「ヤクザが斡旋する作業員たち」-L'EXPRESS など2本 | 福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳

福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳

双方とも原発大国でありながら、福島の原発事故に対して日本メディアと論調が違うフランスメディア。その中から毎日いくつか記事をピックアップして、日本語での要約を掲載。

皆さんおはようございます、ルイです。

一度記事をほぼ記事を書き終わりかけてたのに、下書きをしていなく、操作を誤って全部消しちゃいました>< それで遅くなったのですが、もう一度書き直しまた!今度からはこまめに下書き保存しなければ・・・


今回は2本の記事を要約します。
今回は福島第一原発の作業員たちに焦点を当てた記事を選んで見ました。

一本目の記事は福島で作業している作業員達が被曝死を覚悟しているという記事、二本目は高級週刊誌L'EXPRESSの最新号に掲載された記事で、福島第一で働く作業員達が主にヤクザによって雇用されているなど、その実態を暴いた記事です。



SLATE
4月1日付け

Les liquidateurs japonais pensent qu'ils vont mourir dans quelques semaines

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福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳

 

<要約>
・「作業員同士で、これから数週間から数ヶ月の間に必ずしや放射能による影響で死ぬ者がでると話しているらしい。致死量の放射能を浴びていないわけがないと言っている」。 このショッキングなセリフは、FUKUSHIMA 50と呼ばれている作業員の内の1人の母親が、泣きながらFOXNEWSに発したものである。

・「作業員たちは皆、近い未来か遠い将来に放射能の影響によって死すことを覚悟していると息子が言っていた」と同氏は続けた。

・この母親は匿名でインタビューに応じたとのこと。彼女いわく東電はパニックを防ぐために、福島第一で活動している作業員達に、メディアとも家族ともコンタクトを取らないように、かん口令をひいているとのことだ。既に健康の被害がでている作業員がいるかは、分からないと述べた。

・一方で東電は、健康上の異常を発見するために、定期的にメディカルチェックを実施している。事故が発生以来、3人が高濃度の汚染水に足が浸かって入院するなど、既に数人の作業員が被害にあっている。

・祖国のために命を投げ出している作業員達は、とても世界中のメディアの注目を集めている。ここ では、作業員が撮影したとみられる写真と動画を見ることも出来る。



以上です。



続いてはL'EXPRESSの最新号に記載された記事です。


L'EXPRESS
Japon: les clochards du nucléaire

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<要約>
・福島第一原発で活動している作業員のうちの8割は東電の下請け企業の人材である。また彼らの大半は日本の貧困層から来ている。その彼らの実態を暴いていこう。

彼らを早期の死へと誘っている高濃度の放射線以外にも、福島第一の500人ほどの作業員達は、非人間的かつ悲惨な環境で作業にあたっている。

・彼らに与えられる食事は平均2回で、その内容も乾いたビスケットやお米だけと言ったものである。与えられる水も原則は一日1.5Lと決められている。就寝も床に雑魚寝といった環境だ。

・このような状況下、とある下請け企業の社長は朝日新聞に対して「これ以上福島に行く人材を確保することは困難だ」と述べた。また実際に福島第一で作業に当たっていた下請け企業の社員の1人は、劣悪な労働環境により、作業員3人が高濃度の汚染水に足を浸してしまったことに対する怒りを、東京新聞にてぶちまけた。なんと彼らのうち二人は長靴すら履いていなかったのである。


福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳



・先述したように、東電の自社社員もいるものの、作業員の約8割は日本の貧困層からかき集められた下請け企業の者たちだ。貧しく原発に関する資格を特に持っていない彼らは、数日から数週間にわたって原発にて最も危険な作業に当たる。原発から原発へと転々とする彼らのことを、日本のフリーライターである堀江邦夫氏が1979年に発表したノンフィクションにちなんで、「原発ジプシー」と呼ぶ。

・フランスでも原発産業の下請け化が進んでいる。日本の原発ジプシーなどという詩的な表現ではなく、EDF(フランス電力公社)の業界用語では、彼らのことを「レム(放射線を図る単位)肉を食する奴ら」と呼ぶ。

・日本では、トヨタ自動車を筆頭に多くの企業にて下請け文化が根付いている。建築や原発業界においても同様で、多くの場合その中間にヤクザが陣取っている。

・日本のハローワークのサイトを見てみると、「期間:2011年2月3日~4月30日、勤務地:福島第一および第二原発、勤務内容:電気系統および溶接の点検、資格・技術・経験不要、日当:1万から」などどいった、原発の下請けをうたった(ヤクザ経営も多い)小さい会社による募集要項を多く見つけることが出来る。

・2003年にスペインの高級紙El Mundoに掲載された特集によると、福島第一原発の作業員には東京の公園に住んでいるホームレスが多く含まれると記されていた。日本経済のバブル崩壊により、首都圏の公園の多くが、ホームレスの住居のブルーテントに占拠せれることとなった。これらの場所に、主にヤクザが経営する原発産業下請け企業のスカウトが出向き、「清掃業務」との名目で日雇い労働者を募っていたとのことである。実際200KM離れた福島第一原発にたどり着いて、やっと彼らは原子炉にて作業をする事を知ることになるのだ。

・それからと言うものの、公園内に「その仕事は引き受けるな!死ぬぞ!」などといった警告文が掲示されるようになったが、30年以上に渡って数千人ものホームレス、貧困層の者、移民や外国人労働者が己の命を削りながら、福島第一原発にて作業を行ってきた。

・それらの者の中には、放射能によって生じた健康の害を訴えるものもでている。一番最初に裁判で勝訴したのは、嶋橋さん一家だ。8年間浜岡原発にて勤務した後、29歳の若さで白血病で亡くなった嶋橋伸之の母親が起こした裁判であった。
(注:この事件、裁判に関する詳細が、このサイト に記されています。すごく胸を打たれるので、ぜひ皆様もご覧ください)

元慶應義塾大学助教授の藤田祐幸氏によると、これは「木を見て森を見ず状態」だとしている。彼の研究によると、すでに700人から1000人ほどの「原発ジプシー」が放射能の影響で死し、現在でも数千人が放射能由来の癌に苦しめられているとしている。

・このような中福島第一原発にて今現在戦っている作業員達は、紛れも無い「英雄」である。



以上です。
また興味深い記事があったら要約します!!