあうために言葉できちんとコミュニケーションすることを大事にします。
一方、われわれ日本人は言葉でははっきりと言わないコミュニケーションが得意です。
「そんなこと、私に言わせないでよ」
「愛しているなら、言わなくてもわかるわよね」
こんなパターンに心あたりがある人は多いのではないでしょうか。
そして、きょう、ご紹介するのはある男性からのご相談です。
ご相談とは、奥さまの子育てに関することでした。奥さまは子どもが大好きで、一人目の男の子が生まれたときは過保護といってもいいぐらい大切にその子を育てていたそうです。
その後、2人目の女の子が生まれたのですが、そのころから奥さまはイライラとしていることが多く、子どもを言葉でなじったり、叩いたりすることもあるというのです。
ご主人には、あの子煩悩でやさしい奥さまになにがあったのかが理解できません。
それで、「子どもに対して、いくらなんでもそれはやりすぎではないか?」などと言ってみたりしたのですが、裏目に出て何日も口を聞いてもらえなくなったりしたとのこと。
その次には、ご主人が自分が目を通してみてよいと思った子育ての本や、心理学ブログ、子育てブログなどを見つけては奥さまの机の上にそっと置いたしたそうです。
「しかし、私の気持ちは妻には通じず、夫婦仲はどんどん険悪になっているのです」というのがこのときのご相談だったのです。
私はこうたずねてみました。
「あなたは今回のこの問題を、奥さまとお子さまに関する問題と思っていらっしゃいますか?」
「そうですね。妻と、彼女の子育てに関する問題だと思っています」
そう答える彼に、私はこう言いました。
「これはじつはあなたと奥さまの問題であって、子育てのことではないと思いますよ」
ご主人には、私の言っていることがまったく理解できないご様子です。
「つまり、こういうことです。“私が子育てでこんなにたいへんな思いをしているのに、なぜ、あなたは手伝おうとしないのか”と奥さまは思っていらっしゃると思いますね。
その奥さまに対し、あなたは手伝うどころか、子育ても家事も自分のことではないという立場で、奥さまに意見をしたり、本やブログで勉強するようにと言っているようなものですから、奥さまはブチ切れておられるわけですよね」
「いや、だって‥‥、でも‥‥」
口ごもる彼に私はこう言いました。
「理解できませんか。では、よろしければ、私どもの子育てをしているカウンセラーか、あなたの会社で子育てをしていらっしゃる女性社員の方に“カウンセラーからこんなことを言われたんだけれど”と言って、話を聞いてみてください」
彼は会社でそれを実践し、そして、女性陣からそれはもうボロクソに責められたのだとか。
「奥さんがそんなにたいへんなのに、横でゲームしたり、テレビ観たりしたりしてないでしょうね‥‥?!」
「子育ては奥さんの仕事だと思って、なにも手伝ってないんじゃないの?」
「百歩譲って、子育ては奥さまに任せるとして、あなたは洗濯物を取り入れてたたむとか、食器を洗うとか、そういうことはしてるんでしょうね‥‥?!」
ちなみに、ご主人は、「うちの奥さんは家事全般が好きで、子育ても大好き」だと認識していたため、「好きなことをさせてあげよう。彼女の好きなことを僕が取り上げるのはいかがなものか」と思っていらっしゃったのでした。
奥さまも奥さまで、結婚当初、「家事は好きだから、家庭のことは私がするわね」と言っていたので、たいへんになってきたときにご主人に頼みづらかったようなのでですね。
そのたいへんさが限界を超え、パニックになっていたらしいのであります。
その後、ご主人が全面的に家事や子育てをサポートするようになって、このご夫婦の仲は改善されましたが、まさに核心の部分のコミュニケーションができていなかったために起こった問題だといえそうです。
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