夫の不条理な怒りにケンカしてる時、なぜ、仲直りしようと思えるの？

毎週月曜日の「恋愛テクニック」は「カップル・カウンセリング」と題して、パートナーシップの問題の修復やもっと幸せな二人になるための提案をしていきます。

担当は「池尾昌紀」「池尾千里」の夫婦カウンセラー。夫婦で毎週交代で発信していきます。

「月曜日：カップル・カウンセリング」のコーナーを、どうぞお楽しみに！

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例えば、こんなご相談。

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年末に夫とケンカした。

きっかけは些細な話。

大晦日、たまたまでた話題。
今年は、ある知人に年賀状を出さなかった話をしたら、キレ出した。

俺にとっては大事な人なのに、なぜ、出さなかったんだ！と怒り出す始末。

ちゃんと今年の年賀状リストを渡しておいたのに、見もしなかったくせに。何を今更。

相変わらず、夫は自分勝手。

しまいには、もう離婚だ！と言いだす始末。

また、このセリフだ。本当にうんざり。

私だって黙っていられない。

私は離婚したくないから。なんで大晦日にケンカして新年迎えなきゃいけないの？

仲直りして年越ししたいのよ！

そう言ってやったら、どういう訳か、仲直りする話になって、ケンカが収まった。

年始に友達にこの話をしたら、驚かれた。

夫のわがままぶりに共感してくれたと思ったら、そうじゃなかった。

「どうして、そこで仲直りする気になれるのよ。」と言われた。

そう言えば、なぜ、仲直りする気持ちになれたんだろう？

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カウンセリングにこられた女性がこんな話をしてくれました。

このご夫婦は、何度か二人でカップルカウンセリングに来られていました。
＞＞＞「カップル・カウンセリグ」って何？

カップルカウンセリングで、私たち夫婦（池尾昌紀・池尾千里）がしたこと。

それは、二人の通訳です。
実際の言動の後ろに隠れている「本当の気持ち」を伝えただけなのです。

妻は夫のわがままぶりに、世間知らず、と怒る

夫は妻に、そんなうるさい奴とは、もう離婚だ！と怒る。

そんな二人に、全てのセリフは、こんな私・俺でごめんね、と自己攻撃してるんですよ、と伝えました。

そんな説明をされても、納得いきませんよね。

だって、夫が「離婚する！」と怒ってるのは事実なんだから。
夫は妻に愛情がなくなったから離婚すると言っているのだと思うのは、当たり前のこと。

しかし、もし夫のこうした発言の後ろには隠れた気持ちがあるとしたら？と考えていきます。

本当は妻のことを大切に思っている。
にもかかららず、離婚だ！なんて怒っている時ってどんな時なのでしょう。

「攻撃は最大の防御なり」という言葉があります。

もし、夫の気持ちが「あんたみたいな、わがままな夫には愛想が尽きた！」と言われるのが怖い、としたらどうでしょう。
つまり、妻から離婚されるのが怖い、のだとしたら。

男性は自分の感情を感じるのが苦手な傾向があります。

また、弱いところを見せてはいけない、という男性特有の「男の意地やプライド」があります。

そうすると、こうした気持ちを隠さなければなりません。
隠すのに一番適している感情が「怒り」なんですね。

そして、「愛想が尽きたと言われるのが怖い」という心理の元は、「俺はダメなやつ」という無価値感であることが多いのです。

すると、こんなダメな俺を隠さないといけない、と無意識に怒りを使ってしまうことも多い。

さらに、さらに、こうした時の心理というのは「離婚だ！」と言うことで「離婚したくない」と言ってもらいたい、という場合も多いのです。

わざと否定的な言葉（この場合だと「離婚するぞ」）を言って、相手にそれを否定してもらいたい（この場合だと「離婚したくない」）と言って欲しいという、大変面倒くさい心理のことを「否定的肯定法」と言いますが、この心理が隠れているんですね。

要するに「こんな俺でもいいのかい？」と言えない代わりに「離婚だ！」と言って、「離婚したくない」と言ってもらえることで「こんな俺を認めてくれた、愛してくれた」と納得しようとしてるんです。

そんな話を私（池尾昌紀）がしたら、奥様が「なんて面倒くさい男なの！」とあきれ顔。
そりゃそうですよね。

ご主人はとてもバツが悪そうに横を向いて座っています。

「でも、奥さんも同じことをしてるって思いませんか？」と池尾千里が奥様に投げかけると、彼女も黙ってしまいました。

結局、二人は怒りや相手を罵ったりすることで、「こんな私（俺）でも愛してくれるの？」と相手の愛情を確かめようとしていたんですね。
もちろん、無意識の話です。