★築基02~21の訓練方法は全て同じである。
1:ヨガを源流とするポーズをする。しっかりとテンションをかける。
2:しっかりとテンションをかけたまま、可能な限り緩める。
3:変性意識状態となり、肉体と対話しながら必要なところを「ツボ押し」「さする」「軽く叩く」などする。刺激がどのように伝わってどこの緩みが促されていくのかを観察する。柔軟になった分だけさらにテンションをかける。
4:武息を行う(武息についてはこちらも参照)。武息をしながらも体内観察と、武息によって緩み柔軟になった分だけテンションをかけていく。
上記1~4の流れを基本として、築基02~21を二十数分間のうちに連続して行う。順番を入れ替えることは読者にお任せする。
実践する人それぞれが体験的理解を深めてもらいたいという意図から、それぞれの行法がどの経絡や内丹に関与しているかについては割愛する。
ポーズごとに適切な刺激を加えてみると良さそうなところについてはヒントを例示しておく。あくまでも例示なので、個人差があることは言うまでもない。ポーズについてもはヨガと類似している場合はアーサナ名を書いておく。
・武息や緩みがちゃんとできているか?
・変性意識状態に入れているか?
・肉体への刺激は適切か?
・体内観察のモードはどれくらいできているのか?
・ポーズがきちんとできているか?
などなどについては、直接指導を受けてチェックを受けたほうがいい。
大周天に関わる内丹術と直接の関係はないが、築基02から21では対応できない経絡に精と流すために8種類の行法を追加したので
白鳥鳳山の内丹術49 ―丹田のさらなる核を作る技法― その13
を参考にしてもよい。
★築基02
前屈のポーズ(パシュチモーッターナ・アーサナ)の内丹術版
両足を前に伸ばして座り、両手が届く範囲で足をつかみ、前屈する。足の指や足の裏までつかみ、膝から先に顔がくっつくようにするとよい。
△刺激ポイントのヒント
・手の小指
・頭皮
・足の指と足の甲
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★築基03
ひざに頭をつけるポーズ(ジャーヌシールシャ・アーサナ)の内丹術版
片足を斜め前方に伸ばし、一方の足を内側に折り曲げる。伸ばしている足のほうへ上半身を倒す。膝から先に口がつくくらいがよい。
△刺激ポイントのヒント
・頭皮と、ぼんのくぼ
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★築基04
亀のポーズ(クールマ・アーサナ)の内丹術版
亀のポーズまでいかなくても、開脚して手を前に出して前屈する。肘が床につくくらいがよい。
△刺激ポイントのヒント
・第1チャクラのあたり
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★築基05
後頭部に両手を組んで頭部を前に倒したまま、開脚前屈するポーズ
△刺激ポイントのヒント
・後頭部に両手を組んだことで、腕が頭部を包み込む形になる。側頭部をよく刺激する。
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★築基06
上向き金剛坐(スプタヴァジュラ・アーサナ)の内丹術版
正座から両手を後ろについて、肩と後頭部を床につける。可能な範囲で胸を張る。
両足が膝より外側(上向き英雄座)になっても構わない。
△刺激ポイントのヒント
・胸部の正中線上
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★築基07
コブラのポーズ(ブジャンガ・アーサナ)の内丹術版
うつ伏せになる。手をついて上体を起こす。両手を外側に捻じりる。両手の小指が胸の下で重なるくらいに捻じれるといいが、無理しないこと。
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★築基08
魚のポーズ(マッツヤ・アーサナ)の内丹術版
仰向けで寝て、蓮華座に足を組む。両手を使うなどして胸を張り、なるべく頭頂の【百会】が床についているようにする。肘を床に付けて、胸の開きと肩甲骨の締めをしっかりするとさらによい。
△刺激ポイントのヒント
・土踏まず
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★築基09
蓮華座から胸を張り背中を反らし、額を包むように手を組み、天を見上げるポーズ
△刺激ポイントのヒント
・額を包み込んだ両手で、おでこの両サイドをよく刺激すること。
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★築基10
合蹠(がっせき)から上体を横に倒すポーズ
両足の裏を合わせて踵を体のように寄せ、背筋を伸ばすことを合蹠という。ここから上体を前に倒すことが一般的かもしれないが、ここでは上体を横に倒す。可能な限り、合わせた両足の裏が離れないようにしながら、両腕の肘を真横の床につけるようにする。腹部の捻り方に気をつけて、体を傷めないようにすること。
△刺激ポイントのヒント
・合蹠のときには舌で上の歯の裏側の歯茎を上に押し上げるようにして、口を開いていく。
・上体を横に倒したときには、肘から手首のエリア。
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★築基11
片足は正座の形、一方の足を蓮華座の形にする。蓮華座の形にした方の足首から先は、正座の形の膝の上に載っている。蓮華座の形にしたほうに上体を倒し、左右の肘を床につける。
△刺激ポイントのヒント
・指先から腕全体
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★築基12
開脚して座るところから片足を内側に折り、折った片足の方に上体を倒す。左右の肘を床につける。胸まで床に付けてもいい。
△刺激ポイントのヒント
・おでこ
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★築基13
牛の顔のポーズ (ゴームカ・アーサナ)の内丹術版
片手を上から背中側へ、一方の手を下から背中側へ回して、両手を組む。
△刺激ポイントのヒント
・中指と薬指
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★築基14
死者坐(ムリタ・アーサナ)の内丹術版
仰向けに寝る。
△刺激ポイントのヒント
・下腹部から腹部の両サイド
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★築基15
片足は正座の形、一方の足を蓮華座の形にする。蓮華座の形にした方の足首から先は、正座の形の膝の上に載っている。この状態のまま前屈して頭を床につける。
△刺激ポイントのヒント
・足首から膝の間
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★築基16
蓮華座から手を頭の後ろで組み、首の後ろを伸ばすポーズ
△刺激ポイントのヒント
・頭の後ろで組んだ手ではさみ揉むように、首の後ろから後頭部を刺激する。
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★築基17
赤ちゃんのポーズ(パヴァナムクタ・アーサナ)の内丹術版
仰向けに寝てから、腰を床につけたままで三角座り(体育座り)となり、頭部を膝につける。
△刺激ポイントのヒント
・膝裏
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★築基18
正座から上体を後ろに反らして頭頂が床につくようにするポーズ
△刺激ポイントのヒント
・百会
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★築基19
膝で肘を圧すポーズ(ヴァクシャスタラ・ジャーヌピーダ・アーサナ)と似ている。
合掌した親指を臍上に差し込むポーズ
正座、つま先立ちからしゃがむ、などの座り方をする。合掌し、親指を立てて、臍と鳩尾の間に差し込む。
△刺激ポイントのヒント
・そのまんま
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★築基20
胸を抱き締めるポーズ
座り方は自由。両腕できつく胸を抱きしめる。
△刺激ポイントのヒント
・ポーズを決めたときに、手の指が届いている辺り
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★築基21
赤ちゃん坐(パヴァナムクタ・アーサナ)の内丹術版
三角座り(体育座り)となり、しっかりと膝を胸に引き寄せて、首を前に倒す。
△刺激ポイントのヒント
・脛(すね)の内側
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