「愛せない」という苦しみ

毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーとの関係をより良いものにするため、「男性心理」「女性心理」を紐解きながら、さまざまなご提案を、池尾昌紀・池尾千里、夫婦でさせていただいています。

今週は、私・池尾千里が書かせていただきます。

お読みいただけたらと思います。

私たちが抱えて苦しい問題のほとんどは、「誰かとの関係」といわれています。

誰か、人が関係し、その人とうまくいかないことがある時、私たちは、とても辛いんですね。

それは、相手が、たとえ一人であってもです。

職場にひとりいる苦手な人。

グループにいるたったひとりの人。

ご近所のあの人。

パートナー。

そこに意識が集中して、人生全体のモチベーションが下がってしまったり、そのために、うまくいかないことが、芋ずる式に増えてしまうこともあります。

こうなってくると、八方塞がりのようになり、カウンセリングに駆け込んでいらっしゃる方も少なくありません。

今日は、そんな誰かとの関係について、そして、問題が起こってしまった時、その問題の下にあるものについて、書いてみたいと思います。お付き合いいただけたらと思います。

私たちが感じる、誰かとうまくいかない時の感覚というのは、いつだって、どうでもいい人に対しては、あまり出てこないものです。

私たちが、本当は大切にしたい人だったり、好きな人や仲良くしたい人、ほんとは、私のことを好きになって欲しい人ということもあるかもしれません。だからこそ、うまくいかないことが苦しいんですよね。

本当にどうでもいい人に対しては、私たちはもっと、「無関心」になるはずです。

うまくいかなくて苦しんでいる相手は、どうやら「どうでもいい人」ではないどころか、私たちにとって、「大切な人」であるようです。

■ 大切な人だから感じる

しかし、こうなるには、理由がいろいろあるものです。

パートナーシップで言えば、夫と大切にしたいし、いい関係でいたいのに、家のことしてくれないし、私を大切にしてくれている感じもしない。

いつもは、ビシッとスーツで会社へ行くけど、休日は、よれよれのジャージで、お腹が出た冴えないおじさんが、テレビの前で、スマホゲームしながら、こどもに「うるさいから静かにしろ」って小言を言ってる。時計をチラッと見て、「ご飯まだ？」って言ってる・・・全然、いい夫でも、パパでもないし、かっこ良くもない。

んもー居なくていい、とか思っちゃう。

夫を見るたびに、なんだか腹が立ちますし、もやもやして、気分良くありませんよね。

ここに、夫の浮気疑惑とかが、拍車をかけると、気分が悪いというレベルではなく、怒りが出て、傷ついて、心から悲しくなったり、夫への信頼が損なわれて、大きな不安と疑いの中に飲み込まれて、本当に辛い思いをします。

一番近くにいる、一番信頼し、安心できる大切な人だったはずのパートナーとの関係に、起こったことだったからです。

■ 「愛せない」という苦しみ

夫が、家事をしてくれない、子育てに協力的でない、浮気した・・などのいろいろな理由があるわけです。

夫のことを大切にするのが難しくなることが、あれこれあったことで、関係が壊れそうだったり、壊れてしまったりするんです。

でも、心理的に、もうひとつ下の層を見て行ってみると、思わぬものが見えきます。

それは、愛せない苦しみであり、

愛し合えないという苦しみです。

私たちが、誰かとの関係がうまくいかなくなった時に感じている、本当の苦しみはここにあったようです。

え？

愛せない苦しみ？？？

って思われるかもしれませんね。

愛し合う？？？

家事もしないで、ゴロゴロしている夫にうんざりしてるんです。

お腹も出て、かっこ良くもないんです。

もっといえば、夫婦の営みもレス気味でもあるんです。

そして何より、浮気されて、怒ってるんです。

離婚という文字も、ちらつくんですよ！

なのに、そんな夫に対して、私は、愛そうとしているなんて？

また、そんな夫に愛されたいと思っているなんて？

そんなふうに言われると、打ち消したくなるような感覚になったり、ひどく抵抗感が上がってくることもあるかもしれませんね。

■ まっすぐ愛する無邪気さ

私たちは、誰かとの関係、それは、道ですれ違う知らない人であっても、「悪い関係でいよう！」とは思わないですよね。別に、親しくなる必要はないけれど、「穏やかで良好な関係でありたい」と思っています。

