失敗の原因は、オーブンを変えたため。
でも新しいオーブンでは、15分で様子を見てみると、前のオーブンとは違って中まで火が通っていた割りに、全然焼き色がつかなかったんです。
焼き色はつかなくても美味しければ良いとは思ったのですが、上面に焼き色がついたあの感じがやっぱり好き。
と言うことで、新しいオーブンでも上面には焼き色がついて火の通し具合も好みになるよう、温度や焼き時間を調整しました。
今回は以前載せたものにその情報も加えて、再編集してアップします。
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カステラのルーツと言われているポルトガルの伝統菓子、パン・デ・ロー。
卵や砂糖が裕福な貴族などしか口にできない贅沢品だった時代に修道院で焼かれていた、クリスマスやイースターに欠かせないお菓子です。
日本では一時期 “半熟カステラ” と言う名前でブームにもなりましたね。
スフレのように、触るとふわっしゅわっと音がして、中はカスタード風味のとろっと柔らかい食感。
卵黄がたくさん入っているので、断面は元気が出る鮮やかな黄色。
同じパン・デ・ローでも地方によって配合や形は様々で、焼き加減も生っぽいものからしっかりと焼いたものまで色々ですが、今回はポルトガル中部・オヴァール地方の半熟で食べるレシピです。
小麦粉はつなぎ程度にしか入っていないため、卵の重みを支えきれずにオーブンから出すと中央がしぼむものの、そこが美味しさの理由です。
この小麦粉の量だと粉自体へ火は通りやすくとろみがあっても問題はないとされているのですが、生焼けが心配な場合や好みに合わせて、もちろんしっかり火を通しても構いません。
スポンジのようにクリームとフルーツを添えて盛り付けられることもあり、それには火が通っているほうが向いているようです。
そして結構甘さは感じるのですが、粉が少ないため砂糖を減らしすぎると生地を支えられず余計につぶれやすくなるので、減らさないほうが無難かと思われます。
~作り方~
15cm丸型
全卵 55~60g (M~L1個分)
卵黄 60g (S5・M4・L3個分)
グラニュー糖 60g
強力粉 10g
薄力粉 10g
洋酒・ワイン 好みで5~10cc
①型にオーブンシートか敷き紙を敷き、小麦粉を合わせてふるう準備をし、上面に焼き色がつきやすいオーブンなら180度、つきにくいオーブンでは200度に予熱し始める
→共底の型を使う場合、専用の敷き紙を敷くのではなく、型より大き目に切った正方形のオーブンシートを敷きこむと焼いたあとに簡単に取り出しやすい
②全卵・卵黄・砂糖をボウルに入れて湯煎にかけながらハンドミキサーの低速でほぐしまぜ、生地が35度程度に温まったら強でしっかりと泡立て、生地を持ち上げた時にリボン状に表面に残るようになれば低速で約1分混ぜてキメを整える
→洋酒を加える場合は、卵を泡立て終わったあとで混ぜ込む
③粉をふるいながら加えたら、低速で混ぜ、粉気がなくなれば型に流し入れ、型の底を軽く台に打ち付けて大きな気泡を抜く
④180度に予熱したオーブンでは15分、200度に予熱したオーブンでは10分ほどに設定して焼き、予熱で火が通りすぎないようにすぐにオーブンから取り出す
→焼け具合については、《焼き時間・温度について》参照
⑤型からはすぐに出さず、中央がしぼみ、粗熱が取れた5~10分後に取り出す
~卵について~
パンデローは卵が味を左右するお菓子。
必ず新鮮なものを使い、半熟なのでできれば当日か、冷蔵保存で遅くとも翌日までには食べきります。
分量はよく“卵○個、卵黄○個”との記載を見かけますが、卵のサイズと作る大きさによって重さがかなりばらつくため、私はグラム数で表示しています。
()内は使う卵のサイズ別個数の目安です。
毎回同じ仕上がりを目指して、作る際の感覚を覚えるために計算した重さですが、絶対にその重さでなければいけないと言うものではなくあくまで目安。
多少重量は前後しても使う卵のサイズに合わせた個数であれば問題ありません。
卵黄の重さは、S=12~13g、M=15~17g、L=20gで計算しています。
~焼き時間・温度について~
例として以前のオーブンでは180度で15分では中央がとろとろ、16分ではやや火が通りかけ、17分では火が通っているなど、最後の数分は数十秒毎に火がどんどん通っていました。
しかし今のオーブンでは180度ではしっかり火が通っていた割りに、焼き色が全然つきませんでした。
今は200度で10分焼くことで、以前のオーブンの180度で15分焼いたあたりと火の通り具合と焼き色を出しています。
このレシピに限らずどのお菓子を作る時でも、表示してあるレシピの温度や時間にとらわれすぎず、あくまでも自分の好みとオーブンに合わせてベストな焼き時間・温度を探してください。