Ariston RD11s とは - 序章「我が家に来るまで」
さて、2台のプレーヤーが壊れた結果、消去法でメインの座に祭り上げられてしまった、アリス嬢ことAriston RD11s。そろそろ、この娘の過去を語ってみようか。 グッタイミンなことに、手に入れたときのドキュメントが、押し入れからまろび出た。いまマジマジと目を通すと、これは面白い記録だ。忘備のため、書いておきたい。 eBayで落札(確か無風落札)したアリス嬢がオーストラリアから届いたのは2002年。20年前だ。そのとき一緒に届いたのが、この紙類だ。 プレーヤー本体やトーンアーム(SME 3009S II imp)のマニュアルがあるのは当然として、律儀なことに前オーナーが買った店の領収書まで入ってるのが楽しい。 SMEのマニュアルやマウント用テンプレートは珍しくないが、無記名の保証書(右上)は珍しいかも? 言うまでも無いが、保証期間は過ぎてる。 面白いことに、DECCAの製品保証書と記事の切り抜きがある。GARROTT DECCA Mk.VI フォノカートリッジのレビュー記事だが、どうも前オーナーはこれを愛用したらしい。いやあ、羨ましいね。 さて、問題は当時の納品書と領収書だ。これでアリス嬢の来歴がよくわかる。 左上が販売店の納品書で、左下が領収書。そして、右は最初のオーナーが個人売買でアリス嬢を手放したときの、手書きの領収書だ。 納品書から見てみよう。販売店は、オーストラリアのパースにある「Douglas hifi」なるオーディオショップ。なんと今でも元気に営業してるよ!Douglas HiFi - 2 channel Stereo and multi room Audio specialistsDouglas HiFi have been operating for over 30 years delivering personalised solutions for all your Audio Visual needs - The Best Experience in Stereo HiFi, HiRes Digital Streaming, …www.douglashifi.com.au さすがに市内の別の場所に移転したようだが、ちゃんとレコードプレーヤーとカートリッジも扱っていて、なんだか嬉しくなるね。 購入の日付は「18/6/1977」。英連邦の一員であるオーストラリアは、英式の日付表示なので、これは「1977年6月18日」だ。あー今まで1972年製だと思ってが、5年違いだ。「50年前の~」を「45年前の~」に訂正しなきゃ(汗 プライバシー配慮で名前は伏せるが、最初のオーナーは「Ariston RD11s」を買うためそれまでの愛機を下取りに出したようだ。手書きで読みづらいが、製品名を解読すると、これは「SONY PS-4750」で間違いなかろう。 こいつか!!丸いボツボツが苦手な人は閲覧注意。 これを売って、アリス嬢を。なるほど。DDプレーヤーからASシンクロナス・プレーヤーへ、180度の方向転換だ。 値段を見ると、アリス嬢は「510ドル」で、下取りのSONYが「210ドル」。差し引き「300ドル」が代金だ。オーストラリアドルなので、かなり安いと感じたが、1977年の為替レートを調べて驚いた。当時は1豪ドル250円以上! つまり、Ariston RD11sの店頭価格は「510 x 250 = 127500」円となる。えっ、そんな高額商品だったのか!?一方、SONY PS-4750は中古下取り価格で「210 x 250 = 52500」円。当時の日本の標準小売価格が53,800円だから、ずいぶんと良心的な査定だな。 国内に有力な音響メーカーがないオーストラリアでは、海外のオーディオ製品はかなり強気だった。のか? そして、このオーナー氏が手放したときの手書きの領収書がこれ(こんなものまで、我が家に伝来するとは)。これを見ると、2001年の7月8日に「500ドル」で譲ったことが分かる。つまり新品「510ドル」が25年後に「500ドル」で売れたわけ。リセールバリュー、すごくないか。 いやいや。そこは単純に比較できない。2001年の豪ドル円レートは「1豪ドル63円」。31500円にしかならない。 ってことは、その翌年、これが横流し同然にeBayに出品され、言い値で大枚8万円をはたいた僕は、チョロいカモだったのかも。いやはや。 それが分かった今も、後悔はひとつもない。だって、咽喉の奥から手が出るほど欲しかったから。 次回こそ、その話をしたい。だいぶ引っ張ってしまった。