知らない他人に対しても、そう思うのですから、親しい、近くにいる大切な人に対しては、その何倍も、その気持ちは強いはずです。

でも、そうありたいけれど、そうできなかった経験が、私たちにはあるものです。

誰かとぶつかったり、関係が壊れてしまった経験は、１度や２度あるものです。

すると、つらい体験は繰り返したくありませんから、人との距離をわざと離してみたり、こちらから悪い態度になったり、自分を隠してみたり、相手を疑ってみたり・・いろんなことをしてしまいます。

すべては、誰かと愛しあえなかった体験が、あまりにも辛かったからに他なりません。

では、つらい体験をする前はどうだったでしょう。

うんと小さい子どもの頃かもしれませんね。

きっともっと、心を開いて、お友だちと遊んだり、パパやママとも、無邪気に関わっていたことでしょう。

取り繕うことなど、する必要がなかったはずです。

愛し合えることに疑いも不安もない、当たり前のことになっていたからです。

だから、子どもは、あんなにまっすぐなんですね。

■ 愛したいけど愛せない苦しみ

私たちの中に、もともとあった「愛し合う」という感覚は、大人になった今、どこに行ってしまったんでしょう。

無くなってしまったように感じますか？

いいえ、どこにも行っていないようですよ。

なぜなら、今、誰かとの関係に心を痛めている、つらい思いをされていることが、その証拠です。

誰かのことを、たとえ大切な人であっても、「良好な関係が築けない」と思っているということは、その人と「良好な関係を築きたい」と思っていなければ、起こらないものです。

愛したい　→　愛せない

ここに大きな苦しみがあるのです。

ですから、愛せない、愛せていないと感じる時はいつも、私たちの中の「愛したい」をみつけて、焦点をそちらに合わせることで、誰かとの関係に光がさします。

誰かを大切にして、愛している時、私たちはとても気分が良く、元気で、自分のことを良いものと感じることができます。どんどん愛する力が湧いてきます。

でも反対に、誰かに腹を立てていたり、嫌ったり、大切にできず、愛せていないと感じる時、私たちは、ひどく自分を責め、自分なんてろくなものではないと、叩きのめしてしまうのです。

■ いつも立ち戻る場所

誰かとの関係に問題がある時、ひどい気分になるのは、このせいなのです。

思い出しましょう。

そんな時こそ、私たちは、愛したいのだったと。

そして、愛し合えると、本当は心の深いところで、信じているらしいと。

人の心は、とても不思議です。

頭で考えているよりももっと、深く大きなものであり、そこには、びっくりするような良心や、誠意が存在していて、

誰かのことをいつだって、愛そうとしているようです。

ちょっと、信じがたいですけれど。

でも、その証拠は、先述したとおりです。

光と希望は、ここにあります。

苦しくつらい時ほど、立ち戻る場所はここです。

お読みいただきありがとうございました。

お役に立てれば嬉しいです。

池尾千里

次週、１０月２８日（月）は、池尾昌紀が担当します。

どうぞお楽しみになさってくださいね。

カウンセリングサービスのビッグイベント「感謝祭」のご案内です。お近くの方は、是非、遊びにお出かけくださいね。

東京感謝祭　令和元年スペシャル

講演・カウンセリング体験や、豪華商品と、貰っても困るかもしれない商品（笑）が当たるクイズ大会他、イベント盛りだくさん♪

＞＞＞詳細はこちら
＞＞＞参加カウンセラーが感謝祭の魅力を語ります⇒ こちら
※出入り自由のフリーパス。打ち上げ参加費別途。

日時：2019/11/3（日祝） 10:00～19:20（開場/受付9：30～）
会場：田町・グランパークカンファレンス
＞＞＞会場への写真付き道案内はこちら
料金：5,500円（当日お支払い・現金のみ）
早期入金割引価格4,950円（10/25（金）決済完了分まで）
＞＞＞早期入金割引の詳細はこちら

大人気の東京感謝祭です。