※少々過激な表現がございます。苦手な方はご注意ください。
コロコロ…コロコロ…カツン…
口の中でころころ転がるそれは
朝早くから深夜遅くまで仕事をこなし疲れ切っていた私を見かねて
ついさっきマネージャーさんがくれたもの
疲れてるでしょ?そんな時には甘いものが一番よ…なんていって渡されたこれ
両手から溢れそうなほどもらったそれは赤、紫、黄色、緑…いろんな色があって
袋を一つ無造作に選んでそれを取り出し蛍光灯に透かして見る
『まるでキラキラ光る宝石みたいだね』
なんて言っていたのはだれだったか…
そんな自問自答を繰り返しながら携帯をさわりブログの更新を進めていく
「あ!玲奈ちゃーーーーん」
ドス……
「!?」
すると突然鈍い音とすごい衝撃が私の身を襲い
ゴトリ…と音を立てて私の手から携帯が床に落ちた
まだ描きかけだったブログは保存しないまま電源が飛んでしまい
ああ…書き直しだ…と私は頭をかかえたい気分だった
その怒りをぶつけるように自分の背中に抱き着いている
自分の恋人をにらみつけた
「いきなり飛びついてこないでって…何回言ったらわかるの?」
いつもより少し低めの声でドスをきかせる
「だって…楽屋に入ったら玲奈ちゃんが見えて…ずっと会えてなかったから寂しかったんだもん…」
そういってシュン…という効果音が見えるほど珠理奈は落ち込み玲奈の体から離れた
玲奈が珠理奈の顔を見ると犬耳がシュン…と垂れ下がっている幻影まで見えてきて
それ以上何も強く言えなくなった
「全く…いつもいつも…危ないから気を付けてって言って「あーーー玲奈ちゃん飴いっぱい持ってる!」」
ガリ…
自分の注意の声をさえぎりいいなーいいなーとはしゃぐ珠理奈を見て
怒りが頂点に達しついつい飴を噛み砕いてしまった
じゃりじゃりとした触感はあんまり好きではないからいつも噛んだりしないけど
この時ばかりはしょうがない…これで怒らないなんてどこの聖人君子だそれは…
なめている時以上の甘さと触感に苦い顔をしながら玲奈は珠理奈をにらみつけた
一つ頂戴!なんて言って許可を取るつもりもない言葉を投げかけて
珠理奈は玲奈の膝の上に置かれている色とりどりの飴の中から一つ掴み袋から出した
『やっぱり宝石みたいにきらきらしててきれいだよね』
なんて目をきらきらさせて無邪気にわらう珠理奈を見て玲奈は
自問自答していた答えにたどり着いて怒りと合わさり頭を抱えた
ああ…うん…そうだった…あれを言っていたのはそういえばこの子だった…
玲奈が怒りに震えている横で口をもごもごさせておいしい!と笑う珠理奈をみて
怒りを通り越して玲奈は最大級のため息をついた…私はどうしてかいつもこの子にだけは甘いのだ…
「玲奈ちゃん…ごめんね?怒ってる?」
玲奈のためいきを聞いた珠理奈が片方のほっぺを膨らませながら
うるうるとした瞳に上目遣いで玲奈を覗き込んだ
うう…これで何も考えずにやってるんだとしたら相当たちが悪い…
玲奈は返答をすることもなく本日二度目のためいきを盛大に吐いた
「うう…ごめんなさい…次からは気を付けるから…」
じゃあ…お詫びに…と
それまで玲奈が座っているソファーの近くに立っていた珠理奈が
いきなり目の前までやってきて玲奈の上に膝立ちで跨り上から強引にキスをした
「ん!?…ん…んぁ…」
クチュ…クチュリ…
二人の口の中を珠理奈がなめていた飴が行きかう
いきなりキスをされた玲奈は驚きあわてて珠理奈の舌と飴を押し戻そうとするが上から
キスをされているためうまく押し戻せず飴の味がする二人分の甘い唾液を飲み干すしかなかった
ぷは…
しばらくして解放された玲奈は怒りの恥ずかしさで顔が真っ赤になっていた
ここにいくら今人がいないからっていつ来るかもわからないのにこんな…こんな…
ぷるぷると怒りに震える玲奈が怒りに任せ声を荒げようとしたとき
珠理奈がとっさに人差し指で玲奈の口を押えて言った
『ねえ…玲奈ちゃん初めてのキスはレモンの味がするんだって知ってた?』
初めてじゃなかったけどレモンの味がしておいしかったよと
先程の子犬のような顔ではなく妖艶な大人の顔をして笑う珠理奈の手にはレモンの飴のゴミが握られていた
そのあと珠理奈が玲奈に鬼の形相で怒られ何日も口もきいてもらえなくなったのは言うまでもない