なつかしいベトナムの香りをいただきました
ひと月半の一時帰国から日本に戻って来たタインさんから、お土産としてベトナム食材が届きました。 乾燥フォーやインスタント麺各種、ゼリーの素など馴染みのものや初めて見るものなどといっしょにジッパー袋に入った木の実のようなものがありました。 彼女から持って帰ったと聞いてはいましたが、これが乾燥ライチとは思いませんでした。
在越中には目にしたことも聞いたこともなかったので、ドライライチと聞いて、外皮を剥いて中身だけを干したものだと勝手に想像していました。
さっそく一粒取り出してみると、皮ごと乾燥させたその実は、旬の頃にはキレイなピンク色だったものが茶色くなって固くシワシワ状に。 カサカサの皮を剥いてみると、生のときには白かった中の実が真っ黒。でもしっとり柔らかく乾燥プルーンに似た感じでした。
そして口にするとその味は干し柿と干し葡萄を合わせたようなドライフルーツ独特のものでした。
特筆すべきはその香りで、ライチの香りが凝縮されていてとても香り高く、フレッシュなライチの味を思い起こすのに十分でした。口の中にあるときもそうですが、飲み込んだ後も強く甘い香りが口と鼻に残って、余韻を楽しむに余りあるほどでした。ベトナムで食べたフレッシュなライチの味と香りがなつかしく蘇ってきました。
この乾燥ライチはタインさんの家族の手づくりだそうで、遠く離れた地で家族のために頑張っている娘に食べさせたいという一念で、一生懸命に作られたご家族の思いが伝わって来ます。
日本でも柿や大根、さつま芋など天日に干して美味しさを倍増させて味わう食文化がありますが、ベトナムでもマンゴーやジャックフルーツ、バナナなど乾燥したものが市販されており同じなのだと思い至りました。
ただハノイ市内のドライフルーツ専門店にはあったのかもしれませんが、私は市場やスーパー、街の食料品店では乾燥ライチを見たことがなかったので、日本で新たなベトナム体験ができて新鮮でした。
タインさんは日本入国時にブオイなどの生物と半生のベトナム食材は全て没収されたとのことで、半減してしまったせっかくのベトナム食材を送ってくれて、彼女のあたたかな気持ちにも感謝している次第です。
以前にも二度ほど食品や調味料を送ってくれたことがあったのですが、その時の返礼にとトンカツやおでん(こんにゃくを食べたことがないと言っていたので)、惣菜、ぜんざいなどを作って送ったことがあります。今度は日本の味として何を送ろうかと思案中で、改めて日本らしさ、日本ならではものを見つめ直す良い機会になりそうです。(漢字、語彙担当 木本)
送ってくれた乾燥ライチ
タインさんの実家 竜眼の木
(ライチの木は100本くらいあるそうです)