ダブルバインド(二重拘束)というコミュニケーションのパターンを持っている家庭の子どもは統合失調症に似た症状を示すようになるという理論があります。グレゴリー・ベイトソンのダブルバインドセオリーです。
4、ジェスチャー、声の調子、表情などの非言語的手段による第一次の禁止命令と矛盾する第二次的な禁止命令。
生きにくさを感じている方にはヒントになるかもしれませんので、概略をお話ししたいと思います。
「今を生きる」ことの大切さがこれだけ行き渡っている現代に、なぜセッションでは過去に遡る必要があるのかも後述しています。
ダブルバインドセオリーは、メッセージとメタメッセージ(メッセージがもっている本来の意味をこえて、別の見方・立場からの意味を与えるメッセージ)が矛盾するコミュニケーションの状況におかれることで成立します。
1、2人あるいはそれ以上の人間の間で
2、繰り返される経験
3、第一次的な禁止命令
(a)「何々の事をするな、さもなければ罰する」または
(b)「もし何々のことをしなければ、罰する」
2、繰り返される経験
3、第一次的な禁止命令
(a)「何々の事をするな、さもなければ罰する」または
(b)「もし何々のことをしなければ、罰する」
例) 母が子に「人を学歴や職業で判断してはいけないよ」
「子どもが生きてるだけで親は幸せなんだよ」
4、ジェスチャー、声の調子、表情などの非言語的手段による第一次の禁止命令と矛盾する第二次的な禁止命令。
例) 「今時男が大学にもいかないのを母親は良く許したね」
「タバコなんて吸う人間はうちの家系には一人もいないよ」
5、命令を受けたものが現場から逃れるのを禁ずる第三次的な禁止命令
5、命令を受けたものが現場から逃れるのを禁ずる第三次的な禁止命令
例) 「親の面倒も見られないんじゃ、育てた甲斐がないね」
「親から見れば子どもは幾つになったって子どもなのよ」
上記では家庭内、親の例を挙げましたが、上下関係のある場所、職場や部活内などでもよく見られるパターンです。
「改善進歩のために気づいたことはなんでも言うように」(一次)
「上司(先輩)に逆らうな」(二次)
「組織人(部員)としての誇りを持て」(三次)
命令を受けたものは、相反する二つの理論の間で引き裂かれます。そして対処するために取る行動は3つ
1、命令の裏の意味を読み取ろうとする
2、言葉を額面通りにだけ受け取ろうとする
3、相反した2つのどちらにも反応しないために無口、拒絶的になる
A案を選んでも、B案を選んでも命令者を満足させることはできず、自分(命令される人)が認められることもありません。
命令者の目的は、対象(命令される人)を無力化して支配する事です。
その結果として子どもはAC(アダプテッドチャイルド 従順な子ども)になっていきます。
命令者(例えば親)は、自分自身の存在に不安を持っています。怒りをぶつける対象を必要とし、愛されない自分の仲間にするために対象を見捨て、でも逃げないように無力化して支配しようとします。
自分自身の不安と向き合わないで済むように。
命令された人(例えば子ども)は自分自身を感じないように無力化されているので、物理的に命令者から離れたとしても、心の中に内在親(インナーペアレント)を住まわせ、命令者の言葉を再生し続けて生きていきます。
矛盾や生きにくさに気づいて自分自身を取り戻す決意と行動を始めるまで、永遠に。
この場合の親と子どもに共通しているのは
・素直な自分の象徴であるインナーチャイルドを殺して生きている
・自分の中のインナーペアレントに支配されて生きている
・親を否定したくない、親に操られて生きてきた自分の今までの人生を否定したくないために、インナーチャイルド(本来の自分)を無視している
インナーチャイルドを無視することになった原因はほとんどが幼少時の親との関係にあります。素直な自分の反応であるインナーチャイルドの感情が常に報われなかった経験から、絶対的な存在である親(今は内在親であるインナーペアレント)の言葉に従って生きることを選んでいます。
報われなかった感情は、報われるまで手を替え品を替え人生の中で繰り返し出会う出来事として現れてきます。
・本来の自分の感情を取り戻して自分らしく生きる
・親であれば自分自身が支配から脱し、本来の人生を生きる(事が子どもへの支配をやめる事になる)
ためには、自分自身の手でその感情に報いてやらなければ決して繰り返しから解放されることはありません。
これが、どんなにうんざりしようとも同じような人や出来事を繰り返し引き寄せる仕組みであり、セッションで過去に遡る必要がある理由です。
・過去を思い出すことを嫌がる
・当時の感情を思い出せない(又は大したことはなかったと思う)
のは、未だインナーペアレントの支配が十分な力を持って機能しているということでもあります。
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