ASN公式声明 4月5日版 | 福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳

福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳

双方とも原発大国でありながら、福島の原発事故に対して日本メディアと論調が違うフランスメディア。その中から毎日いくつか記事をピックアップして、日本語での要約を掲載。

おはようございます!花粉症がひどくて鼻水とくしゃみが止まりません(笑)

今回は
フランスASN・国家原子力安全委員会の最新の声明を要約します。
フランス時間の4月5日の19時30分、日本時間ですと4月6日の深夜2時30分に発表された新しいものです。

ASN - Autorité de sûreté nucléaire
4月5日付 公式声明

Communiqué de presse n°24 du 5 avril 2011 à 19h30

リンクはこちらから






<要約>
・第1号機、2号機、3号機への給水ポンプの電源は復旧している。また冷却のための真水注入が1号機、2号機、3号機、4号機にて継続されている。

・しかしこの注水は建屋内、タービン内などへの汚染水漏れをも生んでいる。東電の作業員達はこれらの汚染水を除去する活動を進めている。

・東電の計算によると、除去する必要がある汚染水は6万トンにも及ぶ。その内半分は福島第一原発施設内にあるタンクや復水機などに移し、もう半分はアメリカ海軍の艀(バージ)や静岡市のメガフロート(大型浮体式海洋構造物)などに移動させる予定である。

・現在の目標は、標準の冷却システムを復旧させることにある。これが復旧すると水が原子炉内で循環し、汚染水が流失することがなくなる。しかしそのためひ必要な計器のうちに故障が生じている上に、大量の汚染水が活動範囲を狭めている。

・また東電は現在二つの問題の対応も行っている
 ⇒ 原子炉内の圧力が高まり起こる水素爆発の予防。そのために1号機に液体窒素を噴射することが考慮されている。
 ⇒ 第2号機からもれ続けている汚染水の阻止。そのために、水の流れる経路となっている石の隙間からケイ酸ナトリウム(水ガラス)を注入している。

・現時点までで、3430トンほどの低濃度汚染水が故意に海へと放出されている。予定によるとトータルで11500トンほど捨てることが必要だとされている。

・上記の通り、第2号機から超高濃度の汚染水が漏れている。ヨウ素131の濃度はおよそ300キロベクレル/立方CMほどだ。

・現在でも作業員達の労働環境は苛酷なものである。現場周辺の放射能物質濃度も依然高い。

・日本政府やIAEA国際原子力機関などの計測によると、東京での放射能濃度は低いものとなっている。数値は緩やかに下降しており、新たな大気中への大きな放射線放出はないと見られる。

・ASNのJamet役員が、サルコジ大統領に伴って来日し、日本の関係者等と会合した。連帯と憐憫の意を表明すると共に、今後の対応において最大限 ASNがサポートする準備があることを伝えた。ASNは2005年以来、原発事故の際の住民や環境への対応の訓練を行っている。

・またJamet役員は日本の原子力安全・保安院とも会議を行い、情報および知識の共有化、ならびに意見交換を行った。また国際的ミッションが決行される場合は、ASNも参加する準備があることが伝えられた。

・Jamet役員によると状況は依然危機的で、今すぐにこの事故から教訓を学ばなければならない。

・チェルノブイリやスリーマイル島などの過去の事故と同じように、ASNは今回の福島第一原発の事故からも多くの教訓を得る必要がある としている。事故の検証、原因究明、対応などプロセスは大変長いものになり、数年を要するであろう。また原発におけるリスクマネジメントの強化も検証する 必要があると共に、緊急時の対応策も検討しなければならない。

・フランス国内でも福島由来の微量な放射性ヨウ素やセシウムが検出されているが、健康にも環境にも何ら影響はない。



以上です。
また後ほど別の記事を要約したいと思います。

皆さんも元気な一日をお過ごしください!!