一瞬ついに私の耳もおかしくなったかと自分を疑った
この時の私はおそらく相当間抜けな顔をしていたと思う
正気か?と彼女を見るが目を見る限り冗談ではなさそうだった
自分が今五体満足なだけでも不思議なのに、まさか城の主自ら殺せとは面白い…
自然と珠理奈の口が弧を描く。
一度だけ自分の中にある銃を見つめてから珠理奈はゆっくりと玉座へと足を進めた
カツン…
「本当に…いいの?」
一歩足を前に進める
「ええ…もう…気が遠くなるような時間を過ごしたもの…」
カツン…カツン…
「そう…ここには他に誰かいるの?」
終わりの前のちょっとした余興
言葉遊び、質問と回答のシーソーゲーム
「いた…わ…昔はね。だけど長すぎる時には勝てなくてみんな死んでいった」
ああ…知っている…この目は
全てに疲れ切って、全てを諦めてしまった目
きっともう涙は枯れ果てているだろう
カツン…カツン…カツン
「そっか…後さ…言ってなかったけど私、お世辞にも射撃上手いとは言えないよ」
「大丈夫…これだけ至近距離からなら子供でも殺せるから」
珠理奈は彼女が座る玉座の前にまで来ていた
真正面から座っている彼女を見下ろす
たとえ光が無くとも彼女の目は透き通ったガラス玉のように綺麗で
目が合っただけでまたドクンと心臓が跳ねる
「見て聞いたところ、あなたは人間じゃないみたいだけど本当にこんな銃で殺せるの?」
「その銃ほど純銀度が高ければ、上位吸血鬼の私でもおそらく殺せるから安心して」
「ああ…あなた吸血鬼だったんだ…なるほど、通りで綺麗なわけだ。それに確かに上位種じゃ、自分で死ぬことも難しいね」
吸血鬼…他者の血を吸い糧とするこの世界の上位種族
しかし長命であるはずの吸血鬼たちは何十年も前に起こった
人間との戦いの影響で、その数はもう限りなく少ないという。
その中でも、上位吸血鬼はさらに希少で、
再生能力が高く、生半可な武器では傷をつけることすらできないらしい。
つくづく難儀な体だよね…お互い。なんて心の中で思いながら
珠理奈はゆっくりと彼女の心臓に銃を突きつけた
「最後に…本当にいいんだね?」
「しつこい…別れを告げなければならないものなんて、私にはもう何一つ残ってない。」
そう言い放って彼女はゆっくりと目を閉じた
その顔は相も変わらずとても綺麗で近くで見ると
向こう側まで透けてしまいそうな感覚に陥った
よい夢を…
と心の中で思いながら引き金に指をかける
「じゃあね…名も知らぬ吸血鬼さん」
音のない静寂の空間に数発の銃声が鳴り響いた
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な、長いorz
すみません。まだ続きます(´;ω;`)ウッ…